アメリカには文書や写真、映像記録の保管、公開を専門に行う公的機関があるためです。
国立公文書記録管理局、通称NARAといいますが、ここで政府のすべての文書を保管しているわけですね。
NARA設立以前(1934年以前)は、各省庁で文書の保管が行われていましたが、
紛失や改ざんが後を絶たなかったため、専門の管理局が設立されました。
NARAの玄関には「過去の遺産は将来の実りをもたらす種子である」と刻まれています。
こうした改革ができたのは、アメリカは若い国家だったことも要因としてあると思います。
歴史ある国の場合、各省庁ごとに「宝物」がありますから、「全部一元管理する」と言われてすぐに提出することはなかなかできません。
また、直後に第二次世界大戦が起きたため、軍の在籍記録を管理するうえで非常に役に立ちました。
「私の甥が軍に在籍していたが、所属と消息が知りたい」といったような問い合わせに対応することができたのです。
これを成功体験として「文書や記録の管理は重要だ」と政府がはっきり認識したので、現在に至るまで文書保管能力が非常に高いのです。
また法整備や人員配置もしっかりしています。
日本で公文書管理に関する法律が整備されたのは2006年と大変遅いのですが、
アメリカではNARAの独立化とともに整備されています。
また日本では文書管理に携わる職員が4,50人と少ないですが、アメリカでは2500人います。
また各地にデータセンターが置かれ、Googleと連携して様々な文書の公開も行っています。
簡単に言えば、文書管理への意識の高さと、お金を適切にかけているから、と言うことになりますね。
管理方法は…どうでしょう。
参考になるかわかりませんが、
公文書は主に3つの属性に分かれます。
・現用文書 現在も更新され、常用される文書
・半現用文書 更新はされないが、証拠や参考に使われる文書
・非現用文書 保存期間を過ぎ、廃棄を待つ文書
アメリカで特徴的なのは、「半現用文書」をレコードセンターに預け(現場に置かない)、
現場(役所ですね)の空間的な余裕を持たせることと、各地の役所に記録を散在させないように工夫しているところです。
なので、自宅でできる文書管理に応用するとなれば、半現用文書をクラウドに置くとか、
自分なりの基準で保存期間を決めるとか…でしょうか?
有用な文書管理方法が思いつくといいですね。
お礼
ありがとうございました。私は欧米ではタイプライターを使う事でA4くらいの用紙に整然と、それもかなりのボリュームの文章を書けることでファイリングにも役立ったと思います。また、ローマ字は簡単で 26文字すべてが個性の持った文字で、これで色々な単語を表記できていることが日本語では到底追いつけないところだとも思います。