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クローンと一卵性双生児の近親交配
生物学的見地で教えてください。 いろいろな記事を読んでいくうちに、クローンは自分の一卵性双生児を 作ることと同じという箇所を読んで思ったのですが・・・・ 女性の場合は自分の卵子を使用できるので無性生殖が可能とも。 でも、自殖はある意味近親交配と同じに奇形等有害突然変異の危険は ないのでしょうか?つまり、クローンも。 また、生殖能力を有する一卵性の真性半陰陽の双生児が近親交配 したならば、生まれてくる子供は、やはりクローンと言われるものと 同一なのでしょうか?その場合、半陰陽は遺伝するのでしょうか? 素人の質問なので上手く理解していただけるか不安ですが教えてください。
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近親交配の奇形児が出る確率が高い理由はもともと持っている劣性遺伝子がホモになる確率が上がるからです。 突然変異の率が上がるわけではありません。 よってクローンを作る過程で交配は行われないので劣性遺伝子がホモになることはありません。 ですから奇形児などが現れる危険性は無いといえます。 しかし体細胞の遺伝情報は生きている間に傷ついている可能性があるので完全に大丈夫とは言い切れませんが。 女性が自分の卵子を使用できるので無性生殖が可能だという部分ですが、今のところどんなクローンも卵細胞に体細胞の核を入れて作っているので可能だといっているのでしょう。 ミトコンドリアなどの細胞小器官は核の情報で作られるのではなく卵細胞由来です。ですから本当の意味でのクローンを作るなら自分の卵細胞を使わないといけないことになります。 まあ、自分の血縁の女性の卵子ならいいんですが。 一卵性双生児の近親交配ですがクローンとはいえないでしょう。 一卵性双生児の遺伝子は同じだといってもその親の遺伝子が違うため 相同染色体のペアで遺伝情報がかわってきます。 交配の時点で遺伝子の組換えがおこるためクローンとはいえません。
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- DESTINY
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maysさんへ補足です。 減数分裂のときは、まず最初にDNAが複製され、それから、相同染色体との対合、交叉がおこります。複製された2本の染色体は、相同染色体と同じ場所で交叉するわけではありません。したがって、この時点で4本の染色体の構造はそれぞれ異なったものになってしまっています。減数分裂(1)ではセントロメア部分については確かに父親由来又は母親のセットに分かれますが、複数の交叉が起こっているので、この時くっついている染色体の構造は同一ではありません。ただし、減数分裂(2)が終了する前に発生してしまったとしたら、エラーにより死んでしまう確率が高いことには間違いありません。 http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textbook/celldiv.htm
お礼
さらに専門的な補足をありがとうございます。 減数分裂・・セントロメアといえばテロメア・・・。 テロメアといえば寿命を司る染色体末端? ド素人の私が、皆さんのおかげでどんどん遺伝子にはまっていきます。 もっともっと勉強してみたいです。
- mays
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たとえば、自分が一卵性双生児であったとしたら、自分のクローンも、その兄弟と一緒、ということですよね。クローンの定義は同じ遺伝子をもつ別の個体ということなので、確かに定義的にはどちらもクローンであると思います。 また、卵子のクローンは可能ですが、通常8細胞期かその後ぐらいで分裂がとまってしまいます。これは親近交配に奇形が多い理由と一緒です。 具体的な方法、理由ですが、まず卵子の具体的な構造から説明すると、deagleさんの、”卵子はたしかDNAが通常の細胞の半分しかないはずだから”というのは、人の場合実は間違いで、受精前の人の卵子は二組(46本)のDNAを持っています。 では、受精後には3組になるかというとそうではなく、人の卵子は第2回目のmeiosis(日本語忘れた)の途中で止まっていて、精子が入った後に第2回目のmeiosisが起こり、合計46本の染色体になります。 そこで考えられるのは、受精前、受精後って、実は同じ?ということでしょう。 実は卵子に受精と同じようなショックが加わればそのまま発生が進みます。具体的には細胞内にCa++イオンを導入することにより、分裂が進行します。 でもそれがなぜ奇形に?ということなのですが、また難しいのですが、体細胞と卵子の染色体を比較した場合の違いに起因します。 体細胞では、ご存知と思いますが、父親由来の染色体23本と、それとよく似た母親由来の染色体23本が同居しています。つまり、2本の1番染色体はほとんど同じなのですが、多少違うんです(相同染色体という)。それに対して卵子では、その前の段階で、父親由来のもの、もしくは母親由来のものどちらか片方のみが選択されているので、2本の相同染色体は、それぞれまったく一緒になっています。 