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水冷したS45Cの再加熱について

水冷し、マルテンサイト相にしたS45Cを620℃で再加熱したら、パーライトとフェライト(おそらくフェライトバンド)になっていました。S45Cの変態温度は727℃であるのに、なぜでしょうか?ちなみに真空雰囲気で冷却し、常温になるまで1時間ほどかかりました。 よろしくお願いいたします。

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  • freulein
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回答No.1

良い経験をなさいました。固体内の拡散速度を考えることになります。 最初にS45Cをオーステナイト化したときに、均一なオーステナイト相になっていなかったと考えるべきです。事実そうです。それで焼入れしてマルテンサイトを得たときにも炭素濃度には局所的な揺らぎが残っていたのです。この組織を620℃に持ってきたときには、それが極短時間ならば局所的には微細な炭化物とα鉄とに分離したはずです。ところが620℃でかなりの長時間を与えますと、組織の背後にあった炭素濃度の揺らぎが表れてきて、炭素の濃淡が出発材と同じ程度に「見えて」くるのです。厳密にはセメンタイトの形状が少し乱れます。これら処理を繰り返せば「セメンタイトの球状化処理」に繋がります。ご勉強ください。 考えるべき要素は「1、固体内の拡散は遅い」「2、異相界面には表面張力が無視できない」でしょう。