線型空間のベクトル分配律は厳密にどこで定義されるか
線型空間に於けるベクトル分配律は、何処((左)群作用とかG-加群とか)で定義されるのでしょうか。
線型空間の定義は、以下の様に定義されたと思います。
体K=(K, +_K, *_K, 0_K, 1_K)、集合Vとする。
∀k, k_0, k_1∈K, ∀v, v_0, v_1の時、
[1] k・(v_0 +_V v_1)=k・v_0 +_V k・v1 …スカラー分配律
[2] (k_0 +_K k_1)・v=k_0・v +_V k_1・v…ベクトル分配律
[3] (k_0 *_K k_1)・v=k_0・(k_1・v) …スカラー結合律
[4] 1_K・v=v …1_Kのスカラー乗法
[5] 0_K・v=0_V …0_Kのスカラー乗法
[6] -1_K・v=-v …-1_Kのスカラー乗法
以上[1]~[6]を満たす集合V=(V, K, +_V, ・)を、線型空間と言う。
もっと掘り下げてみると、線型空間は、R-加群(Rは環)の一種であり、R-加群はG-加群(Gは群)の一種、更にスカラ乗法は、(左)群作用の一種であると認識しています。
流れとしては、
(左)群作用→G-加群→R-加群→線型空間
かと。
群作用 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%A4%E4%BD%9C%E7%94%A8
[(左)群作用の定義]
群G=(G, *, e_*, G^(-1))、集合Xとする。
写像L:G×X→X; (g, x)|→L(g, x)とすると、
∀g_0, g_1∈G, ∀x∈Xの時、
[I] L(g_0*g_1, x)=L(g_0, L(g_1, x))…左作用結合律([3]スカラー結合律)
[II] L(e_*, x)=x …単位元の左作用([4]1_Kのスカラー乗法)
写像Lを(左)群作用と言う。
群上の加群 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%A4%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%8A%A0%E7%BE%A4
[G-加群の定義]
群G=(G, *, e_*, G^(-1))、集合Mとする。
∀g∈G, ∀m∈Mの時、
[i] (M, +, e_+, -M)がアーベル群
(左)群作用L:G×M→M; (g, m)|→L(g, m)の時、
[ii] L(g, m_0+m_1)=L(g, m_0)+L(g, m_1)…左作用分配律([1]スカラー分配律)
[i][ii]を満たす集合MをG-加群と言う。
と成るのですが、
環上の加群 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%8A%A0%E7%BE%A4
では、いきなり[1]~[4]が出て来ています。
[2]ベクトル分配律は何処できっちりと定義されるのでしょうか?後、[5][6]の方も気になります。