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摩擦力に関する問題
- 物理の摩擦力について質問です。犬が氷の上でそりを引っ張っている時、犬が力を加えるとそりも同じ力で犬を引っ張り返すことになり、犬は進めないと考えています。なぜその考えは間違っているのか説明してください。
- 摩擦のない環境で物体に力を加えると物体は加速し、一定の速度を保ち続ける犬にそりがぶつかったり砂地を乗り越えることはないのでしょうか。もし起こった場合、どのような状態になるのか教えてください。
- 物理の問題です。氷の上で犬がそりを引っ張っている時について説明してください。犬が力を加えるとそりも同じ力で引っ張り返すため、犬は進めないと考えていますが、なぜそうなるのか説明してください。
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力を考えるときは常に「どの物体に働いている力」であるかを明確にしておく必要があります。 (イ)そりに働いている力を考えている、 (ロ)犬に働いている力を考えている (ハ)犬と人とを合わせたものについて働いている力を考えている どれで考えることもできますが力の内容は変わってきます。 また、(イ)、(ロ)を合わせたものと(ハ)は同じ運動を表現できているはずだということにも留意しておく必要があります。 (イ)そりに働いている力は重力とロープで引っ張られている力の2つです。摩擦力は働かないとしています。水平方向に運動がおこることだけを問題にしていればロープで引く力だけです。つり合いは成立していません。力がかかりさえすれば動きます。 (ロ)犬に働く力は重力と砂地からの摩擦力、ロープにそりがついていることで生じる張力です。摩擦力は足が滑るのを防ぐ方向に働きますから進行方向に働く力になっています。前に進むから摩擦力は後ろ向きだと単純に考えてはいけません。摩擦力が張力よりも大きければ前に進むことができます。犬の足が踏ん張る力を持ち込んではいけません。これは犬から砂地に対して作用する力です。釣り合いを考えるとき、または物体の運動を考えるときにはその物体に外部から働いている力だけを考えるのです。「内部に働く力で運動を起こすことができる」のであればドラゴンボールのような漫画の世界での話になります。 (ハ)そりと犬を一体で考えるときはそりと犬に対して外部から働く力だけを考えます。重力を除くと犬の足にかかる摩擦力だけです。1つしか力がありませんからつり合いは実現しません。動きます。 ロープにかかる力はこの場合出てきません。内部で働いている力です。(もし、内部の結び付きに必要な力を考えないといけないのであれば物体を構成しているすべての部分、部品について力を考えないといけなくなります。原子と原子を結び付けている力まで考えないといけないなんて誰も思っていないはずですね。) >その犬は「もしも僕が5Nの力でそりをひっぱったら、そりも同じ力でロープを引っ張り返すから、力が消滅しあって僕はずっと前には進めない」と考えています これは作用・反作用の法則を「つり合いの法則」と混同しています。 2つの法則の内容を「大きさが等しくて方向の反対の力が働く」ということだけで考えて同じだとしていることが間違いの原因です。 つり合いは物体を指定してその物体に外部から働いている力について考えているときに成り立っている関係です。作用・反作用はA,B2つの間で互いに力が働いている場合について「Aについて考える」を「Bについて考える」と考える物体を取り換えたときに出てくる関係です。 上で考えたように「そりだけで考える」、「犬だけで考える」の2つを合わせたものは、「犬とそりを合わせて一体として考える」とした時と同じ運動を表すことができるようになっているはずだということから要請される関係だといってもいいでしょう。 式で書いてみます。 犬の質量をm、そりの質量をM、ロープの張力をT,摩擦力をFとします。 犬とそりが加速度aで動いているとします。 犬: F-T=ma そり:T=Ma 2つの式を足します。 F=(m+M)a 作用・反作用の法則が成り立っているのでTが消えました。 この式は犬とそりと合わせてm+Mの質量を力Fで動かすという内容になっています。部分を結びつける力は全体の運動を表す式には入ってこないのです。 、
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- tadys
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犬が砂を引っ張る力を考えていないからです。 犬が砂を引っ張る力と砂が犬を引っ張る力は釣り合っています。 砂が犬をひっぱり、犬がロープをひっぱり、ロープがそりをひっぱります。 結局砂がそりを引っ張ることになり、そりは右に動き砂は左に動きます。 ただし、砂(大地)の質量は極めて大きいので砂が動く距離は極めて小さいために動いていることは確認できません。 砂の代わりにもう一台のそりに乗って引っ張ればそり同士が近づくのが確認できるでしょう。
