まず、類似の文言(副詞用法)を挙げてみます。
・年百年中
・年がら年百
・年がら年中
・年が年中
・年から年中
・一年中
・初中(後)(しょっちゅう)
・始終
ここから、次の二つのアプローチをしてみました。
1.名詞「がら」
名詞に接続して、その名詞の特徴や性状また状態を表す接尾語。
副詞「がら」では「全く、残らず、すっかり、がらい」(「国語大辞典」小学館)
・日柄/日次/日子(ひがら)…日柄一日
・時分柄(じぶんがら)
・時節柄(じせつがら)
「年百年中」…年百=「諸(もろ)」=すべて、年中=「最中(なかみ)」=すべて
「年柄年中」…年柄=「柄(残らず)」=すべて、年中=「最中(なかみ)」=すべて
同類語の畳語表現とも。
2.格助詞「が」の連用格用法
「ら」を語調語尾として外した「年が年中」として考えた場合。
1)「年が年」
「AがAだ」という形で、「着目するAの性質に注意を喚起し、改めてAだと確認する(念を押す)気持で言うのに使う。」(「岩波 国語辞典」)用法。
「場所が場所なところへ…」「事情が事情なので…」
特に「Aが数量表現や「みな」「何」などの場合、そのすべての意。」(「同上」)
「10人が10人(とも)」「みんながみんな」「一事が万事」
ここから、「年といっても、外でもないその年すべて、まるまるの間中」の意味に。
2)年が「年中」
本来は1)の「年が年」+「中」の用法が、「年百年中」と混淆して、「年(百)が年中」となった可能性もあり、あるいはまた
「一事が万事」の伝で、「一年が百年」という言い方も、「年が年百」へと繋がる具合も。
このような類似した慣用句が多くあるため、以上のように、幾つかの可能性に触れるに留まりました。
お礼
なるほど、よく理解できました。ありがとうございます!