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物理
物理、熱学の問題です。 空気を入れ る前の熱気球とそれに 吊 るす荷物の 全質量が200kgである。 外部の空気は 温度が10℃であり、圧 力は1atmで あ る 気球の風船部分の体 積は400m^3 である。 気球 を 上昇さ せるために は風船内の空気を何度に 加熱しなけ ればならないか。 (10℃ における空 気の密度は1.25kg/ m^3で あ る。) 答えは 472K (気体をあためると、風 船部分か ら空気は逃げてい く。その 軽くなっ た分で気球は浮き上がる) と なるらしいです。 解き方をできるだけ詳しく教えてく ださい。
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考え方。 ご存じのように、気体や液体(「流体」と呼ばれます)の中にすっぽり覆われた状態にある物体は、周囲の流体から「浮力」を受けます。 その浮力の大きさは、「(たとえば水中に没している場合)物体の体積と同じ体積の水の重さに等しい」というアルキメデスの原理で示されているとおりです。もし、周りを空気にスッポリ包まれている物体だったら、その物体と同じ体積の空気の重さに等しい大きさの浮力を、鉛直上向きに受けることになります。 本問題では、荷物の体積は考えないのでしょうから、以下では、荷物と気球は一体のものとして、一括して「気球」として表現します。しかし、気球の"内部の空気"は気球とは別の物体として考えて下さい。 さて、周囲の空気と同じ温度・圧力の空気が気球内部に有った場合、気球はどんな重さになるでしょうか? ちょっと、回りくどい言い方になってややこしいですが、しっかり考えましょう。 気球は、気球そのもの(Aとします)と、気球の内部に有る空気(Bとします)とを含めた全体です。 もし周囲の空気が無ければ(ただし、気球の内部の空気が漏れることはないものとします)、気球全体の重さは Aの重さ+Bの重さ です。では、周囲を空気で覆われていた状態ではどうでしょう。「気球の体積と同じ体積の、(周囲の)空気の重さに相当する浮力」も受けることになります。ところで、この「気球の体積と同じ体積の、(周囲の)空気の重さ」って、気球内部の空気の重さ、と同じです。つまり、Bの重さが浮力と同じ大きさなのです。結局、差し引き Aの重さ+Bの重さ-浮力 =Aの重さ+Bの重さ-Bの重さ =Aの重さ となり、気球には、気球そのものAの重さしか掛かっていないかのように観察されるわけです。 「熱気球とそれに吊るす荷物の全質量が200kgである」と書かれている、"200kgの重さ"が、まさにこれです。 ここで、気球を暖めて気球内部の空気を膨張させ、その一部(Cとします)を排出したら、どうなるでしょうか。 Aの重さ,浮力は変わりませんが、気球内部の空気の重さが変化します。 Aの重さ+Bの重さ-浮力-Cの重さ 浮力は、暖める前の気球内部の空気の重さ("Bの重さ"と書いてきたものです)と同じでしたから 気球全体の重さ=Aの重さ+Bの重さ-浮力-Cの重さ =Aの重さ+浮力-浮力-Cの重さ =Aの重さ-Cの重さ と書いて良いことになります。この式から、気球が浮くためには、 Aの重さ-Cの重さ=0 になれば良いのです。 Aの重さ=200[kg]の重さ でしたから、 Cの重さが、200[kg]の重さであれば良い。言い換えれば、逃げた空気の質量が200[kg]であった、というわけです。 10℃ における空気の密度は1.25kg/ m^3でしたから、10℃におけるCの体積は 200[kg]/1.25[kg/(m^3)]=160[m^3] です。元々気球内部には、10℃で400[m^3]の空気が入っていましたから、気球内部には、10℃換算で 400-160=240[m^3] の空気が残っています。この、10℃で240[m^3]の気体が、加熱されて膨張して400[m^3]になったので、Cの空気が追い出されたと考えるのです。 ここまでわかれば、後は、シャルルの法則を使って、温度を計算するだけです。 10℃=273+10 =283[K] ですから、機体内部の空気に対して、シャルルの法則を適用して 240/283=400/T ∴T=471.6…=4.72・10^2[K] 蛇足ですが、逃げた空気の温度や圧力がいくらになったのか等ということは一切考慮する必要はありません。飽くまでも、気球内部に有る空気だけに注目するのです。