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エウロパと海
木星の衛星エウロパには海がある,という話をよく聞きます. しかし穴を掘ってみたわけでもなく, どうしてそのようなことが幅広く言われるようになったのでしょうか. 地球外生物がどうのこうのという話は置いておき, 天文学的というか地学的というか, そのような説明とは,どのようなものになるのでしょうか.
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内部に海があることは,まだ証明されてはいません. エウロパ内部の海があることへの最も有力な証拠は, 前回答にあるような,誘導電流の発生に伴う木星磁場の乱れだと思われますが, 誘導電流が発生する原因は,前回答にあるような, エウロパが楕円軌道を描いていて木星との距離が変わるため,と言うよりは, 木星の磁場が自身の自転とともに回転しており, かつその磁場の軸が木星の自転軸から傾いているために起こるものだと思います. 流氷のように見える地形は, それが見つかった当初はいったん氷が融けて再び固まったものと思われましたが, 最近は,氷を表面まで大きく融かすメカニズムがいまいちよく分かっていないようですね. 過去のニュートン誌等を見れば色々と写真が載っています. また,こちらでも様々な写真が見れますよ. それから,エウロパオービターは少し前に計画倒れになったようです. 別の名前のミッションで再計画されたようですが, 具体的に何をやるかはまだまだ先のことでしょう. これ以上は長くなりそうなので立ち入らないことにします.
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- akiakimm
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エウロパの海の存在は、ご指摘のように確認された物ではありません。 ちなみにエウロパオービターは計画倒れではなく、JIMOに発展したと言うのが正確なところでしょう。その後に続くIcepickの検討も、JPLではまだ計画が進められています。まだ正式計画としては認められていませんが、だいたい探査計画というのはそういうもんです<研究者が計画してミッション案を提案し、それに承認が降りる 誘導磁場の問題に関しては、木星の磁場の自転の影響もおっしゃるとおり、あります。というか、両方可能性が言われています。
- akiakimm
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エウロパの氷が割れる原因は、木星の朝夕力の影響だと言われています。エウロパの茶色の部分は、海水が噴き出して塩分があの色を出していると言われれていますが、見てみると赤道付近に多くなっていますし、この氷の割れ目もやはり極域よりも赤道部分から中緯度帯に多くなっており、このことがこの仮説の後押しをしています。 私自身のアイデアとしては、氷表層に電波源をばらまいて、VLBIなどの原理を使ってこの表層の氷の動きを細かく調べて、どのような応力が氷に働いているのかを調べてみてはと思っておりますが、まだそのような計画は立案されていません。エウロパオービターが実現されれば、このあたりも細かく調べられるでしょう。 エウロパの氷の割れ目というのは、池の氷の割れ目と言うよりは、むしろ地球の大陸同士の擦れあい、という感じだと思います。
お礼
ありがとうございます. アイデア云々のくだりは私にはよくわかりませんが,話がずれそうなのでこの辺で.
- akiakimm
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昔書いた文章ですが参考URLを読んで頂ければ、と思います。 まず、慣性能率という数値がありまして、これによってどのぐらいの密度の物がどのぐらいの厚さ分布しているのか、と言うことがわかります。これによると、エウロパの氷・水層はだいたい150kmぐらいあるに違いない、と言うことがパイオニアやボイジャーの観測からわかっていました。しかしこれだけでは、エウロパに(液体の)海があると言うことはわかりません。実際、木星以遠には氷衛星と言われる衛星が存在していて、表面が全部凍ってしまっている衛星はいくつかあります。その中で、エウロパだけが液体の水を持っていると考えられているのは、探査機ガリレオの観測データによります。 ガリレオはエウロパの磁気を詳細に観測しました。その結果、エウロパの磁気は、木星を公転する周期にあわせて規則的に変化していることがわかりました。これはなぜか? まず、木星は強い磁場を持っています。その為、エウロパを始め衛星はその木星の強い磁場圏の中を公転しています。次に、エウロパの公転軌道は楕円軌道です。その為、木星から遠ざかるときには木星の磁場は弱くなり、近づくときには磁場が強くなります。すなわち、エウロパにとって見れば、周囲の磁場が公転にあわせて強弱しているわけです。 誘導電流というのをご存じでしょうか?変化する磁場の中を導電体が移動したときに、電流が生じるという現象です(フレミングの右手の法則を思い出してください)。エウロパの磁場に関しては、まさに凝れと同じことが起こっているから、公転周期とシンクロした磁場変化が起こっているのだと考えられています。 まず、木星磁場の中を楕円軌道を描くことで磁場強度が変化し、その結果エウロパに誘導電流が発生します。この誘導電流が、誘導磁場を生じる(右ねじの法則を思い出してください)、ということです。 このような現象を生じるためには、エウロパは導電体である必要があります。氷は電気を通しませんので、エウロパ表層がすべて氷であればこのような現象は起こらないはずです。そこで、エウロパには液体の海があるのではないかと言われるようになったのです。(他の氷衛星ではこのような誘導磁場は観測されていません) 誘導磁場を詳細に調べることにより、この海の厚さはほぼ100kmであると言われています。 そのほかの傍証として、エウロパ表層の氷の地形も上げられます。二つあって、一つはパックドアイスと言われる、氷がぺきぺきと割れたような地形です。これはいったん熔けた氷が再度固まったと考えられており、氷表面に存在するクレーターの数から、比較的最近にそのような現象が起こったと考えられており、その結果まだ内部に液体の海が凍りきらずに残っているだろう、と考えられています。次にエウロパ表層に縦横無尽に走っているリニアな地形が上げられます。これは二つの山が平行してかなりの長距離を走っている地形ですが、表面の氷が割れて内部の海水が噴き出し、盛り上がってできた地形だと考えられています。実際この部分からは海水が蒸発してできる塩分が、リモセンによる観察で発見されています。このような割れ目ができて液体が噴出すると言うことは、内部に海があるからだろう、と言うことになります。 アメリカは近々、エウロパオービターという探査機を飛ばします。これは2001年宇宙の旅に出てきたディスカバリー号のような原子力船しようと考えられています。(形状がまさにディスカバリー号です)それによりさらに詳細がわかるでしょう。その後、IcePickという、エウロパの海に潜水艇を下ろす計画も立案されています。これにより、エウロパの海の詳細もより詳しくわかりでしょう。 私も数年以上前に”エウロパの海に探査機を日本が送り込もう!”とがんばったのですが、挫折しております;いくつか理由はありますが、一番の問題は、エウロパに海があって生命が居るかも?と言われたときに、アメリカ人は”そいつはすごいっ!是非アメリカが一番乗りを!”と一般の人も思うのに対して、日本人は”別にアメリカが行くからいいじゃん”と思ってしまうところかな、と思いました(^_^; なかなか探査やさんには厳しい社会情勢です;<日本
お礼
ありがとうございます. だいぶ分かってきました. 表面が割れて海水が噴き出したとありますが, 表面の氷がどのくらいの厚さあるか分かりませんが, 噴き出すほど大きく割れるんでしょうか. 池の氷とは違うと思いますし..
- daito
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下記のサイトは参考になるでしょうか?
お礼
ありがとうございます. 「エウロパ 海」で検索したら色々出てきました. 合わせて参考にさせていただきます.
お礼
ありがとうございました. 木星の磁場に吹き流されているイメージでエウロパの内部が反応するんですね. 面白いものです. 参考サイトも見てみました. ちょっと見では見切れないくらいたくさんありますね. いい暇つぶし(?)になりそうです.