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救急救命士の気管内挿管について

現在救急救命士になるための勉強をしているんですが、 ちょっとした疑問があるので質問したいと思います。 救命士に許されている特定行為 (1)半自動式除細動器による除細動 (2)乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保 (3)器材を用いた気道の確保 のうち(3)の気道確保についてなんですが、 なぜ今まで使用が許されていたラリンゲアルマスク・食道閉鎖式エアウェイは、心肺機能停止状態(心機能停止あるいは肺機能停止のいずれかの状態をも含む)の傷病者に対してのみ医師の指示に基づいて行うことができたのに、これから行えるようになる気管内挿管にあっては心肺停止状態(心機能・肺機能ともに停止状態)でないといけないのですか? 参考書等にもその理由が書いていなかったので教えて下さい。  お願いします。

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回答No.4

 う~ん、難易度がどちらが高いか?については、一概には言えないと思います。  先ず、個人的に私はラリンゲアルマスク(以後LMAと略します)が出てからもしばらくの間、気管挿管の方を好んで選択しておりました(もちろん麻酔の話です)。気管挿管は確実に気管に挿入できたかどうか目で見て、音で聞いて判ります。そして何より、一度確実に挿管が行われれば、事故抜管でも無い限り確実に気道を確保し続けます。それに対しLMAは、挿入に熟練が必要でした。一部の(特に高齢者の)患者さんには、どうやってもフィットしなかったこともありました。少なくとも、当時の私には気管挿管の方が数倍簡単でした。さらに最初はフィットしていたLMAが後からずれてきて、換気に支障をきたすことも(特に慣れないうちは)しばしばでした。眼科の手術中にLMAがずれ、途中で換気が出来なくなった時は、手術を中断してもらい、布を全部引っぺがして気管挿管しなおしました。当然、手術は消毒からやり直しです。LMAは、一応できるとは言われてましたが、陽圧換気には向かない気がしてなりませんでした。もちろん、吐かれたら誤嚥の可能性がありますので、胃袋の中身が判らない急患には使用できません。  そのような私も、今は症例によってはLMAを積極的に使用しております。その最大の理由は、何より患者さんの術後の喉の痛みが少ないからです。そして、最近出てきた「プロシール」は、クラッシックタイプと比べ格段に陽圧換気もやりやすく、(救命救急士さんには今のところ許されてませんが)胃管の挿入もできます。挿入の難しさも、経験がある程度までは解決してくれました。  表現するのが難しいのですが、通常の患者さんには気管挿管よりLMAの方が(陽圧換気を出来るくらいにまで確実にフィットさせることを目的とすると)若干難しいかもしれません。しかし、LMAと気管挿管でもっとも難しい状況ではどちらがより絶望的に難しいかといえば、それは気管挿管の方でしょう。最も難しい気管挿管は、最も難しいLMA挿入よりも桁違いに難しいです。そして、失敗した時により不利益が大きいのも、気管挿管の方でしょう。つまり、気管挿管のほうが手技的に「簡単から難しいまでの巾」が広く、また合併症もより深刻なのです。それを考えてもお釣りが来るほど圧倒的に「気管挿管のほうがLMAより遥かに利益が大きい」のならともかく、最終的な患者の予後に大きな差が無いのなら、あえて気管挿管をさせなくても良いのではないか?というのが、おそらく公式の意図でしょう。  個人的には、最初から胃袋の中にモノ(それも、胃管で吸えないような固形物)がたくさん入っている患者さんや、気管支喘息のように気道抵抗の大きい患者さんにLMAを使って無理に換気をするくらいなら最初から気管挿管した方がよいのでは?とも思いますが、その判断を誰がするか、そしてその気管挿管で状況をさらに悪化させた時の責任を誰が取るかなどのことも考えると、なかなかイケイケドンドンとも言えないのが難しいところでしょう。

umizaru
質問者

お礼

返事が遅くなってすいません。 とてもためになる参考意見ありがとうございました。 今後疑問が出てきたときは投稿したいと思いますので、 ぜひまた貴重な意見をお聞かせ下さい。 ありがとうございましたm(_ _)m

