- ベストアンサー
ラーメン高架橋は鉄道、橋脚・桁方式は道路?
土木構造設計をなりわいとするものです。専門は開削トンネルです。 しかし、最近、開削トンネルの仕事が減ったので、高架橋の仕事もしています。 今まで、図面を見てきた限り、ラーメン高架橋は鉄道橋に多く、道路橋のほとんどは橋脚・単純桁方式であったように思います。 道路橋ではラーメン高架橋は建設しにくいのでしょうか。 お教えください。 よろしくお願いします。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
前の回答で「長い」と書いたのは、水平方向の長さのことで、高さのことではありません。 ラーメン構造は、どうしても桁の両端が固定になるため、長い桁が温度によって伸び縮みすると、それだけで、大きな応力が発生します。これが温度応力で一番問題になる部分です。 温度応力を発生させないためには、すくなくとも桁の一方をスライド支持にする必要があるため、長い桁はラーメン架構にできません。 高さ方向に温度で伸び縮みが起きても、構造体の高さが少し変わるだけで大きな応力の発生はありません。 断熱材は、あまり関係ないと思います。建築で温度応力を気にしないのは、柱間隔が小さいためです。 コストだけを考えれば(温度応力の心配がなければ)、ラーメン架構にしたほうが、ずっと安上がりにできます。応力、たわみとも半減しますから。 また、鉄道橋でも、柱間隔が長いものには、単純支持のものがたくさんあります。なので、たぶん、精度も関係ありません。 参考までに、建築で(水平方向に)長い建物にエクスパンションジョイントを入れるのは、地震時に振動の伝わる速さが有限のため、建物が長いと両端で逆相振動になり、予想外の応力が発生するため、と言われています。
その他の回答 (2)
- foomufoomu
- ベストアンサー率36% (1018/2761)
私も専門は建築なので、釈迦に説法になりそうですが、 土木構造でラーメンをあまり採用しないのは、温度応力が問題になることが多いためと聞いています。 建築でも(少し理由が違いますが)長さが30mをこえるぐらいの建物になると、途中にエクスパンションジョイントを入れて、応力を伝えないように考えます。 長い構造物を一体で作るのは、いろいろと問題があるでしょう。 ラーメン架構になっているのは、柱間隔の短いものに限られ、それでもラーメン2,3スパンごとに切り離していますよね。
お礼
高層・中層建築は基本ラーメンですよね。建築でも温度応力は問題になりそうですが、コンクリートのセメント量を少なくするなどしてひび割れないような工夫をしているのでしょうね。また、建築なら断熱材使いますが、土木で断熱材は基本ないですからね。そんな理由で、高速道路は大半、桁形式なのでしょう。ありがとうございました。
- kuma8ro
- ベストアンサー率40% (212/523)
撮りテツで土木工事にはド素人で、釈迦に説法するような回答になってしまいますが、… 鉄道の方が、上を走るものの重量が重く、精度に対する要求も厳しいですよね。 (自動車はゴムタイヤで、道路の多少の凸凹は吸収してしまいますから。) 特に、走っている最中の大地震への耐性への要求は、鉄道の方がづっと厳しいと考えられます。 一方、どう見ても、ラーメン橋の方がこのような要求には有利な一方、コスト的には不利ですよね。 ですので、道路のラーメン橋は、橋脚間の距離をある程度長くすることが必要な場合や、極めて橋脚の高さが高い場合等に限られているように思っています。
お礼
さっそくの回答ありがとうございます。まさにおっしゃる通りだと思います。 ちょっと考えれば分かることなのに気付かなかったです。
お礼
エクスパンションジョイントは単に温度応力低減のためと思っていたのですが、地震時の逆相振動(詳しくは知りませんが)予防のためだったのですか。ありがとうございました。 高さ方向に伸びてもあまり影響がないとのこと。 断熱材があまり影響せず、柱間隔が大きな要素となること。 勉強になりました。 鉄道橋では地震時の軌道の変位制限が厳しいのでラーメン形式が多いと思っています。 河川橋、跨道橋でスパンが長くなるとラーメンにはできませんが、トラスにしたり、桁の剛性を高めたりして変位が大きくならないようにしているのではないでしょうか。 また、情報がありましたらお教えください。 私は開削トンネルの構造設計という狭い範囲しかしらないので、とんちんかんなこと申し上げたこと、失礼しました。 これからもよろしくお願いします。