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ブランコが自発的に揺らせられる根拠は?
他人から押されずにブランコに乗っている人が自力でブランコをこげる理由が分かりません。 ブランコに乗る際に勢いをつけて前後に揺らすための惰力を与えない限り、 ブランコに乗っている人間のすべての重さが鎖の根元にかかるため 乗っている人の重心はその支点の真下に来るはずですから どのような動きをしたとしても鎖にぶら下がっている人間の重心は動かないと思われます。 だとすれば、乗っている人が腕や足をいくら動かしたところで、ブランコ全体の重心が移動しないため、 なぜブランコを漕ぐことができるかを説明することができません。 何か重心以外の要素でブランコが自発的に揺らせることができる理由を教えて下さい。
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#4です。 ブランコが揺れる方向と垂直方向でも、ブランコの揺れが大きくできることも見ておこうかと思います。ただし、この方法は全く揺れていない状態から揺らしていくためには使えません。 既にブランコがある程度揺れているとします。以降の説明がやりやすく、分かりやすくするために、立って乗っているとします。 真っ直ぐ立ってブランコに乗っていて(両手でブランコを吊るす鎖を掴んでいる)、揺れが前へ進み、最も大きく揺れて一瞬止まります。そこで素早くしゃがみます。 しゃがむと重心が下がります。これを単振り子(紐の先に小さい重りを吊るした振り子)という観点で見てみると、紐を長くした振り子に相当します。単振り子は紐が長くなるほどゆっくり揺れます。ブランコも同じになり、前へと揺れたときより、ゆっくりと後ろに揺れて行きます。 ブランコが最も低い位置に来たとき、素早く立ち上がります。単振り子で紐を短くしたら振れが速くなるのと同じく、ブランコが揺れる速さも速くなります。この速さは、ブランコに乗る人が上記の動作をする前の最初の揺れの速さよりも速くなります。 なぜそうなるかですが、位置エネルギーの変化を考えると分かりやすいかもしれません。考えやすくするため、前へ揺れるのが、ブランコが地面と水平になるとしてみます。そこで素早くしゃがむわけです(重力が利用できず、ブランコの鎖を押してしゃがむことになる)。 水平方向の動きですから、位置エネルギーは変化しません。ブランコは後ろへと揺れ戻し、ブランコが地面と垂直になるまで下がってきます。そこで素早く立ち上がります。立ち上がった状態は最初と同じです。しかし、垂直なのですから立ち上がれば重心は上がる、つまり位置エネルギーを自分に与えています。 重心が上がるというのは単振り子の紐を短くするのと同じですから、振れは速くなります。それは、乗っている人が自らの力で重力による位置エネルギーを変化させたことによります。実際には、斜めと垂直での差ということになりますが、斜めのほうが垂直のときより重心の上下動が小さいという点で同じことになります。 ブランコだけに注目していると、乗る人はブランコの揺れに対して垂直にしか運動しておらず、ブランコに対して水平方向への加速に無関係のようでも、位置エネルギーを与え、それが運動エネルギーへと変化していくことを利用できるわけです。 後ろへ揺れ切ったところでも、素早くしゃがみ、前へ揺れ戻って最も低いところで素早く立ち上がると、同じようになります。それを繰り返すと、ブランコの揺れはだんだん大きくなっていきます。 この方法もタイミングが大切です。先の#4はブランコに対して前後方向にタイミングを合わせて加速させるのでした。こういう水平、垂直方向の、ブランコに乗る人運動を利用して、ブランコをだんだん大きく揺らせることができるわけです。
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- 有木 巨智麿(@kothimaro)
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振り子で考えて見ましょう。振り子の重りは、一方に持ち上げた高さまで、反対側に振れます。重りは、両方同じ高さに持ち上がり振り続けます。 振れる途中で重りを持ち上げると、持ち上げた分だけ余計に反対側に振れ高くまで上がります。反対側に持ち上げた高さの位置エネルギーに、途中で持ち上げた分の位置エネルギーが加わり、より高く反対側に振れます。これを繰り返すと、重りは次第に大きく振れるようになります。 ブランコの立ちこぎでも同様です。ブランコが片方に上がっている状態の時は、足を曲げて体を低くしています。そして、振れる途中で足を伸ばして体を持ち上げます。すると、その分ブランコは高くまで上がります。座りこぎの場合も、片方に上がっている時には、背中を丸め足を下に垂らして体の位置を低くしておきます。そして、ブランコが振れる途中で、背中を伸ばし足を上に振り上げます。そうすることで、体の位置を持ち上げます。そして、体を持ち上げた分、ブランコは大きく振れるようになります。
- 中村 拓男(@tknakamuri)
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まず、こぐということが内力ではない点を認識すべきです。 支点から外力が働きます。 回転運動する振り子の重心を支点(回転中心)に近づけると、角運動量保存則により 速度が増大し、運動エネルギーが大きくなります。 ブランコが止まるところで重心を元に戻せば、これを何度でも繰り返せます。 たぶん、ブランコがこげることの一つの説明にはなっていると思います。
