確かに、銀河系の形を正確に見ようとすれば、銀河系の外から離れて見るほかなく、アンドロメダ座にあるお隣の銀河M31の天文学者にでも尋ねるしかありませんが、地球からの観測でもある程度はわかります。
それは、銀河系の星々の位置と距離、光度・スペクトル型などのデータを集め、星の空間分布を決めて解析することによって得られます。おおまかにいうと「標準的な解析方法は、ほかの渦巻銀河から類推して銀河系の構造モデルを作り、観測された星計数とモデルの予測する星計数がもっともよく合致するように、モデルに含まれる諸種のパラメータを決定する」(「銀河系と銀河宇宙」(岡村定矩著))方法です。
その結果、銀河系は棒渦巻銀河と呼ばれる種類の形をした銀河であることや、太陽はその中心からやや離れた周辺部で、また銀河面の北側にあることなどがわかってきました。とはいっても、星や星間物質が密集している銀河系の中心部の構造を調べることや、中心部を通してその向こう側を見ることは難しく、ほかの近くの銀河を直接撮影したのと同じほどの詳しさで、銀河系の全形がはっきりわかっているわけではないことは仕方がありません。