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他人に占有されている土地の時効について
- 他人に占有されている土地の時効について質問です。
- 共有の井戸予定用地が無断で占拠されている問題について、時効の中断や対応策について調査しています。
- 現在、共有者の一人が所有する土地に食い込む形で、共有の井戸予定用地が占拠されています。時効の成立まで放置するべきか、裁判に提訴するべきか悩んでいます。
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> 「管理会社が口頭で注意」は時効の中断になるのでしょうか。 ↑ もし、Aの所有権の取得時効が完成する前に、 他の共有者が「共有地につき占拠を解消すべし」と催告する意思を、 管理会社を通じてAに対して伝えたとすれば、 それから六箇月以内に 裁判所が関与する法的措置(民法第百五十三条所定)を取った場合に限って、 当該時効は中断します。 民法より抜粋。 「(催告) 第百五十三条 催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法若しくは家事事件手続法による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。」 時効は中断すると、その効力を失います。 > このままじっとしていて時効成立を待っているのかも知れません。 > どう対応すべきかご意見をお待ちします。 ↑ Aは本件土地の共有者の一人であり、 また、本件土地が道路に面していることから、 「道路との境界に鉄パイプで柵を設置したことは、保存行為だ」と 開き直るかも知れませんね。 (保存行為=財産の現状を維持する行為。) 民法より抜粋。 「(共有物の変更) 第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」 「(共有物の管理) 第二百五十二条 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」 理論上は、A以外の共有者が本件土地の占有を奪えば、 Aの所有権の取得時効は中断します(民法第百六十四条)。 ただ、信義・誠実の基本原則(第一条第二号)を掲げる民法のもとでは、 これは好ましい手段ではありません。 Aに対して催告をした上で、 裁判所が関与する法的措置を取った方が良いと思いますが、 他に考慮すべき事情があるかも知れないので、 A以外の共有者が協議して代表者を決め、 その代表者が専門家に相談し助言を受けることを勧めます。 ◇ 日本司法支援センター(愛称「法テラス」) : 相談をご希望の方へ http://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/index.html > 6年前Aが道路との境界に鉄パイプで柵を作ったとき、 > 本来はL字型に柵を作って井戸予定地を避けるべきなのに鉄パイプをまっすぐに伸ばして設置し共有の井戸予定用地を占拠してしまいました。 > このまま放置すると民法の規定で10年か20年で時効が成立して > 共有の井戸予定用地はAのものになってしまいます。 ↑ もし、Aが占有を開始した時点において、 本件土地が共有である旨が登記されていたならば、 Aが10年間の占有によって所有権を時効取得することは できないでしょう。 他人の物を所有の意思をもって、平穏に、 かつ、公然と占有した者は、 その占有の開始の時に、過失なく善意であったときは、 所有権を10年間の占有によって時効取得し、 そうでなかったときは、 所有権を20年間の占有によって時効取得します。 (民法第百六十二条)。 ここで「善意で」とは、 所有権を自分が有すると信じていることを意味し、 本件土地の共有者の一人であるAにあっては、 (共有の持分権に留まらない) 独占的な所有権を自分が有すると信じていることを意味します。 占有者は、 善意で占有をすることが推定されます(第百八十六条第一項)ので、 占有者Aが善意でなかったことを立証する責任は、 Aの取得時効の成立で不利益を被る他の共有者にあります。 他方、 占有者がその占有について無過失であったことは推定されないので、 占有者Aが無過失であったことを立証する責任はAにあります。 占有者Aが占有を開始した時点において、 本件土地が共有である旨が登記されていたならば、 仮にAが自分が善意であったと主張するとしても、 Aには登記を確認しなかった過失があることから、 Aが本件土地の所有権を時効取得するために必要な占有期間は、 10年間ではなく、20年間となります。 民法より抜粋。 「(基本原則) 第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。 2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。 3 権利の濫用は、これを許さない。」 「(所有権の取得時効) 第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。 2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。」 「(占有の中止等による取得時効の中断) 第百六十四条 第百六十二条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する。」 「(占有の態様等に関する推定) 第百八十六条 占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。 2 前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。」
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- fujic-1990
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時効の中断は、基本的には提訴しないとダメです。まあ、提訴だけではなく催告とか支払い督促とか和解の申立などでもOKですけど、条件が加わります。 中断という言葉は、「新郎新婦、中学以来の二人の交際は23歳から24歳までの1年間中断したのですが」なんてぐあいに使いますよね。24歳になればまた復活するわけです。中断はしても「中学~23歳」までの交際がなかったことになるわけではありません。 しかし「時効の中断」という場合の「中断」は、それとは違います。中断までの年月積み重ねてきた実績がご破算になること、ゼロになること、なかったことになるのです。 それほど重要なことなので、中断事由は民法で法定されています。 それによると「管理会社が口頭で注意」は時効の中断事由ではありますが、その時から6か月以内に訴訟をおこすなどしなければ、中断がなかったことになります。中断の効果は発生しません。 > たかだか2万円の損害でわざわざ提訴するのも面倒 ということであれば、対応はできません。 天は自ら助くる者を助けるそうですが、日本国は「自力救済」は禁止です。 必ず提訴、和解・調停の申立など、面倒なことをしないとダメだということになっていますので、穏当な手はないことになります。 穏当でない手ならまあ、中華人民共和国方式というのがあります。 例えばすぐ隣に「ここ共有井戸用地」とでも書いた看板を取り付けて、挑発するんです。時効取得には平穏かつ公然と占有することが必要ですので、挑発してケンカになれば平穏でなくなるので、取得時効はできないことになります。 でも、2万円程度のことで、そこまでおやりにはならないでしょうね。となると、対応は無理でしょう。
お礼
とても参考になりました。ありがとうございます。
- sirasak
- ベストアンサー率27% (348/1287)
20年間他人の土地を占拠しても簡単に名義書き換えできないと思いますが、 実質支配され続けると思います。 内容証明郵便を出す方法では効果がないと思います。 費用が数千円の調停訴訟を起こすのが一番良いと思いますので、 地方裁判所に出向いて相談されたらいかがでしょうか? 又は、県市町村などの相談コーナーでも良いと思います。 とにかく行動したほうが良いと思います。 詳しく知りませんが、参考まで。
お礼
ご回答ありがとうございます。参考にさせていただきます。
お礼
大変丁寧に、かつ詳細にご回答いただきありがとうございます。 他の地権者とも相談して対処いたします。 本当にありがとうございました。