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『星の王子さま』の日本語訳
かつては『星の王子さま』の日本語訳は、岩波書店の内藤濯訳しか販売されてゐませんでしたが、2005年に翻訳出版が自由になり、今では大量の翻訳が出回つてゐます。 内藤濯訳以外に、1冊か2冊、買つておくつもりなのですが、オススメはどれですか。
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こんばんは。 これはすぐに回答がつき始めるかと思っていたのですが、まだついていないようなので、私が感じたことを書きます。 河野万里子訳(新潮文庫)と管啓次郎訳(角川文庫)を比較しましたが、河野訳が良いです。訳語がこなれていて、文章のリズムがよく、整っているため、すらすらと読めて頭にはいりやすく、あっという間に読んでしまいます。管訳の方は、「ちび王子」というのが少し気になって、子供の読者を意識しているのかと思ったのですが、それにしては少し硬い訳語もあるように感じました。 新訳の比較は、ネット上にもたくさん情報があります。何か所か訳文を比較しているサイトや、この作品を訳すときに必ず問題となるか所について論じているサイトもあります。倉橋由美子の訳があるというので、ちょっと気になったのですが、この人は、この作品は完全に大人向けのものという前提があったようです。また、問題となるか所の一つ、apprivoiserとcréer des liensの訳もちょっと問題ではないかと思いました。apprivoiserは、内藤訳では「飼い慣らす」となっていて、新訳の多くもそれを踏襲しているらしいのですが、賛否両論があります。フランス語の原文と、ドイツ語訳、英語訳を見てみましたが、河野訳の「なつく」でよいと私は思いました。管訳もそうなっています。池澤夏樹訳を推す声も多いようですが、人称代名詞を「彼」と訳してあるのが気になります。子供でも読めるよう、日本語として自然な文ということでいえば、「王子さま」と毎回言い直した方がよいのではないかというのが、個人的な意見ですが、その点を除くと、ネット上で比較されている部分を読む限り、割とよさそうです。池澤訳では、apprivoiserは「飼い慣らす」となっていて、批判もあるようですが、なぜそうしたかについて訳者自身が説明していました。 すでにかなりの訳が出ているようなので、全部はチェックできず、私自身が持っている二つの新訳と、英、独、仏版、およびネット上の情報からの推測になりますが、とりあえず、新潮文庫の河野万里子訳をお勧めしておきます。 参考URL http://matome.naver.jp/odai/2138819298012195001 http://homepage2.nifty.com/dokodemoroudokukan/ouji.htm http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20060601/petit http://www.lepetitprince.net/sub_shoshineuv/apprivoiser.html http://langue-fr.c.u-tokyo.ac.jp/07taidan/entretien.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ plapotaさんお勧めの「ジャマイカの烈風」を入手し、読んでいます。中古品しか出ていなかったのですが、ほぼ新品がきました。描写力、比喩の発想が秀でています。 外国語カテは、また安心していかれなくなりました。一見何もしていないようですが、よく見ると、細かいことをやっているようで。 御参考になれば幸いです。
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- Tastenkasten
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>楽譜の点訳はしたことがありません。 これは楽譜の点訳のことなのでしょうか。ただ「G線上のアリア」というタイトルの点訳の仕方がわからないだけではありませんか。私には見当もつきませんが。 辻井さんは、たぶん、誰かに録音してもらったテープか何かを聞いて覚えたのではなかったでしょうか。その方が手っ取り早いかもしれません。コンクールに優勝してスターになるのがちょっと早すぎました。評価は今後の成長次第です。CDは、お急ぎになる必要はありません。
お礼