>「もしも僕が5Nの力でそりをひっぱったら、そりも同じ力でロープを引っ張り返す」 ここまでは、その通りです。 >(だ)から、力が消滅しあって僕はずっと前には進めない」 こう考えていいかどうかですね。経験上は、こうはなりません。こうなるのは、例えばそりではなく、しっかり地面に設置された杭にロープを結び付けたときなどです。 そりは動かせます。動かせるけど、力は必要ですね。ニュートンの法則はどうだったでしょうか。 F=ma (力=質量×加速度) こうですね。変形すれば、a=F/m(加速度=力÷質量)です。摩擦がなければ、加えた力はそのまま加速度に反映されるわけです。 そりも同じ力で引っ張り返すのだけれど、その引っ張り返す力はそりが加速するために生じる力だということです。加速するなら時間が経つにつれ、そりは速くなっていきます。 P.S. 上記は最初のうちだけです。犬の全速力に達すると、加速できなくなって等速になるし、そりが砂地に乗り上げて充分な摩擦が生じると減速したりもします。
- hitokotonusi
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いやらしい問題ですが、これの大きな間違いは、作用点がどこかという視点がかけている事です。 犬に働いている力は、地面からの摩擦力とロープが犬を引く力だけです。なので、 地面からの摩擦力 > ロープが犬を引く力 であれば、犬は前に進みます。 >「もしも僕が5Nの力でそりをひっぱったら、そりも同じ力でロープを引っ張り返すから、力が消滅しあって僕はずっと前には進めない」と考えています。 これは作用点がまちがっている。ここで議論しているのは犬ではなくロープに働く力。 ロープを考えると、ソリがロープを左に引く力と、犬がロープを右に引く力が等しければ、ロープに働く力はつり合ってるのでロープは前に動かない・・・・・これはもっともな疑問です。 しかし、「そりも同じ力でロープを引っ張り返すから」と考えている場合、暗黙のうちにロープの質量を無視しています。 ロープの質量をM、加速度をA、ロープを左右に引く力をT1, T2とすると、ロープの運動方程式は M A = T2 - T1 ここで質量が0なら、加速度の値によらず左辺が0になるので、T1 = T2が成り立ちます。 この場合、加速度はどんな値でもとることができ、力が釣り合っているのに加速度運動が可能です。 まあ、これは一種のペテンなのですが、問題を複雑化させないために質量が無視できる糸などの理想化はしばしば使われます。しかし、これは力学の原則に立ち返って考えると非常に奇妙なことになってしまいます。 なので、ここは糸やロープの質量は厳密に0ということではなく非常に小さいので問題を解く上で0に近似していると考えるべきものです。つまり、左右の張力は異なった値ではあるがその差が十分に小さい、つまり、 |T2-T1|/T1 , |T2-T1|/T2 <<<<<<<<<<< 1 なので無視していると理解するべきものです。 いやいや、糸じゃなくてロープなら現実に重さがあるだろ・・・・ということなら、 >そりも同じ力でロープを引っ張り返すから、 が間違いで、MAの分だけ左右の張力は異なります。
- CC_T
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氷の上の荷物は路面摩擦ゼロで「踏ん張り」が効かないから、「同じ力でロープを引っ張り返す」ことはできません。 先端が砂地に乗り上げるまでは動き続けるでしょう。 犬が引っ張るのをやめた場合は等速運動、犬が同じ力で引っ張り続けた場合は等加速度運動となります。 結果、 5N÷ソリの重量 の加速度を受けて進みはじめます。 5N=5 kg·m/s2ですから、ソリの質量が50kgだとすると、0.1m/s^2の加速度で動き始めます。 10秒後の速度は1m./sですね。 ~~~ 氷で考えずに、水の上の船で考えてみては? 桟橋の上の人が水上のボートに結んだ綱を引っぱるとどうなるでしょう? ・・・ボートが桟橋の方に引き寄せられ、引っ張るのをやめても桟橋に向かって動き続けます。 これは水による摩擦が小さいからです。 しかし、もしボートが陸の上にあったらロープを引いても動かない。それは、ボートと地面の間に大きな摩擦力が働いているからです。 ではもしボートがホバークラフトだったら? ホバークラフトは空気を吹き出して「浮いて」います。 水の上でも、陸の上でも、氷の上でも一緒。ロープを引かれると動き始め、空気は水よりも摩擦力が小さいのでボートよりもはるかに遠くまで動き続けます。宇宙空間の宇宙船でも同じですね。宇宙では空気の摩擦すらないので、移動距離は飛躍的に伸びます。