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財務・投資活動によるキャッシュフローと間接法
なぜ間接法は営業活動によるキャッシュフロー計算にしか適用されないのでしょうか。
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- aokisika
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営業活動によるキャッシュフローは、決算整理仕分けによって実際の金銭の授受とPL上の認識とが異なってくるからです。 ある商品を単価1万円で100個仕入れ、100万円支払ったとします。キャッシュフローでは100万円のキャッシュフローアウトです。しかし、PLではこれだけでは100万円の売上原価になりません。PLでは、売った分の仕入れだけが売上原価として認識されます。100個仕入れたうちの70個を単価2万円で売ったときに初めて、70個分の仕入値の70万円が仕入原価になります。 単価2万円で70個を売ったうちの50個は現金で受け取り、残りの20個分については掛売りで支払いが来期になったような場合、PL上の売上高は140万円ですが、キャッシュフローインは100万円でしかありません。 上記の取引を現金だけで見ると、100万円支払い、100万円受け取ったので、差引ゼロです。これでは利益がいくらなのかわかりません。そこで、受け取った金額ではなく売った金額がいくらで、支払った金額ではなく売れた分の仕入れに払った金額を計算し、本当の利益額を計算する会計操作が必要になります。これが決算整理仕分けです。 PL上の売上高と売上原価はこの決算整理仕分けによって実際に支払ったり受け取ったりした金額とは異なる金額が売上や原価になっています。ですから、PLから営業活動によるキャッシュフローを計算しようとした場合には、PL作成時に行った計算を逆算してゆかなければなりません。 しかし、財務活動によるキャッシュフローは、入金したときが借りたときであり支払ったときが返済したときであって、払ったけれども来期の返済として認識されたり、ということは生じません。投資活動によるキャッシュフローも同じです。ですから、PLに記載されている金額の増減だけでキャッシュフローが計算できるわけです。従って財務と投資については、直接と間接との区別が生じません。