>>ただ「G線上のアリア」というタイトルの点訳の仕方が >>わからないだけではありませんか。 さきほど回答しました。なるほど、私の勘違ひのやうです。自分のことながら笑ひました。「G線上のアリア」といふ文字だけなら、簡単です。再回答します。私の点訳ソフトは、今使用してゐるWindows7ではインストールできず、古いWindowsXPに入れてあるので、明日にします。その間にでも、質問者が補足をつけてくれるといいのですが。点字フォントはこのサイトでは表示できないでせうから、画像投稿になりさうです。 >>CDは、お急ぎになる必要はありません。 私にはボランティア精神などありませんので、好きな音楽のみ購入します。助言ごもつともです。 にぶい私どものために、さらなる御回答をありがたうございました。
- Tastenkasten
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忘れていました。だいぶ前にこんな質問を見かけましたが、回答がつかないようです。 http://okwave.jp/qa/q8824977.html
お礼
おもしろい質問、ありがたうございます。閲覧数もたつたの13ですか。 楽譜の点訳はしたことがありません。 きちんとした楽譜点訳の書籍は、これまた倉庫に埋もれてゐると思ひます。まつたく読んでゐません。いま本棚を見ると、『楽譜点訳の基礎』といふ冊子がありました。1976年出版の100ページ程度のものです。 本の紹介くらゐの回答をしておくつもりです。 ピアニストの辻井さんは、点訳楽譜を使用せず、すべて暗譜だと聞きました。ほんとうなのですか。ちなみにCDは一枚も持つてゐません。
- Tastenkasten
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>YouTubeはドイツ語字幕つきですね。 誤表示が多すぎます。下でどうぞ(英、独、仏、三か国語)。 http://roman-hartmann.de/Prinz_de/
お礼
こんばんは。すすめていただいた本を買つてきました。食事のあとで読む予定です。 三か国語の本文をありがたうございます。探す手間が省けました。
- Tastenkasten
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こんにちは。 >私はかういふ「日本的」Q&Aが好きです。 お礼コメントを拝見するのも楽しみのうちです。 >これは初めて知りました。金銭的に余裕があれば考慮します。 plapotaさんにとっては必携ではないでしょうか。日本のアマゾンでは、著者名の検索では出ません。たまたまドイツのアマゾンで見つけ、イギリスのアマゾンでの方が値段が安かったので、そちらのURLをお知らせしようと思っていたのですが、商品名をコピーしてもう一度日本のアマゾンの検索にかけたら出ました。値段もこちらの方が安いようです。ノーカットの朗読で6枚組CDですから、音楽CD一枚分の値段です。 http://www.amazon.co.jp/High-Wind-Jamaica-Word-Recording/dp/1906147825/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1416627713&sr=8-1&keywords=A+High+Wind+in+Jamaica+%28CSA+Word+Recording%29 ↓ http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/1906147825/ref=tmm_acd_new_olp_sr?ie=UTF8&condition=new&sr=8-1&qid=1416627713 試聴は、イギリスのアマゾンの方でどうぞ(かなり長く聞けるようです)。 http://www.amazon.co.uk/High-Wind-Jamaica-Unabridged/dp/B004XCQBKY/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1416627432&sr=8-1&keywords=A+High+Wind+in+Jamaica+%28CSA+Word+Recording%29 上のイギリスのアマゾンでは、Audibleの30日間無料トライアルを申し込むと、このCDがすべて無料で聞けます。手続きとインストールが少しわかりにくく面倒でしたが、今、私のパソコンでは全6時間、聞けるようになっています。もちろん、CDの方が音質はよいはずです。 「星の王子さま」のドイツ語の朗読も持っていますが、Youtubeには、私の持っているのとは違う朗読が出ていました。 https://www.youtube.com/playlist?list=PLjavqjoL76kMWnJWAmvvn7xgTPF5-oemb 私は、朗読のコレクションをしているものですから、つい余計なことを書きました。
