【東野圭吾】仮面山荘殺人事件(ネタバレ)
世間で評判が高いので読んでみたのですが、
正直、いまいち面白さが理解できませんでした。
もちろん本の感想なんて人それぞれ自由ですし、
「ただの小説にムキになりすぎ」と言われれば
それまでですが、この本が評価されている理由を
教えてくれないでしょうか。
特に理解出来ないのが以下の部分です(長文になります)。
1
そもそもこのオチに必然性はあったのでしょうか。
主人公に殺意があったかどうか確かめるにしても、
あんな作戦を計画、実行、そして成功するなんて
いくら小説とはいえ無理があると思うのですが。
プロの脚本家に頼んだとはいえ、
「ここでこういうやり取りをして、銀行強盗を侵入させて
主人公をパニックにして、そしてこうしてこうすれば
主人公は義父の首を絞めるだろう」
って、あまりにご都合主義的に進みすぎだと思うのですが。
言ってもたかが主人公の真意を確かめるだけなんですから、
こんな大掛かりなことをするよりももっと現実的な方法が
いくらでもあると思うのですが。
東野圭吾だからしっかりと論理性に満ちあふれた作品に
してくれると思っていたのですが、この作品はあくまで
ファンタジーであり、そこの部分はあまり突っ込んでは
いけない部分なのでしょうか。それとも、私が見落としている
だけで、しっかりとこの作戦でないといけない必然性が
隠されているのでしょうか。
2
この作品が「叙述トリック」と評されている意味が分かりません。
要するに「ずっと事件と無関係だと思われていた語り手(主人公)
が犯人だった」という部分が叙述なのでしょうか。
しかし叙述トリックというのは二週目を読むとき同じ文章でも
意味が二転三転するようなイメージです。
この作品にそんな文章あるでしょうか。
主人公は本気で「自分の睡眠薬で死んだわけではない」と
思い込んでいますから、
「二週目で初めて、主人公が自分が犯人であると匂わせる
発言をしていた」と気づける場面もないように思えます。
「睡眠薬…か。だが誰かが朋美を殺そうと
していたなんてありえるのだろうか(文庫64P)」
というふうに、終始、自分には関係のないことだ、
というような口振りを続けています。
それで「実はそいつが最初、朋美を殺そうとしていた犯人です」
と言われてもフェアじゃないというか、唐突感がすごいのですが。
それとも私が見落としているだけでちゃんと叙述トリックらしい
フェアな描写も多々あるのでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございます。 とても詳しく迫っている本なのですね。 少し高価なのが気になってしまいましたが、 曖昧な憶測ばかりになりがちな部分を 客観的に埋めてくれそうに感じ、 早速購入手続きを済ませました。 じっくり読み進めて行きたく思います。 ご紹介、ありがとうございました。
補足
早速届いて読み始めました。 使われている漢字や言葉が若干今と違うのですね。 しかし内容は驚く程に詳しく濃く、期待以上でした。 ご紹介ありがとうございました!