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フォトンカウンティング(光子計数)型のX線CT

従来のX線CTは被写体を透過したX線の強度を測定して被写体の断面画像を得る方法かと思います。 最近、フォトンカウンティング(光子計数)によるX線CTを聞くようになりました。 この、フォトンカウンティング型のX線CTは従来のX線CTと比べてどのような特徴や利点があるのでしょうか? ご教授をお願いします。

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回答No.1

フォトンカウンティング型にも二種類あります。 エネルギー弁別無し。低エネルギーフォトンも高エネルギーフォトンも区別無く、同じ一個として計数する。 エネルギー弁別有り。どのくらいに区別するかはいろいろだけど、例えば40keV以下、40~60keV、60~80keV、80keV以上とか。それぞれのエネルギー範囲ごとにわけて計数する。 研究開発の方向としてはエネルギー弁別有りに進んでいます。 エネルギー弁別無しでもフォトンカウントにしたときのメリットは、雑音統計(フォトンノイズ、量子ゆらぎ)の低減です。要するに同じX線量を患者に浴びせても、従来のCTより多少画像雑音が減らせる。 理由は、従来型のCTのX線計測は高エネルギーフォトンに比重がかかるからです。きちんとした理論説明はここでは無理なので、比喩として次のような事になります。ジャイアン、のびた、スネ夫等々が多数決で何か物事を決めようとしている。ジャイアン(高エネルギーフォトン)がオレ様は3票だとでかい声を出す。のびた他(中あるいは低エネルギーフォトン)は2票とか1票扱い。物知りで判断能力があるかもしれないけど気の弱い人は声が小さいので0.5票扱いになってしまうかもしれない。声の大きさで多数決の判断をすると、正しい多数決にはならないので判断の歪みが大きい。これが従来型のCTのX線計測です。 これを全員一票の平等な扱いにするわけです。もっとも、それほどの効果はありません。これでは気合いを入れて開発するほどのこともない、というものです。 エネルギー弁別有りでは情報が増えます。白黒写真とカラー写真の想像をしてみればよい。 白黒では同じグレーに見えても、カラーなら区別がつく場合がある。あるエネルギー帯のフォトンではこう見えるけど、別のエネルギー帯のフォトンではまた別の見え方になる。そういうことで、従来でははっきり区別できなかった組織を区別できる。非常に簡単な例では、希釈された造影剤と骨(カルシウム)では希釈の程度によって(あるいは骨の緻密さによって)同じように見えて区別できなくても、違うエネルギー帯で見ればはっきり区別できる。あるいは、密度の画像にするとか、実効原子番号の画像にするとか、いわゆる定量画像にしたりできる。(実はこのようなことはDual Energy CTで多少のことはやれている、その発展版です)。 期待は大きいとか、もうすぐだとか、一部の人達は騒いでいます。でも、まだまだ技術的に完成にはほど遠いとか、いくつか実用に向けての高いハードルがあるし、そんなにすんなりいかないだろうと私は思います。

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