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チケットは同時履行と言えるんでしょうか?
同時履行の抗弁権というのがありますが、チケットの場合金振り込んだらチケット提供します。という契約になると思うんですが、あまり同時では内容に思う訳です。そうなるとチケット貰う側からすると「チケットを先に渡してくれないと金は出せない」と言う権利があるのですよね?しかし相手は「お金を振り込んでくれないとチケットを渡せません」と言う権利もあるということですよね?この場合大抵チケット販売側の要望が通ると思うのですがそれは何故ですか?
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まず根本が間違っていますが、世の中の同一当事者間の相対する債務がすべて同時履行の関係にあるわけではありません。ですから、同時履行の抗弁権というのは常に存在するわけではありません。 設問のような「振込み後に引渡し」という内容の契約は、「代金の支払いが先履行でチケットの引渡しとは同時履行の関係にない」ということですから同時履行の抗弁権がそもそも存在しません(放棄とか言ってる馬鹿もいますが、そもそも最初から存在しないので放棄ではありません。存在しないものは放棄などできません。)。代金を支払う側が先履行義務を負うという内容の契約なんです(要は、代金先払いってことです。)。 一方が先履行義務を負う契約はよくあります。通販で振込みで代金を支払う場合は大概先払いです。もちろん後払いという契約もあります。 代金の支払い義務が先履行なのですから、それを履行しない限り、相手方は品物を引き渡すという自分の債務の履行を当然に拒絶できます。 というわけで、 >「チケットを先に渡してくれないと金は出せない」と言う権利があるのですよね? ないのです。 そして、 >「お金を振り込んでくれないとチケットを渡せません」と言う権利もある 確かにあるのですが、それは同時履行の抗弁ではなくて、単に先履行義務の不履行を理由とする履行拒絶に過ぎません。代金先払いが品物の引渡しの条件になっていると考えて差し支えありません(法律上の「条件」の問題とは違います。念のため。)。 同時履行の抗弁権が存在するのは契約内容に先履行義務がない場合であって、一方の先履行義務を定めた契約ならば同時履行の抗弁権は存在しないので、同時履行の抗弁権を主張して履行拒絶をすることはできません。 なお、先履行義務があっても、一方の債務の履行が他方の債務の履行の条件になっているのではなくて単に履行期が異なるに過ぎない場合には、双方の債務が履行期に達すれば同時履行の関係になるので同時履行の抗弁権が発生するという場合もあるにはあります。しかし、代金先払い特約が付いている契約は、普通は、そういう事態にはなりません。 以上
お礼
契約内容に先履行義務が無い場合のみということですね。 非常に分かり易かったです。 ありがとうございます。