一番素朴な対数(log)の効果(というか、logという概念が生まれた時に言われた効果)というのは、「大きな数の計算をするのが楽になる(「天文学者の寿命を延ばした」とも言われたらしい)」ということでしょう。
具体的に説明します。
logの性質として、「掛け算を足し算にできる」、「累乗を掛け算にできる」というのがあります。つまり、
log(a×b) = log(a) + log(b)
log(c^d) = d×log(c) (「^」という は、累乗を表す記号です)
これを使うと、例えば、2^10×3^20(2の10乗×3の20乗)の値を知りたいときに、以下のように概算できます。
X=2^10×3^20とすると、
log(X)=log(2^10×3^20)
=log(2^10) + log(3^20)
=10log2 + 20log3
となり、log2≒0.3010、log3≒0.4771なので、(注:底を10にしています)
log(X)≒10×0.3010 + 20×0.4771
=12.552
となります。したがって、
X≒10^12.552
=3,564,・・・(3兆5千6百4十億・・・)
となり、だいたいの値がわかります(正確さを犠牲にして、大体の桁数などがわかったということです)。[正確な値は、3,570,467,226,624です。]
ただ、現代では上記のような計算は全てコンピュータがやってくれるので、上記のメリットは薄いでしょう。むしろ、「何かと何かの相関関係を調べるときに、直接的な値そのものではなく、logをとった値で調べると相関関係をつかみやすく、また、計算もしやすい。」といった点が便利なのかも知れません(「物理的な音量」と「人が感じる音の大きさ」とか←うろ覚えです)。