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粉末X線回折
粉末XRDの測定範囲は一般に0~180degで可能でしょうか。 また,X線源によって波長が異なるため検出出来るピークの数に限りがあると思うのですが,仮に管球は何でも良いとして立方晶の場合は最大で何個程のピークが検出可能でしょうか。
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理論的にはおっしゃる通り0~180°のピークを観測することは可能です。 しかし、2θ=180°とは入射ビームの方向にそのまま反射することになりますので、現実的に測定することはできません。 なので、観測できるのは0≦2θ<180 の範囲と考えればよろしいでしょう。(装置によって可能な角度が異なる) では、観測可能なピークの数についてですが、ブラックの回折条件から、 2dsinθ=λ θ<90なので λ=2dsinθ<2d*sin90°=2d d>λ/2 立方晶ではd=a/√(h^2+k^2+l^2)であるので √(h^2+k^2+l^2) < 2a/λ の範囲で観測が可能なことが分かります。 金属の代表として、アルミニウム(a~4.05?)、使用するX線をCukα(λ~1.54?)とすると √(h^2+k^2+l^2) < 5.26 h^2+k^2+l^2 < 27.6 となるので、粉末X線回折において多重度や重なるピーク、消滅則を考えなければ、最大25個のピークが観測できます。( 最大の指数は(511)/(333) ) もちろんさらに波長の短いビームを使用すればさらに多くのピークを観測できます。
お礼
詳しい説明ありがとうございますm(_ _)m わかりやすく,理解が助けられました。