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本当のランダムってあるの?

本当のランダムってあるんでしょうか? 全く同じ条件でやっても違う結果が出るというものです。言い換えれば、1回やったあとに時間を巻き戻してもう1回やっても違う結果になるものです。サイコロなんかではダメですよね。 もし本当のランダムが存在しないのなら未来は1つに決定すると私は考えていて、それゆえに気になるのです。教えて頂きたいです。

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noname#175206
noname#175206
回答No.7

 時間を巻き戻せないということが、ご質問のポイントですね。あります。熱力学です。他の物理学分野では、時間の向きはどちらでも良いようにできています。熱力学だけが例外です。  熱力学は、たとえばエントロピーという物理量で表されるもの(乱雑さと言い換えても可)が、時間に対して一方通行なのです。  確かに、もし本当に時間(実はこれが未定義ですが、置いておきます)を逆転すれば、コンロの火にかけたままの鍋の中の熱湯が、煮えたぎることを止めて静かになり、だんだん冷めていき、ついには氷水になることになります。  しかし熱力学は、その操作を無意味だとします。熱力学の法則はそういう現象を記述できない、つまり、あり得ないとしています。  それでも、熱力学を含めることができる統計力学という物理学分野があります。統計力学では熱力学の法則は絶対ではないとしています。熱力学が許さない時間反転現象もあり得るということです。しかし、それが起こる確率も計算できます。  よく言われるのは、「コンロの火にかけた鍋の熱湯が氷水になっていくことはあり得る。ただし、銀河全域に(観測可能な宇宙全域でも可)コンロと鍋をくまなくおいて、1億年やっても、少しでも湯が冷める鍋は一つも見つけられない」ということです。  それくらい熱力学の法則が破れる可能性は低く、もう「やはり熱力学の法則は、安心して無条件に使って大丈夫」ということになります。  長い前置となりました。それでも、以上は古典的な物理、つまりマクロの現象の物理学です。熱力学を統計力学が分析できたのは、ミクロな現象もマクロと同じに扱ってよいという前提があります。なんでも完全に分析できる。そういう前提です。  19世紀末辺りでは、そういう世界観でした。決定論と呼ばれます。「もし、宇宙のある時点の全粒子の位置と速度が分かり、無限の計算能力があれば、宇宙の全てについて、その無限の過去から無限の未来まで、なんでも分かる」という言い方があり、それを象徴するのが「ラプラスの悪魔」という仮想上の存在です。宇宙の全歴史を知る者です。もちろん、人間にはできませんが、しかし全ては過去から未来まで、すべて決まっているという考え方です。  ここから本論ですが、それが20世紀初頭に否定されました。否定したのは量子力学です。量子力学は確率的現象こそが物事の基本だとしました。  現実のサイコロを古典的物理学観で考えれば、出る目はコントロールできます。単にサイコロや投げられるテーブルの形状・性質や空気、投げ方を完全に観測したり制御したり、さらに計算できないだけです。  量子力学のサイコロは違います。神でさえ出る目があらかじめ分からない、決められないサイコロです。量子力学の基礎方程式を作ったシュレディンガー、大いに量子力学に貢献したアインシュタインも、それが認められず、盛んに反論しましたが、結果は量子力学が主張する「確率が根本である」ということは崩れず、むしろ盤石となりました。どんな反論も論破した結果、強固になったわけです。  そのため、この宇宙は本当にランダムだというのが、現在の物理学の見解であると言って、差し支えありません。

karamarimo
質問者

お礼

やはり量子力学においてはランダムなんですね。同じ条件で違う結果になるというのは感覚的に理解し難いですが、そういうことなのだと覚えておきます。 詳しいご説明ありがとうございました。

その他の回答 (11)

  • gere555
  • ベストアンサー率20% (64/305)
回答No.1

なんでサイコロがダメ? 分子熱運動レベルで絶対に固定的でランダムじゃない っつーならまずその証明を。

karamarimo
質問者

お礼

回答ありがとうございます。

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