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古語「揺る」についての活用を教えて下さい。
四段活用と下二段活用があるとのことですが、その二通りの 活用についての活用と使い分けを教えて下さい。 出来れば具体例を挙げて戴くと有難いです。 宜しくお願い致します。
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- OKAT
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>「揺るる」作品は多いのにも拘らず、「揺れり」作品は希薄であるのは何か意味が あるのでしょうか?自動詞、他動詞両方あることにも関係しているのでしょうか? 希薄であればその活用は自然消滅する可能性も無きにしも非ずのような気もしますが、 一応広辞苑等にも四段活用として厳然と存在していることに戸惑いを感じております。 二通り活用のあることの意義について教えて戴ければ有難いのですが。 「揺れり」が少ないとすれば、語感の問題と思います。質問者がどこか文学結社に属していらっしゃるなら、その仲間や指導者の方に相談なさったらどうでしょう。わたしだけの感覚で左右されるのは、避けられたほうがいいでしょう。 「四段活用」(現代語では五段)は古い時代から多く存在し、現在も五段活用として動詞の中心を占めていますが、一部には「下二段活用」が生まれた為に「四段」が 使われなくなったものもあります。例えば「触る」という動詞が四段活用であったのに、下二段になり、現在の「下一段」(触れる)として残っているのがその例です。「広辞苑」などは「古語辞典」を兼ねているため、古い「四段」も載せているわけです。 短歌・俳句とうの短詩形文学が、今も古文体を使用する傾向が強く残るため、こんな古い活用が引っ張り出されてくるのですね。 質問者の場合、字数制限の問題があって、「揺れり」(四段已然形+り)の形にこだわられるわけですが、「揺れたり」のように(下二段連用形+たり)のほうがずっと優しいのすが。「触れたり」の場合も同様です。
- OKAT
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次はgoogle検索による「揺るる」の例 短歌・俳句(有名・無名とりまぜて) 昼凪のわが言葉のみ揺るるなり 松澤 昭 残り柿たわわに揺るる瑠璃の空 金時計揺るるは眠し榠樝の実 藤田かをる 紫陽花の山のなだりに繁(しじ)に生ひ波打つごとくたわわに揺るる 赤茶けし頂上めぐりの岩群に咲きし駒草そそと揺れをり 烈風の日向が揺るる猫柳 有働 亨 ゆさゆさと桜花の揺るるその下をくぐれば孫の入学校舎 駒ヶ嶺泰秀 大風に揺るる二階や柿若葉 長谷川櫂 小手毬のゆったり揺るる花明かり 政変に揺るる日々あり花芙蓉 梢の子躍り満樹の藤揺るる 中村草田男 幾千の銀の揺るるや蜘蛛の網 孫歩 ぼうたんの揺るる黒髪なほゆるる 藤原紅 淡白く天の川瀬は凍るらん 雪晴れ空に揺るる天狼 修羅の灯の 揺るる化野の 秋の色 尺蠖の糸引き揺るる樹間かな さやさやと揺るるコスモス風のまま 吉野濃菊
お礼
googleにても「揺るる」の作品を沢山お調べ戴きまして有難う御座います。 美しい俳句や短歌が沢山あるのですね。 読んでいてとても癒されました♪ 有難うございました!
- OKAT
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「揺れり」の例が「青空文庫」の中になかったので、google で検索し、文学作品と思われるものを次に書きました。 風に揺れ重さにゆれりひまわり黄 西方来人 春蘭の 山ふかき香に 葉をゆれり 飯田蛇芴 薄色の尾根 見わたせば 山桜咲む染め匂ふ 揺れり散るか 預けゐて 消えぬ思ひよ常しなへ (うすいろのをね みわたせは やまさくらゑむ そめにほふ ゆれりちるか あつけゐて きえぬおもひよ とこしなへ) 麦秋の京の町家は時間(とき)止まり土瓶の湯気に人影ゆれり 睡蓮や 波紋に揺れり 太陽(ひ)にとける
お礼
数少ない「揺れり」作品をお調べ戴きまして有難う御座います!
