博物館学芸員に関しては、No.2の方の回答にある様に、求められているのは大学院(修士・博士)レベルの専門性です。これは、美術系・史学系・民俗学系・理科系等いずれの博物館でも該当します。
又、求人は不定期、即ち「空きが出来た時だけ」、しかも採用されるのは1名或いは若干名です。
受付や事務の仕事、展示室で座っている人(展示室の監視や入館者を案内する人)等は学芸員ではなく、正規雇いは少なく、殆どが非正規雇用(期限付き任用・派遣・契約社員)です。
図書館司書は、現在外部委託が進んでおり、正規雇用はごくわずかで殆どが非正規雇用(期限付き任用・派遣・契約社員)です。カウンター業務や返却された書籍を元の棚に戻す作業、破損した書籍の修繕等が主な作業です。「図書館が好きだから」「本を読むのが好きだから」という理由で図書館司書を希望する人は多いのですが、個人的には「(そういう人にありがちな)自分の好きな分野しか詳しくない図書館司書」というのは図書館司書として用をなさないと思っています。
博物館も図書館も、土日祝は開館していますので、「土日祝には休みたい」という人には不向きです。
司書教諭の資格は、小・中・高の教員免許を取得して初めて効力があります。授業を行う「教員(教諭)」として採用されて、校務分掌で図書部に配属されれば、学校図書館の運営に携われます。但し、図書部に配属されるにあたって司書教諭の資格は必ずしも必須ではなく、逆に司書教諭の資格を持っている教員は珍しくないので、資格を持っていても図書部に配属されるとは限りません。
司書教諭の資格を取る上で学ぶ事は、受け持つ授業(専門科目の学習指導)の中で役立つ事があります。
司書教諭の資格を持ち、教員として採用され図書部に配属されたとして、日がな一日図書館・図書室にいられる訳ではありません。授業を受け持ち、部活動を受け持ち、それらに加えて図書館運営に携わる事になります。
地域や学校によっては、非正規雇用(任期付き採用、パートタイム等)で「学校図書館の司書(この場合、司書としての仕事のみ)」を置いている所もあります。
高い専門性を求められる博物館学芸員も、枠が極少の正規雇用の図書館司書も、競争率は非常に厳しいです。司書教諭の資格を活かす為の教員採用試験も競争率が低い(就職しやすい)とは言えませんが、博物館学芸員や正規雇用の図書館司書よりは職(この場合、教員として採用される事)を得やすいでしょう。
非正規雇用でも図書館司書は人気がありますので、やはり競争率は高いです。
他の回答者の方も書かれている様に、資格自体は容易に取れます。しかし、実際に職に就く事を考えると、それは非常に困難だという事です。
お礼
3つの資格ともに、詳しいお話をいただけて大変感謝しています。 どれも、取るには比較的容易で、職業とするには難しいことがわかりました。 娘本人も「学校でこんな資格が取れる」と聞いてきて、 資格→就職に有利なのでは、という思いがあったようですが、 そんなに甘くないことがわかったようです。 丁寧なご回答、ほんとうにありがとうございました。