吉本隆明の革命論は、どう変わったか?
吉本隆明は多くの鋭い指摘を残して亡くなってしまいましたが、私は彼が「自分は軍国少年だった」と言って、思想を展開したことに大変、好感を持ってきました。
そして全学連運動などにも、鋭い批評を述べていて、同感するところの多い、批評家だったと思います。
全学連運動の随伴者だったころは、共産党を批判して、本来の革命はそんなものではない、と言っていたように覚えています。
その共産党批判にも私は引かれていたのですが、そのとき本来あるべき革命と言うことを主張していたように思われます。
つまり彼は真の革命を述べて、学生の人気を獲得していた、と思っています。
さて80年代に共産圏が崩壊して、今では革命を主張する人はほとんど居なくなった世界で、吉本氏は革命について、どういうことを言っていたのでしょうか?
私の知人に、「吉本氏は最近転向を宣言して、共産主義革命をあきらめていた」と言う人が居るのですが、いろいろ本を見ても、そういう書き物を見つけることができませんでした。
真の革命を叫んだ人なのだから、そこから転向することは大変重要なことだと思うので、この間の経緯について何かご存知でしたら、教えてください。
お礼
回答ありがとうございます。 「背景の記憶」という書籍は手にしたことがありませんので、早速読んでみます。 僕が読んだものは、1970年代には既に出版されていたもので、吉本隆明にしては珍しい、「生」の声というか、焦りというか、そのようなものが入り交じっていた様な記憶があります。 既にその頃、複数の場所に書いていましたので、整理し切れていなかった現実だったのかと思います。そういう意味では、ご紹介いただいた1993年のものも、当時新たに書いたものかもしれません。 たいへん楽しみです。 ありがとうございました。
補足
「背景の記憶」手に入れて読みました。 類似した表現で何度も書いていることが分かりました。 僕が探していたものは、1959年発表の文章の仲にありました。 さすがと言えば、さすがだけれど、吉本隆明くらいになると、こんな本まであるのですね。 そのことには、大いに驚きました。 本当に ありがとうございました。