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法の不知を原因とする過失の教唆
法律を知らなかったとしても、故意が阻却される訳ではありません。 では、誤って他人に犯罪を教唆してしまった場合に、もし法律の知識があれば教唆せずに済んだと認められる時は、故意による教唆となりますか? 一例を挙げます。 Xは、道に落ちている物をネコババしても罪にならないと思い込んでいた。 Yが「落とし物は交番に届けないといけないか?」とXに尋ねたので、Xは「届ける必要は無い」と答えた。 後日、落とし物を拾ったYは、ネコババしてしまった。 このケースで、Xの罪責はどうなりますか?
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過失の教唆犯ということはありませんし、 過失犯の教唆ということも現行法では 認めていません。 事例ですが、Yが占有離脱物横領になるのは 疑いがありません。 問題はXです。 (1)Xが間違ったアドバイスをしたので、Yが占有離脱物横領を 侵してしまった、という因果関係の存在があることを 前提にします。 (2)Xの錯誤は、事実の錯誤ではなく、法律の錯誤となりますので 故意を阻却せず、過失とはなりません。 従って、占有離脱物横領の教唆になります。 尚、事実の錯誤と法律の錯誤については、あまりにも基本的な 問題ですので、改めた説明は省略します。
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- nekonynan
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刑法 (故意) 第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。 2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。 3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。 法律に特別の規定があるので、Yは、 遺失物等横領罪(刑法254条) 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する に該当します。 Xに着いては、厳密に解釈すれば・・・ 第十一章 共犯 (共同正犯) 第六十条 二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。 (教唆) 第六十一条 人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。 2 教唆者を教唆した者についても、前項と同様とする。 (幇助) 第六十二条 正犯を幇助した者は、従犯とする。 2 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。 (従犯減軽) 第六十三条 従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。 (教唆及び幇助の処罰の制限) 第六十四条 拘留又は科料のみに処すべき罪の教唆者及び従犯は、特別の規定がなければ、罰しない で共犯に該当します。でも罪の大きさが(内容)が不明なので、罰せられるから判りません。例えば落としあるお金をネコババし、そのお金で共に飲み悔いをした。一部のお金を分前にもらってのならな共犯に該当すると思われて処罰の対象と成り得ます。
お礼
お礼が遅れてすみません。 詳しい説明、ありがとうございました。
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