- OKAT
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>今回迷っている口語「揺れている」(文末)を文語にすることについては、 下二段連体形で継続感のある語感の「揺るる」と四段已然形「揺れ+り」の どちらでも同じということですね。 全く同じとは言えません。「揺るる」は継続感があると申し上げましたが、それは感じだけです。人によっては「そんな感じはないよ」と言われても仕方ありません。(この使用例は後で書きます。) 「揺れり」のほうは「り」という完了・存続の助動詞が付いていますから、その分だけ違いがあります。しかし、「り」はどちらかと言えば「完了」の感じが強い(揺れた)とわたしは思います。 >二通りの活用がある動詞は、他にどんな動詞があるのでしょうか? これは調べてみなければはっきり言えません。今思い付いたのは「分く」(他動詞)です。 四段 分 -か(ず)・ -き(たり)・-く(言い切り)・-く(時)・-け(ども)・-け(命令) 下二 分 -け 〃 ・ -け 〃 ・-く 〃 ・-くる〃 ・ーくれ 〃 ・-けよ 〃 この場合四段が古い用法で、下二の方が新しいはずです。 用例 「揺るる」 か、有るのかよ」 肩に懸けたる手をば放さで連に揺るるを、宮は銕の槌もて撃懲さるるやうに覚えて、安き心 尾崎紅葉「金色夜叉」 音にも幾度か頭を挙げし貫一は、婆娑として障子に揺るる竹の影を疑へり。 宮は何時までここに在らん、我は 尾崎紅葉「金色夜叉」 給へ」と叫んだが、何故かその時心の眼には、凩に揺るる日輪の光を浴びて、「さんた・るちや」の門に立ちき 芥川龍之介「奉教人の死」 胡粉のような肱の下に、萌黄に藍を交えた鳥の翼の揺るるのが、そこにばかり美しい波の立つ風情に見えつつ、 泉鏡花「伯爵の釵」 ました。蝉時雨は、一しきり盛りになって山の翠も揺るるかと思われる喧ましさ、その上、あいにくと風がはた 岡本かの子「鯉魚」 「揺れり」 明治後期以降の用例は見つかりませんでした。
補足
色々お調べ戴きまして有難う御座います! 「揺れり」は用例でお示し戴きました「揺るる」のようには使われてないのですね。 やはり「揺るる」の方がポピュラーということでしょうか? 中古文学等にも使われてはいないのでしょうか? また二通りある活用の動詞を教えて戴きまして有難う御座います! 「揺る」に戻りますが、二通りの活用があるにも拘らず、お調べ戴きましたように 「揺るる」作品は多いのにも拘らず、「揺れり」作品は希薄であるのは何か意味が あるのでしょうか?自動詞、他動詞両方あることにも関係しているのでしょうか? 希薄であればその活用は自然消滅する可能性も無きにしも非ずのような気もしますが、 一応広辞苑等にも四段活用として厳然と存在していることに戸惑いを感じております。 二通り活用のあることの意義について教えて戴ければ有難いのですが。
- OKAT
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>四段活用と二段活用の使い分けについて教えて戴きたいのですが。 例えば未然形の場合、助動詞「ず」「む」や助詞「ば」に接続する と思うのですが、どちらの活用につくのでしょうか? 四段 揺らず 揺らむ 揺らば (自・他の活用は同じ) 下二 揺れず 揺れむ 揺れば のようにどちらの活用にもつきます。 活用の違いと自動詞・他動詞の違いがあるので、結構ややこしそうです。活用については、未然形・連用形・連体形がよく使われるのに、形がちがってくるのが困ったところです。 未然形(「揺らず」と「揺れず」)・連用形(「揺り」と「揺れ」)・連体形(「揺る」と「揺るる」) 一方、自動詞・他動詞の違いは連用形が他の動詞にくっついて複合動詞をつくりますが、 下二段系には「揺れ動く」のように比較的少ないのです。それに対して 「揺り動かす」「揺り起こす」「揺りあげる」「揺り返す」(他動詞・四段)のように多いことから、四段型の方が盛んに使われたらしく、「揺ら」という未然形とつながりがありそうな派生語がたくさん存在します。