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相続放棄と給付金と葬儀代について教えてください
10数年前に母と離婚していて疎遠だった父が亡くなり、火葬のみを子供3人でしました。 財産はローンが400万ほど残った田舎の古い家屋(団信保険加入)のみで、遠方なので相続放棄を しようと思っています。 火葬、納骨と交通宿泊費などで5-60万かかりました。 故人の財布の中の現金10万ほどと預金総額20万ほどを、その費用にあててもよいのでしょうか? ※亡くなった時に警察が入っているので通帳の残高、印鑑、現金等は保管され金額は公的に 記録されています。 そのほか父は仕事中の骨折で労災の療養・休業補償給付をうけていました。 あとから子供が請求できるそうで未給付分の25万円ほどが給付され、その他国民年金・ 企業年金の未給付金が10万ほどあるようです。 これら死亡後に子供が申請し、子供の口座に入金になったものも故人の財産だったと みなされるのでしょうか。 ちなみにローンはクレジットの残金が2万円のみのようでした。 住居の維持ができないので、故人の財産を使ったから放棄できないとなると困ります。 家はかなりの汚部屋で物があふれていたのですが、相続放棄したあともなにか整理などの要請が 来ることがあるのでしょうか? 色々質問しましたが、よろしくおねがいします。
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- law_amateur
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まず,葬儀費用ですが,葬儀費用は,葬儀の主宰者の負担とするのが現在の実務の一般的な傾向ですので,子供3人が,とりあえず手出しで葬儀を営んだ場合には,それを相続財産から取り戻すのは止めておく方が賢明です。わずかな金額とはいえ,法定単純承認事由(相続放棄の申述が認められない,あるいは相続放棄の申述が認められても,相続債権者から債務を支払えという請求をされる場合がある事情。民法921条)に当たるとされる恐れがあります。 相続放棄の申述は,相続があったことを知った時(お父さんの死亡時,あるいは死亡したことを知ったときとは,必ずしも同じ意味ではない。)から3か月以内に家庭裁判所にしなければなりませんので(民法915条),ゆっくりはしていられません。 労災の休業・療養給付も,結論的には請求は難しいようです。労働者が生前に受けることのできた療養・休業補償給付を労働者の死亡後に遺族が請求できるというのは,法令(法律や政省令)には規定がなく,通達ベースの運用としてなされているようですが,この場合には,生計同一要件が必要とされるようですので,生計を同一にしていない子供に,そもそも請求権があるかどうかが疑問です。また,労災行政の運用は,相続とは無関係になされていますので,そのような請求権が仮にあるとしても,民法の相続という面から,どのように扱われるかは,難しいところがあります。療養・休業補償給付は,被災労働者が自ら受けることのできる給付ですので,民法上は遺産に属するという考えが十分に成り立ちます。すなわち,子供が請求して,それが子供の預金口座に入った場合には,相続財産を取得したとされる可能性があります。そうすると,そのような給付を先に受けてしまうと,法定単純承認事由ありとされる可能性があるということになります。 被相続人が,生前に受けることのできた年金についても同様と考えられます。 これに対して,遺産の管理費用は,考え方が違います。相続人は,相続の放棄又は承認をするまで,遺産を,自己の物と同一の注意義務で管理しなければならないとされています(民法918条)。これは,他人の物として大事にするほどのことはないが,自分の所有物と同じ程度には丁寧に扱うべきだ(勝手に壊したり,使って無くすことはできない)ということです。そして,これは,相続放棄をしたあとも,相続放棄によって,次の順位の相続人が,自ら遺産を管理することができるまで,同様の管理を続ける必要があるとされています(民法940条)。ですから,相続放棄をしても,家が壊れそうだというような場合には,応急修理的なことを求められることはあります。 ただし,その管理費用については,必要とされる管理費用は,相続財産から払戻を受けることができるとされています(民法940条,650条)。 そういうことで,子供3人が相続放棄をして,そのあと,相続人が決まって現実に相続するか,相続人がいなくなって相続財産管理人が選任されれば,その時点で,管理責任はなくなりますが,それまでは,誰かから何かの請求がある可能性があるということになります。 そして,この場合にも,管理費用は,とりあえずは,手出ししておいた方が無難で,後で払戻を考えた方がよいということになります。
- tk-kubota
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葬儀に必要な費用を相続財産が支払っても、民法921条1項(相続人の相続財産の処分)に該当しない、 と言う判例があり、その判例は確立しています。 ですから、この場合は、相続放棄できます。 しかし、保障給付金や年金等未払い分の請求すれば、単純相続とみなされます。 相続放棄は最初から相続人でなかったことになりますから、放棄後は何らの権利義務はなくなります。