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意味を教えて
『回顧すれば予や、明治28年5月、故小松総督宮の行に陪し、筆を載せて此地にあり。偶々遼東還付の報を得て、憤慨に堪へず。僅かに海浜より、一掬の沙礫を撮り、之を手巾に包み。是れ予が遼東半島なりとて、即日之を携へ、帰京の途に就きたるも、今は一昔、若しくは二昔とはなりぬ。記念の沙礫は、今尚ほ青山艸堂に在り。然も其の記念の意義は、全く当初と異なれり。本来は無念の記念也、今は国運発展の記念也。人の一念程、畏ろしきものはなし、况んや挙国民の一念をや。』 ちょっと長いですが、意味を教えてください。
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振り返って見れば、私は、明治28年5月、故小松総督宮のお供をして、記録を書くためにこの土地に居た。 偶然遼東半島が還付される(=(元の持ち主に)返される)というニュースを聞いて、腹が立って我慢が出来ず、わずかに海辺から一握りの砂や石ころを取り、これをハンカチに包み、「これが私の遼東半島だ(=絶対に返さない)」といって早速これをもって、帰京の途についたが、今となっては一昔(=10年)前、あるいは二昔(=20年)前のことになった。 記念の砂や小石は、今もまだ青山草堂にあるが、その記念の意味は、まったくその始めとは違っている。始めは残念だ、という記念だった。(しかし)今では、国運発展の記念である。 人の一念ほどおそろしい(=強い)ものは無い、まして国全体を挙げての一念ほど(おそろしい物は無い)。
お礼
本当にありがとうございます。やっと分かるようになりました。