「ゆらゆら」「ゆらぐ」「ゆらり」「ゆらめく」「ゆらす」など。古い時代には四段活用中心だったことがしのばれます。しかし、時代とともに「下二段型」が増え、現在の下一段活用になって残っているわけです。 四段活用の自動詞・他動詞の問題ですが、わたしの手許の「広辞苑第二版」(古い!)及び電子辞書の「広辞苑第四版」のどちらにも自動詞と他動詞が出ています。多分第三版も出ているはずです。見出し語が別になっていると思います。ついでに言うと、「大辞林」「大辞泉」などネット上の辞書は(多分書籍版も)どういうわけか、自他の区別を書いていません。これについては理由があるようですが、話が長くなるので、またの機会に。
補足
詳しいご回答有難う御座います。 第三版広辞苑にも見出し語が別で自動詞、他動詞がちゃんと載っていました。 見逃しておりました!ご指摘有難う御座います。 「揺る」の文語の二通りの活用の使い方は特に区別がないということですね。 使う時に迷うところです。どちらがベターかは、その文章の流れや雰囲気で 決めるしかないということですか。 今回迷っている口語「揺れている」(文末)を文語にすることについては、 下二段連体形で継続感のある語感の「揺るる」と四段已然形「揺れ+り」の どちらでも同じということですね。 この場合、下二段の場合は連体形止めの連体形で、四段活用の場合は 已然形 のように一筋縄ではいかないややこしさですね゜(゜´0`゜;)゜ 二通りの活用がある動詞は、他にどんな動詞があるのでしょうか? 参考の為に教えて戴けますでしょうか。 色々申し訳ありません。宜しくお願い致します。
- OKAT
- ベストアンサー率38% (247/639)
「揺る」の四段活用には「広辞苑」でも他動詞・自動詞の両方載せています。下二段活用は自動詞のみです。 四段 揺ら(ズ)・揺り(タリ)・揺る(言い切り)・揺る(トキ)・揺れ(ドモ)・揺れ(命令) 下二 揺れ 〃 ・揺れ 〃 ・揺る 〃 ・揺るる 〃 ・揺るれ 〃 ・揺れよ 〃 「揺り籠」は他動詞の連用形が用いられたものでしょう。「揺らす」の意味。 自動詞の方は結果的に活用形は違うけれど、四段も下二段も自動詞ですから、「地面が揺れる」( 揺る)「木の葉が揺れる」「ハンモックが揺れる」のように使います。 《注》 現代語では五段活用と言いますが、古典では四段活用です。(四段も五段も実は活用は変わっていないのに、現代仮名遣いになったため、呼び名が変わりました)
補足
ご回答有難うございます。 私蔵の広辞苑は昭和58年発行(第三版)新村出氏編集なので 最近の編者の方の広辞苑とは違うかもしれませんね。 四段活用と二段活用の使い分けについて教えて戴きたいのですが。 例えば未然形の場合、助動詞「ず」「む」や助詞「ば」に接続する と思うのですが、どちらの活用につくのでしょうか? どちらも区別なく使えるのでしょうか? 宜しくお願い致します。 四段活用(文語)と五段活用(口語)の件、了解致しました。
- SPS700
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1。活用形 ラ行四段 未然形、揺らず ラ行下二段 未然形、揺れず 2。 使い分け 4段は他動詞(~を揺り動かす、~をふるい動かす、~をゆすぶる。)、下1段は自動詞(~が揺れ動く、~が上下・前後・左右などに動く、~が不安定な状態になる。)
補足
ご回答有難う御座います。 広辞苑では確かに四段活用は他動詞で下二段活用は自動詞とあるのですが、 角川古語辞典では四段活用は自動詞も他動詞もありましたので、質問させて戴きました。 質問が不十分で申し訳ありませんでした。
補足
>例えば「触る」という動詞が四段活用であったのに、下二段になり、現在の「下一段」(触れる) として残っているのがその例です。 ご回答ありがとうございます。 文語では二通りある動詞もあるようですが、口語では一通りに統一されているのでしょうか。