>香りを供えると聞いたのですが、どういう理由で供えてるのでしょうか?
何か理由が分かっていて始められたものではありません。
香がもたらす効果を経験的に知っていて使われ始めたものが習慣化したものです。
近年「香り」は脳内麻薬と呼ばれる脳内の化学物質の分泌を促す効果があるということが分かってきています。
異なる香りによる脳内酸化ヘモグロビン濃度および気分への影響 - 昭和大学
www.showa-u.ac.jp/sch/nr/frdi8b000000flzo-att/haga.pdf
この脳内麻薬とよばれるもののなかでエンドルフィンというものが、心を落ち着けるなどの効果があるとされています。
脳内麻薬の作り方 エンドルフィン « 頭推按
www.toutsuian.com/?p=107
このような事は知らなくても、経験的に香が落ち着いた敬虔な気持ちをもたらす効果があることは古代から知られていました。
宗教施設で香を焚くことは仏教だけではなくカトリックの教会でも行われています。
ただこの原理がよくわかっていなかったことから、礼拝用の祭壇の前で香を焚く行為に色々な理由付けがおこなわれました。
後世に付けられた理由は死者や神仏のためとしていますが、実際は参拝者のためのものです。
このような理屈からいけばアロマや香水でも構わないということになります。
古くから香油というアロマや香水の類のものはありました。
香油は西欧では現在も使われています。
ただ国内の市販の商品で線香の香りと同じ効果のものはないかとおもいます。
線香の香りはすぐに消えますが、アロマや香水では一日中匂っていることになりますので、あっても歓迎されないでしょう。
日本ではこの香油に適した素材がなかったこともあり、香油の技術は発達しませんでした。
これに対して香木を焚いて発生した香りを衣服に移す技術が発達しました。
>毎日焚いてるのでしょうが別にあっても無くても亡くなった方が困ることはないのでしょうか?
寺院などでは毎日焚いています。
困ることはありませんが、習慣となっているのと、仏事の作法とされていることから続けられています。
瞑想を主な修行とする禅宗では、目前に立てられた線香を凝視して思考を集中させると同時に線香の香りがもたらす脳内麻薬の分泌により瞑想状態になり易いことから使われています。
家庭の仏壇等で毎日焚くのは、線香を焚くことが目的ではなく、祖霊にお詣りすることで、一日落ち着いた気分で居られることを願う行為です。
祖霊にお詣りするという行為は純然たる宗教行為ですので、理屈では割り切れない部分があります。
まぁ~その人その人の気分の問題とでも考えてください。
蛇足
現在日本で使われている線香のスタイルは室町時代に開発されたスタイルです。
日本は香木が少なく、香木は全て南方からの輸入品で極めて高価なものでした。
杉の葉を乾燥させて粉末にして練り込んだ線香の開発で廉価になり普及しました。
通夜や葬儀などで、香を焚くのは死臭を紛らわす効果も期待されています。
高価な香木を少量づつ焚いてその香りから香木をあてる香道という遊びも古くからありました。
現在も続いています。
西欧の捕鯨はマッコウクジラの頭部にある脂肪分にこの香油の材料となるものが含まれていたことから盛んに行われました。
マッコウクジラも漢字で書けば抹香鯨です。
お礼
回答ありがとうございます。 >何か理由が分かっていて始められたものではありません。香がもたらす効果を経験的に知っていて使われ始めたものが習慣化したものです。 なるほど、始まりに意味がなければ、省いても差し障りありませんから雨の日などは省略したいと思います。 >後世に付けられた理由は死者や神仏のためとしていますが、実際は参拝者のためのものです。 そうですよね。 >このような理屈からいけばアロマや香水でも構わないということになります。 ですよね! >困ることはありませんが、習慣となっているのと、仏事の作法とされていることから続けられています。 >まぁ~その人その人の気分の問題とでも考えてください。 やっぱりそうですよね。 梅雨の季節なんかは窓も開けられないし、臭いし、壁や障子も黄ばむし、衣類や洗濯物にまで臭いが染み付いて不快極まりなく、とっても憂鬱でしたが、今度から雨の日はやめます。始まりに意味がないなら線香焚かなくても後ろめたくないし!!良かったです!ありがとうございました!