その他の回答 (3)

回答No.3

 さて、今回は日本麻酔科学会としての公式コメントをもとに解答させていただきます。  まず、秋田の件について。麻酔科学会としては、違法行為のあった事事体よりもその内容と意識に問題があったとしております。本来患者の生命を守るため一刻も早く医療機関に搬送すべき救急救命士が、車内の不法な特定行為に10分をこえる時間を費やし、その後病院まで1分で到着するような事例を起こすということ事体が本末転倒ではないか?と問うております。  気管挿管に関しては、ラリンゲアルマスクや食道閉鎖式エアウエイは安全性に優れ、適切に使用すれば気管挿管と比し遜色ない有用性を持っていること、気管挿管が院外CPA症例全体の救命率向上に寄与するとの根拠が得られていないこと、しかし気管挿管でなければ気道確保が困難な事例も一部存在することなどから、「医師の具体的指事に基づき、特に教育を受けた救急救命士のみが気管挿管を行う事を限定的に認める必要がある」とコメントしております。  直接の解答にはなっておりませんが、とりあえず先ずは御参考まで・・・。

umizaru
質問者

補足

現場サイドからの貴重な意見、誠に感謝致します。 NO1.の方にも同じ質問をしたのですが、 結論として、まずは安全性の高い今までの器材でチャレンジした後、回復が見られなかった時には気管内挿管に移行する。といった意図があると考えていいのでしょうか? 実際問題もし今後気管内挿管がラリンゲアルマスク同様の扱いになった場合、難しいとはいえ、気管内挿管の方が救命率が高いということになれば、そっちがメインとなって今までの器材を使わなくなるのでは? と思うのは実際の挿管の難易度を知らない者の戯言なんでしょうか?(^^;)

回答No.2

 正直今回は全く自信がありませんし、相当噂も入っておりますので、『一般人の自信無し』での回答とさせて下さい。  さて、例の「秋田事件」が無ければ、もしかしたら救命救急士さんの気管挿管は未だ先の事だったかも知れません。それ程、一部の(多くの?)医師にとって、「救急救命士さんの気管挿管」は抵抗がある事なのです(逆に当の秋田では、あの事件以後「救命士さんが挿管してくれないなら急患を受けられない」という当直医まで現れたとか漏れ聞いてますが・・・閑話休題)。その事が、もしかしたら微妙な言い回しの違いに繋がっているのかも、、、というのは、あまりにも下衆の勘ぐりでしょうか(苦笑)。。。  冗談はともかく、実際の状況におきましてはラリンゲルマスクにせよ気管チューブにせよ、自発呼吸のある患者に挿入するのは難しい事です。しかし、特に気管挿管を自発呼吸のある(=声帯が動いている)患者に安全に(声帯を傷つけず、確実に気管に)施行するのは、麻酔科の医師でも難しい事です。そのため、特に気管挿管に関しては『呼吸の機能が停止した状態』に限定しているのかも知れません。もっとも、「何で呼吸が止まった後心臓も止まるまで待たなければいけないのか?」という疑問も残りますし、これは実際にこの取り決めを制定した人たち(=秋田事件を告発して、「救命士気管挿管賛成派」にダメージを与えた先生の仲間達???)のご意向を伺ってみなければ、正確なお答えにはなりえませんけれど・・・。

回答No.1

正確な答えかどうかは分かりませんが、気管内挿管ははもともと医師しか行ってはいけないとされていました。確かに気管内挿管を行うことで、救命率はグンとあがります。しかし、解剖上の理由から、食道挿管になってしまうこともあり、危険もともないます。 ラリンゲルはその構造上、食道挿管になることはありえません。十分な換気が行えないことはあるかもしれないけど・・・。 私は手術室にいますが、医師でさえも食道挿管になっってしまうことがあります。 私は救命士の挿管は賛成です。がんばってください!!

umizaru
質問者

補足

貴重なご意見ありがとうございました。 結論としては、より難易度の高い気管内挿管を行うよりも、まずは今まで使用していた器材でチャレンジして、それでも回復が見られない時は気管内挿管に移れ! という意図があるのでしょうか?

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