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暗黒物質
宇宙全体のうち74%がダークエネルギー、22%がダークマター、4%が通常物質と聞きました。 銀河団の質量をその周辺の天体の運動から推定し、輝度と数から比較して質量欠損がみられたのでそれは通常物質ではなく、ダークマターと言われるようになったと聞いています。 褐色矮星や恒星の周囲を回っていない惑星やブラックホールは地球までほとんど光が届かないと思うのですがダークマターがそのようなもの(通常の物質だが単に暗くて見えないだけ)でないというのはどうしてわかるのでしょうか?
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単に暗くて見えないだけの物質も含め、ダークマターです。 見えないというのが、つまり光を発していないしあまり反射もしないから観測できない、というだけでなく 可視光領域外の電磁波とかも観測されない、ということですね。 でも、重力の痕跡はある、と。 例えばある恒星系の質量が想定され、恒星の光から恒星そのもののしつりょうだけでは足りなさそうな時に 惑星があるのか、恒星の核がやたら重いのか、小惑星群があるのか、 それがさっぱりわからないけど、何かあるのは間違いないから、これを暗い物質と呼びましょう、と。
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- kamobedanjoh
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ダークマターとは、単に暗くて見えないという意味では無く、存在の確認が困難という意味で「ダーク」と形容されているのです。 近代科学は、原子を物質(マター)構成の最小単位と理解していましたが、現代物理学では、原子の構成要素である陽子や中性子も更に微細な量子で構成されており、それらをクォークと呼んだりしています。電子でさえも量子の一単位でありながら、質量を持つ以上、質量を担うクォークとの合生物と考えられるようになりました。 ニュートリノなどは電子との衝突さえ希な、極々微粒子であること、世界で初めて益川博士のカミオカンデで確認されました。 理論上、ニュートリノは太陽の放射とともに無数に放出され、我々の身体をも、地球さえも通り抜ける極々微小な存在であること、理論上の推定は量子論の発達とともに行われてきました。 これら量子と呼ばれるものの多くは存在の確認さえ困難ながら、宇宙に充ち満ちていると考えられています。 それらの総称が「ダークマター」なのです。 銀河の形成や運動には、ダークエネルギーの存在が考えられていますが、一時は「真空のエネルギー」とも呼ばれました。エネルギーも物質の変容(特殊相対性理論)として見れば、マター生成の要因を為していると見ることもできます。
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ありがとうございました。
- Nakay702
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以下のとおりお答えします。 >銀河団の質量をその周辺の天体の運動から推定し、輝度と数から比較して質量欠損がみられたのでそれは通常物質ではなく、ダークマターと言われるようになったと聞いています。 ⇒確かにそのとおりで、「銀河団の質量をその周辺の天体の運動から推定」されます。つまり、その算出の基準は回転速度ですね。例えば、我々の天の川銀河は直径10万光年くらいで、太陽系は天の川銀河中心から2万数千光年の位置にあって、銀河中心の周りを1億数千万年で1周するそうです。通常、天体の運動は外側ほど遅くなるはずですが、銀河の回転運動の場合、外側も同じような速度で動いていることが分かっています。ということはつまり、それに見合うだけの質量がそこになければ説明がつかなくなるわけですよね。この現象は、天の川銀河やアンドロメダ銀河のような、いわゆる楕円銀河に典型的にみられるものですが、それにしてもこの宇宙には2千億個もの銀河があるそうですので、それを合計した銀河周辺の暗黒物質の量は大変なものです。 >褐色矮星や恒星の周囲を回っていない惑星やブラックホールは地球までほとんど光が届かないと思うのですがダークマターがそのようなもの(通常の物質だが単に暗くて見えないだけ)でないというのはどうしてわかるのでしょうか? ⇒これもそのとおりで、次のようなことが考えられます。 (1)ブラックホール・中性子星・白色矮星・褐色矮星なども暗黒物質の大きな構成要素です。これらは、(見えないところからの)エネルギー放射を計測してその存在を推定するわけです。具体的な観測要素は、可視光より上の(つまり、波長の短い)紫外線・X線・ガンマ線などの高エネルギー放射です。 (2)恒星周囲の惑星や暗いガス雲なども暗黒物質の1つの構成要素です。この場合はおもにその近くの見える恒星の回転運動や輝度に現れる微弱な乱れなどなどからその存在を推定します。現在、この方法でかなりたくさんの惑星が見つかっていますね。暗いガス雲の中には、熱を持たない冷たい暗黒物質(アキシオンなど)を想定する学者もいるようです。 (3)かつてニュートリノは質量を持たないとされていましたが、日本のカミオカンデで、ごく僅かながらも質量を持つことが確認され(ノーベル賞を受賞)しましたね。この宇宙に飛び交っているニュートリノを「宇宙ニュートリノ」と言います。1個1個のニュートリノが持つ質量が微量でも、その数が物を言います。なにしろ、この宇宙ニュートリノはフォトン(光子)の数に匹敵するだけあるそうですから、それを合計したら、おそらく上の(1)(2)をはるかにしのぐ割合を占めるのではないでしょうか。 以上、暗黒物質の候補として、銀河周辺の回転天体、ブラックホール・中性子星・白色矮星・褐色矮星、恒星周囲の惑星や暗いガス雲、超新星バースト由来のものを含めた宇宙ニュートリノ等を挙げ、その存在確認の方法などを述べました。
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ニュートリノだけでは足りなそうですよね。暗黒としかいいようがないと。 ありがとうございました。
>褐色矮星や恒星の周囲を回っていない惑星やブラックホールは地球までほとんど光が届かない 確かにその通りで、それらもダークマターの構成要素だと考えられています。ただ、それらを考慮しても足りないので、他の未知の要素があるのではないかと考えられています。 なぜ足りないと考えるかですが、物質4%に対し、22%の未知の重力源ですから、5.5倍あるわけです。恒星に対する惑星はこの太陽系を見ても、質量はそれほどありません。恒星の進化・老化(褐色矮星の形成、白色矮星への変化・冷却、ブラックホールの形成)を考えても、どうも足りません。さらに、観測可能な物質の5.5倍もあれば、光を遮るなどがあるはずですが、どうもそういう現象も見当たりません。 また、質量を持つから重力源であるわけですが、それならダークマター同士が引き合って何かを形成し、巨大なダークマターの星や銀河を形成するはずですが、そういうものも発見されません(光を遮る、通常の物質が吸い込まれることによる発光等があるはず)。 どうも、ダークマターは重力源ではあるが他からの重力に影響されない、といったことも考える必要がありそうなのです。そんな奇妙なものなので、いったい何なのかが未だに分かっていません。未発見の何か、という風に考える人が多いようです。 ダークマターのそういう奇妙さを仮定しないような宇宙論もあります。重力の強さが距離の2乗に逆比例するのではなく、少しずれがあるとする修正ニュートン力学(MOND)、プラズマ宇宙論(電磁気力も重視するもの)などがあります。ただ、修正ニュートン力学は実験的には理論と一致しない、プラズマ宇宙論はビッグバンの証拠とされる宇宙背景放射がうまく説明できないなどの難点があり、今のところは宇宙論の主流にはなれていません。
お礼
「ダークマターは重力源ではあるが他からの重力に影響されない」という可能性ですか。まだかっちり固まった概念ではないってことですかね。 ありがとうございました。
お礼
バリオンではないけど質量があるナニカではなくて、単に観測できないけど質量があるはずのものをそう呼んでおきましょうというわけですね。定義の認識が違っていると。 ありがとうございました。