既に少しは揺れているブランコだとしましょう(静止から始めてもいいけど、既に少し揺れているほうが考えやすそうに思うので)。 脚は前へ真っ直ぐ伸ばしているとします(膝が真っ直ぐ伸びていて、足を前に突き出している)。そのままなら、前へブランコが揺れて、そして一瞬止まって、それから後ろへ揺れて行きますね。この動きは、ブランコの高さが少し高くなるためです。一番低い位置での運動エネルギーが、一番高い所では位置エネルギーになっています。そうして、運動エネルギーと位置エネルギーとが互いに変わりつつ、揺れ続けます。これは振り子と同じです。 前へ揺れて一瞬止まる瞬間を狙って、膝から下を素早く曲げます。後ろへ振るわけです。これは、要するに膝から下を重りとして、後ろへ素早く動かしたということになります。 重りを後ろへ動かすのですから、反動でブランコはさらに少しだけ前に進みます。しかし、膝から下を後ろへ振って、振りきったところで足を止めざるを得ません。それは今度は後ろへ行こうとする反動になります。さっきのとキャンセルするわけです。 しかし、キャンセルするまで少しだけ時間がかかります。もし、膝から下を後ろへ振り、その反動でブランコが前に進んで、ちょうどブランコが一瞬止まる瞬間に膝から下を振り切ったとしたら、どうなるでしょうか。 ブランコは一瞬止まった後は、後ろへ揺れ始めます。そこへ、振りきった膝から下の足の反動が加わります。この反動はブランコを後ろへ揺らせるように働くのでした。 ここまでをまとめると、乗った人が動かなければブランコの前への揺れが最大になる瞬間(このときブランコは一瞬止まる)に膝から下を後ろへ振って、さらに少し前へブランコを揺らし、少し前へ揺れたブランコの揺れが止まる瞬間に、今度は足を振って後ろへ加速することになります。 足を後ろに振ったまま、人が動くのをやめれば、少し揺れが大きくなる状態でブランコは後ろに揺れて行きます。揺れが少し大きくなったのですから、後ろへも最初よりは少し大きく揺れます。 そして、やはり後ろで一瞬止まります。ここで、曲げていた膝を一気に伸ばして、足を前へ振りだします。先ほどと同様に、ブランコはさらに後ろへ少しだけ揺れを増します。そして、そのまま足を止めて前へと揺れて行けば、さっきよりさらに前へ少しだけ大きく揺れることになります。 足を揺らして反動で加速と続いて反対方向へ加速するのと、重力によってブランコの揺れが反対方向に向かうのとでタイミングを合わせることができれば、ブランコの揺れは大きくなっていきます。 その繰り返しで、だんだん揺れを大きくしていくことができます。ブランコって、ちょっと練習しないとだんだん大きく揺らすことができません。それは、上記のようなタイミングを合わせることが必要だからです。 以上は、一例であって、ブランコをだんだん大きく揺らすやり方は、他にもあるんですけど(乗り方で、立ち乗りなんてのまであるし)、少なくとも揺れを大きくしていく方法があることだけは分かると思います。他の方法も理屈としては似たようなものです。どんな方法であれ、乗った人が作る反動(必ず、加速と反対方向への加速が時間差を伴ってペアで発生する)と、重力により作られるブランコの揺れのタイミングを合わせているのです。
- rabbit_cat
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普通は、ブランコに乗る時は手で鎖を持つので、二重振り子になっています。 漕ぎ始めは、たとえば、手で鎖を体に引きつけて、その分、足を前に出した状態から手を離せば、二重振り子特有の複雑な動きをしてブランコが揺れます。あとは、重心位置の上下の移動によって、パラメータ励振を起こせば漕げます。 完全な静止状態から手で鎖を持たない状態で(二重振り子を経ないで)漕ぎ出せるかは、ちょっとなんとも言えません。実物の鎖なら摩擦や弾性があるので漕ぎ出せるでしょうが、摩擦がなく、まったく伸びない(弾性がない)理想的なヒモでブランコが出来ていたとすれば漕ぎ出せない気もします。
お礼
二重振り子という観点までも教えていただきとてもためになりました
>何か重心以外の要素でブランコが自発的に揺らせることができる理由を教えて下さい。 には反しますが。ってかこんな前提条件課すのが無茶。 >どのような動きをしたとしても鎖にぶら下がっている人間の重心は動かないと思われます。 そんなことないです。 例えば、立ち乗りで最下点でひざを曲げれば重心は下方に移動します。 逆に、ひざを曲げたまま最下点に達した時にひざを伸ばせば重心は上方に移動し位置エネルギーを得ます。 このエネルギーを与えたのは筋肉収縮です。 この瞬間は角速度が変わらずに回転半径が縮みました。 なので運動エネルギー量が増し、ゆれ幅を増します。
お礼
運動エネルギー量の増加の観点からご説明をいただき参考になりました
動いているブランコに勢いをつける動作は、ブランコが最下点に居る時に位置エネルギーを稼ぐ(=しゃがみこんだ姿勢から立ち上がる)ことで達成できます。もちろん、もう一度同じ動作をするには、どこかでまたしゃがむ必要がありますが、これは最上点に居る時にしゃがめば、位置エネルギーのロスをあまり減らさずに達成することができます(仮に90°までブランコを傾けることができたら、位置エネルギーのロスはゼロで済む)。 下の説明がわかりやすいと思います。 http://okwave.jp/qa/q6892865.html 上の原理は非常に有名で、「ブランコはなぜ漕ぐことができるのか?」と言う質問に対するほぼどの解説にも載っていますが、静止状態からブランコを動かす時(=系の重心が正しく軸の真下にいる時)は、実はこの原理だけでは説明がつきません。 静止状態から重心を移動させる方法として、自由落下を使って(=急激にお尻を落として)、体とブランコを分離することをしているのではないかと言う説があります。(言葉では説明しにくいですが、「静止時は、自分の体を後ろにやると、ブランコ本体は前に行ってしまい、結果として全体の重心は移動しないが、その状態で自分の体を自由落下させてやると、ブランコと自分の体の繋がりが切れて、ブランコは後ろに戻ってくる。後ろに来た時に、自由落下状態を解除すると、体もブランコも後ろ側に居る(=全体の重心が後ろに移動する)と言う状態が実現する。」と言うものです。)
お礼
自由落下の概念を教えていただき、視野が広がりました
お礼
図解入りの解説までご紹介いただきありがとうございました