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『言えない関係』佐野洋の導入部より抜粋
- 夫の告別式の翌日、篠田部長刑事が若い西岡刑事を連れて家に訪れてきた。
- 篠田は事情聴取のため、奥さんの状況が落ち着いた後に再び詳しく聞くつもりだと説明した。
- 佐野洋先生が「やって来る」という表現を用いたのは、突然の訪問ではなく、事前に予告されていたからである。
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「訪れる」や「来る」の場合、家に来たという単純な事実を述べていることになります。 「やってくる」の場合は、「向かって来る」というニュアンスが強くなる。 つまり、「やってくる」と表現することで、その訪問に(良くも悪くも)圧力を感じていたことを同時に表現できるわけです。 おっしゃるように、「いきなりの訪問だ」という意味で圧力を感じたということも含まれます。 また、自分にとってはあまり歓迎したくない、事情聴取という用件で来る、ということにも圧力を感じたのでしょう。
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- TANUHACHI
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こんばんは夜分に失礼します。 仮に「訪れる(おとず・れる)」という言葉を使うとするならば、「訪」にはもう一つ「訪ねる(たず・ねる)」との使い方もあります。「たずねてきた」ならば「訪ねてきた」とも「尋ねてきた」も両方の意味で使うこともできます。 その後にある「そういうことが済んだときに、もう一度詳しくお聞きするつもりですが……」からは改めて事情聴取にお伺いします、と予告していたことも明らかです。となれば(1)の「いきなりの訪問」は成り立ちにくいと、僕は理解します。 あとはもう一つ、この佐野洋さんの作品がサスペンス小説ということです。サスペンス小説なら、犯人捜しがテーマとなる性質のジャンルですから、追う側と追われる側での意識や感情をそれぞれ別に表現することも必要です。 ここに登場する「私」なる人物が物語の中で重要な役割を果たす人物であるとするならば、追う側の様子を冷静に観察する必要もあるでしょう。と同時にこの文の読み方に「追う側」と「追われる側」だけでなく、両者の様子を描写する人物の独白や戯曲にみられる「台詞とト書き」に類する要素と考えてお読みになったらいかがでしょう。 なお、老婆心ながら、質問タイトルにある「ヤロウ」などとは喧嘩言葉ややくざ言葉と同じく、節度のある方ならば使わない表現ですので、おかしな日本語を真似ることは慎みになった方がよろしいのではなかろうかとも存じます。
お礼
この「やって来る」ってものは、ヤロウと呼びたくなるほど、長い間悩まされてきました。 ご指摘いただいた通りだと解ってはいはるものの、ここは勉強の場なので、多少故意もありながら使ってみました。お許しを…。TANUHACHIさん、これからもよろしくお願いいたします。>゜))))彡
- toast5
- ベストアンサー率37% (239/638)
「スーパージェッター」の主題歌に 「未来の国からやって来た、知恵と力と勇気の子」とあるように、 「やって来る」に必ずしも圧迫的な意味はないと思います。 が、「やって来た」は「来た」と比べて、 「はるばる遠くから来た」 「わざわざ来た」 「乗り込んで来た」 のようなニュアンスが加わるので、たしかにこの場合は 「あまり歓迎したくない」という含みは感じます。 1)「家ではない場所での簡単な事情聴取」が初対面で、 2)「後日、詳しい聞き取りのために家まで訪ねて来た」 うまく説明できないのですが、この1→2という経緯を表すのに 「やって来る」がふさわしいと考えたのではないでしょうか。 「家ではない場所」→「家」という、 「ずずっと一歩踏み込んで来た」感じというか。
お礼
toast5さん、お礼が遅くなりましたね。こんにちは。(^O^;) この「やって来る」は、韓国人にとって難しいヤツです。で、ただ「来る」より「やって来る」といえば、言葉のリズム感を生かすのではないか、とも考えたりしました。「現れた」の意も含まれたりして。 まだ勉強不足の僕としては、日本の方々の力を借りるしかないので、これからもよろしくお願いいたします。
>、「家を訪れて来たのは(を・を、の連続で座りは悪いけど)」と云っても間違った表現ではない、と思うのですが、 その通りです。”やってきた”と主人公(話者)が表現したのは、訪問者に対する彼女のある種の軽蔑感、嫌悪感を示しているのでしょう。(厄介なやつらが、来なくてもいいのに、やっぱり、来た…)という気分でしょうか。 1も2もあたらないとわたしは思います。 > 我が佐野洋先生が「やって来る」を駆使したのは、 ”駆使した”というのは、そのほかの文章でもこれを何度もよく使っている場合に使用します。ここだけしか使われていなければ使いません。 ご参考になれば。
お礼
ハイ、とても参考になりました。「駆使した」って韓国語とは、ちょっと使い方が違ってますね。 komaas88さん、これからもよろしくお願いします。(^.^)
- ゆのじ(@u-jk49)
- ベストアンサー率30% (1233/4073)
犯人の可能性さえある妻への事情聴取をするのを「訪問」とは言わない。「訪問」には好意が含まれていなければならない。通常、事情聴取する相手に好意を抱かない。 いずれにせよ「いきなりの訪問」は関係ない。 事情聴取には「様子や近況」も含まれる。 そもそも、容疑者の一人であるべき妻への事情聴取が、通夜、葬式の後などということは有り得ない。死んでしまった夫の司法解剖の必要もあるかも知れないのに、埋葬後の事情聴取などということにはならない。 日本語の学習目的であれば、推理小説は相応しくない。文法的にも誤りが多い。
補足
あなたの言っていることは、ワイもちゃんとわかっておるわ。谷崎潤一郎や芥川龍之介など、ちゃんと文芸ミステリー傑作選に選ばれているし。 刑事が告別式の次の日に事情聴取を取りに来たのは、この妻が捜索願を出すことになった、その経緯を聞くためだよ。死体解剖は、医者がすることだろう。
- CC_T
- ベストアンサー率47% (1038/2202)
「歓迎されざる客」であることを表現して客観的に「やって来た」としたものでしょう。 自分が呼んだわけでもない刑事が家に来るのを喜ぶ人は、あまりいないですよね。
お礼
お礼が遅くなってしまい、大変失礼致しました。こんにちは。(^_^.) なるほど!「歓迎されざる客」なので、単にやって来る、ですね。 CC_Tさん、どうもありがとうございました。>゜))))彡
お礼
hakobuluさん、お元気ですか。僕も元気でいようと頑張りますが、階前の梧葉已に秋聲……日本語の寒波が僕を凍らせたりもします。 来るは単に移動の来るけど、やって来るは、向かって来るという圧迫感がありますね。これは目に鱗です。 いつも僕のこと、付き合ってくださり、どうもありがとうございました。>゜))))彡