お礼
ご丁寧に教へていただき、感謝してをります。 朗読CDがこんなに安いとは思ひませんでした。1万円弱程度かと想像してゐました。これなら買へさうです。 ドイツ語訳の朗読の情報もありがたうございます。本文は、ネットで探します。学生時代にフランス語、ドイツ語訳、英語訳を買つたはずなのですが、たぶん倉庫の中に埋もれてゐます。今はネットで便利になりました。YouTubeはドイツ語字幕つきですね。 これから本屋に行つて、河野万里子訳(新潮文庫)を購入します。 貴重な情報をありがたうございました。
- Tastenkasten
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お礼有難うございました。 このところ、回答できる質問があまり出ないので、特に時間を割いたということではありません。私自身、翻訳の仕事を少しやったので、こういうことには非常に興味があります。翻訳は難しいですが、面白いです。まいったのは、自分がドイツ語で書いた講演をあとで日本語に訳したときで、自分で書いたものなのに、えらく苦労しました。 >恥づかしながら、内藤濯訳以外は読んだことがありません。 私はもっと恥ずかしいことに、内藤濯訳を読んでいません。若いころ、北杜夫が、内藤訳がいかに名訳かを力説しているのを読んで、ずっと気にはなっていたのですが、原書とドイツ語訳しか持っておりませんでした。フランス語の勉強を途中でやめたので、原書は読まずじまい、ドイツ語訳もちらっと見ただけです。ゆうべこの御質問を見て、ああ、まだ読んでいなかったと思い、今日、たまたま街へ出る用事があったので、文庫を買ってきました。河野訳はあっという間に読み終えられます。内藤濯訳が置いてあるコーナーによる時間がありませんでしたので、次回購入します。 >なかには純粋に戦争文学だ、と主張する識者もゐます。 そうなんですか。哲学書だという意見はありますし、私もそう思います。そういえば、サン=テグジュペリの奥さんが書いた本のドイツ語訳を持っていたような気がするのですが、どこにあるかわかりません。 >辞書の意味は「飼ひならす」ですが、イメージがきつすぎます。 ドイツ語訳もzähmenで、「飼い慣らす」ですが、そのあとに語られる、狐と王子さまの交流のようなことを言っているわけですから、「飼い慣らす」はまずいですね。 >リンク先は最後のものが、楽しい読み物になつてゐて、私にはめづらしく、「お礼」を書く前に全部読みました。 翻訳談義はおもしろいです。レイモンド・カーヴァーの翻訳をしている村上春樹と柴田元幸が対談している本がありました。翻訳は、一度凝り始めると終わりがなくなります。 「ジャマイカの烈風」は、本国では評価が高いのですね。朗読のCDもあるようで、これはいつか買わなければと思っています。スリリングなので、語学の勉強にももってこいですね。 アンケートカテゴリの回答は大したものではありません。plapotaさんが回答なさっていたので、つられていきましたが、あんなに「そう思わない」ボタンが押されるカテだとは知りませんでした。 「星の王子さま」の私のお勧めは、にわか勉強と直感によるものです。たぶんお気にいるとは思いますが、書店で、ほかの訳も比較なさった上でご購入下さい。 では、またの機会に。
お礼
おはやうございます。再回答ありがたうございます。私はかういふ「日本的」Q&Aが好きです。 >>特に時間を割いたということではありません。 調査のうへでの投稿といふことは、充分つたはつてきます。 >>翻訳は難しいですが、面白いです。 このサイトでも翻訳が楽しいといふ投稿を見かけます。構造の異なる言語にうつしかへるのは、その人の言語感性が試されます。私はアホなので、めんどくさいだけです。翻訳と計算は、原則、なしにしてゐます。そもそも、まともにできる外国語はひとつもありません。 >>北杜夫が、内藤訳がいかに名訳かを力説しているのを読んで、 >>ずっと気にはなっていたのですが 以前福田恆存のシェイクスピアの訳文が古い、と指摘なさつてゐましたが、この内藤訳も少しそんな感じがします。評判がいいのは事実ですし、わたしも名訳だと判断します。 >>朗読のCDもあるようで、これはいつか買わなければと思っています。 これは初めて知りました。金銭的に余裕があれば考慮します。 >>あんなに「そう思わない」ボタンが押されるカテだとは知りませんでした。 今まで見た最高は62件で、10件以上は常態です。明白な「いやがらせ」です。運営側からすれば、これだけ「そう思う」「そう思わない」を押してくれれば、狙ひがあたつたことになります。ここはQ&Aなのですから、さうした運営側の「モクロミ」などもきちんと考慮したうへで、「なぜリニューアルがおこなはれたのか」といふ「Q」をみづから発し、「かういふ作戦でゆけば社長を動かせる」といふ「A」をみづから考へる姿勢を見せてほしいものです。私はこれこそがQ&Aの存在価値だと思つてゐます。 >>書店で、ほかの訳も比較なさった上でご購入下さい。 今回は、回答文のオススメに従ひます。
お礼
いつもお時間を割いての御回答、感謝してをります。恥づかしながら、内藤濯訳以外は読んだことがありません。今回質問するにあたつて、いくらかでも目を通しておかうかとも考へたのですが、みなさんから意見を頂戴するなら、白紙の状態のほうがよいかと思ひ、あへて手をつけませんでした。素直に回答文のオススメを買ふつもりです。 河野万里子訳(新潮文庫) を明日買ひにゆきます。 >>訳語がこなれていて、文章のリズムがよく、整っているため、 >>すらすらと読めて頭にはいりやすく、あっという間に読んでしまいます。 やはり文学書はこれがいちばんです。学術書であれば、第一に訳の正確さが求められますが、文学は、日本語がいきいきしてゐなければ話になりません。誤訳も魅力のうちです。 >>倉橋由美子の訳があるというので、ちょっと気になったのですが、 >>この人は、この作品は完全に大人向けのものという前提があったようです。 私もそれに近い考へです。なかには純粋に戦争文学だ、と主張する識者もゐます。作者がパイロットでしたから解釈として無理がありません。 >>apprivoiserは、内藤訳では「飼い慣らす」となっていて、 >>新訳の多くもそれを踏襲しているらしいのですが、賛否両論があります。 >>フランス語の原文と、ドイツ語訳、英語訳を見てみましたが、 >>河野訳の「なつく」でよいと私は思いました。 辞書の意味は「飼ひならす」ですが、イメージがきつすぎます。おつしやるとほりと存じます。 >>池澤夏樹訳を推す声も多いようですが、人称代名詞を「彼」と訳してあるのが気になります。 >>子供でも読めるよう、日本語として自然な文ということでいえば、 >>「王子さま」と毎回言い直した方がよいのではないかというのが、個人的な意見です これも御指摘のとほりと存じます。直訳の必要はないと思ひます。ほかに回答がいただけて、池澤夏樹訳をすすめられれば、これも購入してみます。 リンク先は最後のものが、楽しい読み物になつてゐて、私にはめづらしく、「お礼」を書く前に全部読みました。 >>「ジャマイカの烈風」を入手し、読んでいます。 ありがたうございます。日本でほとんど無名なのが不思議です。クライマックスの裁判の場面は唖然とさせられます。 >>外国語カテは、また安心していかれなくなりました。 質問のコピーはあるやうです。ときどき確認してゆきます。 アンケートカテゴリの回答はお見事でした。世界と日本のQ&Aの比較はTastenkastenさんならではです。だれしも感銘を受けるのではないでせうか。こんな投稿が増えれば、OKWaveの社長もある程度は動くのではないかと思ひます。アンケートカテゴリの論調を読むとその多くは、目先のことばかりで、現状分析もなければ、将来への展望も示さず、ビジネスモデルの提案もなく、ほとんどが感情論で、最後は運営への非難です。企業でこんな提案をしたなら、能無しの烙印を押されるだけなのですが、なかなか気づいてくれません。もちろん不特定多数の集まるサイトですので、感情論をふくめさまざまな意見があつてよいのですが、Tastenkastenさんの投稿を機に、社長が耳を傾けたくなるやうな提案が増えてくることを望みます。 ご回答ありがたうございました。
補足
すすめていただいた河野万里子訳(新潮文庫)は今朝読みました。簡潔で小気味よい日本語です。たしかに一気に読めます。ありがたうございました。 昨晩読むつもりでしたが、点訳の質問への回答のために、いままで使用したことのない点訳ソフトを試してゐて、読めませんでした。あちらの質問は、御指摘のとほり、単なる文字だけの内容でした。楽譜以外にも、理数系の記号、数式の点字もあるのですが、これも大掛かりなものはしたことがありません。それから、「ボタンティア」カテゴリがあるのは初めて知りました。ひととほりは見てゐるはずなのですが、よほど関心がないのでせう。 ぶらげろさんのところは、ありがたうございました。