特許の審査が厳しい理由
特許を出願して審査請求すると、大半は拒絶通知が来るそうです。一発で審査が通ることも稀に有るそうですが、それは全体の1割くらいで、9割は拒絶だそうです。
何故こんなに審査が厳しいのでしょう?審査で過去の発明と照合して、新規性が有るなら通せば良いと思うのですが。
私には、出願者への嫌がらせ、審査官が持つ特有の拒絶権力の振り翳しに見えます。出願者は特許査定を願い出ているのに、それを拒絶するのなら、審査官は敵です。つまり、この審査は出願者と審査官の勝負であり戦争ともいえます。この後、意見書の提出とか、審判とか、色々とシナリオが予想されますが、同じ日本人同士でこんな戦いはギスギスして気持ち悪いです。
特許は早い者勝ちの世界で、審査で過去の発明と照合して先行特許を保護しているのなら、その審査に意義はあるでしょう。この仕事で審査官は先行特許の効力と先人発明者の権利を守ったのです。それが拒絶理由で、先行特許の照合コードを通知書に明記して、出願の発明はこの先行特許と同様だからダメととすれば、出願者は納得するでしょう。
しかし、進歩性がイマイチとか、曖昧な理由を審査官は通知してきます。飽くまで拒絶が前提、拒絶を目的に重箱の隅を突くような理由を審査官は探しているようです。
審査官は審査を通すより、拒絶する方が楽しいのでしょうか?出願を拒絶しようとして、色々と調べて理由を探し、それが見つかって拒絶が可能になると、審査官は快感でしょうか?
審査官が日本の公務員なら、日本人の笑顔の為に務めて欲しいです。審査基準がそうなっていて、それに従えば日本人の笑顔に繋がるのかしら?だとすると、その審査基準を疑ったり、審査基準が日本人の笑顔に沿うかをときどき見直しているのかしら?
日本には独占禁止法(通称)があります。1業者がその事業を占有すると、健全な競争が妨げられて全体としての経済が落ちる。だから、独占禁止法を定めて健全な競争を維持しているのです。しかし、独占禁止法よりも特許の方が強く、これが有れば一定期間だけ事業を占有できます。
だとすると、審査官は独占禁止法の意義を尊重して、健全な競争状態を維持しようとしているのでしょうか?安易に特許査定を通すと、その発明商品の価格が釣り上がって、消費者に過度の負担が掛かり、それを審査官は規制しているのでしょうか?
だとすると、特許って何だろう?独占禁止法と考え方が逆で、競争経済の健全性を壊す制度と言えます。こんな制度は廃止にした方が良いのでは?事実、特許を取ろうとしても拒絶が濃厚だし。
補足
知的財産権と独占禁止法は相反するものと解釈することはできます。それでも、性質が異なるのでしょうか?