これがなぜ奇形などに結ぶついているかというと、つい最近ヒトは約30000の遺伝子を持っていると発表がありましたが、そのうちのいくつかのエラーによるものです。 たとえば、平均で30000個の内、10個にエラーがあり、働かないとしましょう。 通常ヒトは父親由来、母親由来両方の遺伝子をもっていますので、それぞれに10個エラーがあったとしても、重複することはほとんどありません。 (二人の人が30000個の数字からそれぞれ10個づつ好きなものを選んだと考えてみてください。まずダブらないと思います。) しかし、卵子の場合二組の染色体がまったく同じ、つまりエラーの箇所もまったく同じになります。そうすると、その必須の遺伝子が働かないために、死んだり、奇形だったり、頭悪くなったりするんです。(聖徳太子のような逆の例もありますが、天皇家には知的障害、超天才が多い、というのもこのためらしいです) 大体、こんな感じです。 余談ですが、完璧な遺伝子の持ち主だと処女懐胎は実際にあるらしいですが、男が生まれることはまずありません。考えてみてください。
お礼
詳細な回答をありがとうございます つまり子供は父親と母親から半分ずつ遺伝子を貰ったとして、 その中に劣性遺伝子があってもダブらない。しかし、近親交配の場合は 父の劣性遺伝子と同系のものが母の遺伝子にも存在しうる為、重複する 可能性が出てくるんですね。 クローニングで出来た子供と一卵性双生児、広義でとらえれば同じ。 なるほど、どこを捉えて定義するかが問題なんですね。 異系?交配はある意味遺伝子にとってコストがかかる行為に思われます。 でも、エラーの発生率が抑えられる点で有意義なんでしょうか。 完璧な遺伝子・・・いったいどういうものなのでしょう。とっても興味あります。
えと。クローンを作ることと子供を作ることは根本的に違います(^_^; 『クローンは自分の一卵性双生児を作ることと同じ』というこの記述は、あくまで分かりやすくするための説明にすぎません。 クローンというのはコピーであり、別に何かと何かを人工生殖させて作るのではありません。完璧なコピーを作り上げるんです。 ですので、『xyxさんの一卵性双生児』と『xyxさんのクローン』は違います。後者を作るのに、近親交配といった概念は生まれえません。なぜなら後者を作るのに何かが交配する必要はないからです。 ですので、『女性の場合は卵子が……』というくだり、これも少し誤解があります。クローンは、技術さえ確立されれば、全身の細胞から作ることが可能です。髪の毛から作ることだって、理論上はできます。(もっとも髪の毛はもともと死んだ細胞だから、うまい具合に遺伝子を取り出せるかどうかは疑問ですが) それから、『クローン』という言葉は、『遺伝子をコピーする技術』という意味合いが強く、その技術によって生まれた子供を指す言葉ではありません。 ですので、羊のドリーは間違いなく羊であり、そのドリーから生まれた仔羊もやはり羊です。 ……ところで、卵子のDNAって、2組そろってましたっけ? 卵子はたしかDNAが通常の細胞の半分しかないはずだから、卵子からクローンを作ることはできないはずです。うーん。
お礼
クローン技術について『女性の場合は卵子が……』これは自分の体細胞の核を 自らの卵細胞に入れるということです。それを自殖といえるのではないかと書いてあったのです。 うまく説明ができず、すみませんでした。
- 010516j
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現在、もともとのクローンの定義と少し変わってきていて、クローンは生殖を介さずにできることになっていたと記憶しています。一卵性個体の近親交配は同性なので起こらないと思いますが、個体が女性ならばその卵子を用いて核移植により個体の作出が可能であると思われます(倫理の問題が多分にありますが)。しかし、病気などがDNAの発現の異常からくるものならば、それは、未受精卵の能力によって初期化され、生まれてくる子は正常であると思われます。DNAの配列の異常から来るものならば、生まれてくる子は病気を持って生まれてくると思われます。 またクローンも性は同じなので交配は不可能だと思います。 卵子を含めて細胞には核以外の遺伝情報(ミトコンドリアDNA)もあり、クローンも厳密には全く同じではないと考えられます。
お礼
さっそくの回答ありがとうございます。 一卵性個体の交配は同性なので起こらない。 確かに、普通はそうですね。でも精巣と子宮の両方を持っていたら・・・ などと考えてしまったわけです。双子がまったく同じかといえばそうでなく クローンにしても細胞がまったく同じというわけではないんですね。
お礼
大変判りやすい回答をありがとうございます。 私の疑問、一つは一卵性双生児の遺伝情報は同じか否か? 同じなら男性としての生殖能力と女性としての生殖能力を持つ 真性半陰陽が近親交配した場合に、子供の遺伝情報は親とまったく 同じなのかと・・・それは遺伝子のコピーであるクローンと同じ結果 なのでは?しかし、そうでないことがわかりました。 そして、奇形等の発生についても・・・クローンは交配とは別。 だから遺伝子の組替えが起きない。 つまり遺伝子の組替えこそが「交配」なんですね。