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「生命が住めること」 と 「生命が発生する確率」 との差について
地球外生命の存在や、存在形態について想像する学問が 天文学のジャンルなのか?は素人なので見当違いなのかも しれません。 生物学の分野なのかもしれないと迷ったのですが、こちらの 方が、お返事が得やすい気がしたので、投稿させていただきました。 【質問の発想点】 たとえば、私が何かの分野の指導教官で、指導学生が 「衛星エウロパの地下の海でも、非酸素系の微生物なら 生存可能であるから、探査してみましょう」 というロジックで、研究を企画した場合、 (門外漢の私が、万一研究指導教官でしたら) 「君、生命が生きられる可能性と、そこに生命が発生する確率は 何十桁(いいかげんな数字です)も違うはずだろ? 君が言っているのは、『木の切り株があるところに行けば、 そこにウサギがぶつかって、つかまれられるから、その切り株の そばへ行って、待っていよう!』 と言っている猟師と同じだよ」 と、学生には返答しようもない批判をしてしまうでしょう。 ただ、現実には、そのような研究もあるわけですから、そこには 何かの、ロジックがあるはずだと考えてしまいました。 【質問】 宇宙生命の探査や存在論を研究する方は、 「生命が存在できる条件」と「生命が発生する確率」の差を どのようなロジックで説明しながら、研究を企画・推進されて いるのでしょうか? また、上述のような、イジワルな質問に対して、どのように 理論武装しておられるのでしょうか? よろしくお願いいたします。
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コレ、化学進化を偶然のものか、定向性のあるものか、どう捉えるかで全く回答が異なります。ご質問の中に化学進化の話が全くないのは本来はおかしな話で、生命が誕生する前に、最初の生命となる生き物を構成する物質は生命のない環境で全合成がなされていないとイケナイということに気付かれていますか? 生命が誕生するかどうか以前に、生命を作るための物質が合成される環境が必要になります。生物進化の前に、化学進化の過程が必要になるんです。 この化学進化が起こる環境が整っていれば、生命は存在できます。これが化学進化論の立場です。 あとは、化学進化は特殊な環境下でしか起こらない現象なのか、ある程度の初期条件さえあれば、生命に必要な材料を作る方向に惑星環境は自然に向かうモノなのか、どちらかということになります。 私自身は、化学進化が定向進化であるという仮説を採っているので、生命が存在できるような環境が十分な時間整えられているなら、生命は発生すると思います。 ご質問者は、生命誕生にたどり着く道筋が、偶発的な物なのか、常に発生し続けているか、どのように考えられていますか? また、生命が存在できる環境 とは、どのような環境を想定されていますか? 今の地球は生命が存在していますが、存在しやすい環境といえるか、と質問されたら、どのように回答をされますか? 定向化学進化を是とした場合、なぜ、いま目の前で生命は誕生しないのだろう、という疑問に、きちんとした回答さえ持てれば、ご質問のようなイジワルな質問は、前提条件すら失います。 そのためには、「生命が存在している環境」の定義を、一部は今の地球に当てはまらないモノにしておく必要があります。 地球に生命が誕生する前に、地球はタンパク質とDNAで満たされている必要があります。これが組み合わせれ、機能を持つことで、生命が誕生します。 タンパク質とDNAは、酸化環境(酸素などがある環境)では安定して存在できないので、部分的にも還元環境が存在する必要があります。 地球の生命の歴史をひもといた場合、還元環境で生まれた生物が、植物の光合成のより発生した酸素により酸化環境に変わってしまった地球(陸地)に、必死に適応しようとしてきたことが分かります。 地球が誕生して、化学進化によって生命誕生の状況になるまで、わずか5億年ほどしかかかっていません。その後、生命の力で地球が酸化環境にテラフォーミングされるまでに15~20億年程度かかるわけですから、生命が発生するまでのタイムスパンはかなり短いことが分かります。 ご質問者は、「衛星エウロパの地下の海でも、非酸素系の微生物なら 生存可能であるから、探査してみましょう」と書かれていますが、この、「非酸素系」の一言が、何を意味しているかを正確に把握されることをオススメします。これは、化学進化、生命の誕生の条件のひとつですから。 エウロパの例をご自身の判断で挙げられたのなら、かなりの勘の良さということになりますが、この衛星が注目されているのは、生命の維持の方ではなく、化学進化に必要な条件が、観測された限りでは整っていた点です。 同様の衛星は他にもあるようなので、探索する価値はあると思いますが、もしご質問者さんが研究畑の人なら、=探査をしよう は筋が悪い気がします。 環境を再現して、 化学進化、化学合成が起こるかを確認 既存の地球の生命が生存できるか の2点を先に確認して、その後で観測なり探査なりという流れにするのが良くはありませんか? この2点の研究が、ご質問への回答そのものになると思うのですが。
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- potachie
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| この点では、potachie様が定向性だと確信できる雰囲気は | どのあたりにあったのでしょうか? 確信できるのは神様だけだと思うので、穴だらけの推測しかできませんが。 ひとつは、ユーリー・ミラーの実験の条件が、今の地球環境というよりも原始の地球環境や他の惑星系で普通に見られる環境であること。 もうひとつは、活動的な惑星で作られる鉱物が、タンパク質合成を行う可能性が示されていること。 そして、隕鉄などで、地球外来の有機物の存在が示唆されていることや宇宙からの光のスペクトル分析でギ酸程度までは存在が確認されていること。 化学進化の道筋は、特殊な材料、奇跡に頼るような環境は必要ないので、生命に必要な材料が作られるまでは、ビックバンから太陽系創造、惑星形成を経て一本道のように思えるんです。ここまではミクロ的にはサイコロを振っているかもしれませんが、マクロ的には必然の道に見えます。ここまでが定向進化の話です。 あとは、機会=確率論に頼る話。 生物が誕生する条件はシビアかもしれません。ただ、サイコロを振る機会は十分にある訳なので、一瞬でも誕生の条件と偶然を経ることで済むわけですよね。温度条件も圧力条件も、誕生した生物が生きながらえることができるなら、機会は惑星規模の時間での一瞬のはずです。 ご質問の前提条件、「非酸素系の微生物なら生存可能である」が整っている状況が十分な時間存在するなら、生物が発生している可能性の方が高くても不思議はない気がします。 定向化学進化の話は、『木の切り株があるところに行けば、そこにウサギがぶつかって、つかまれられるから、その切り株のそばへ行って、待っていよう!』の話のウサギはきっとゴロゴロいるぞ、という話で、ウサギがたくさんいて、切り株があることがわかれば、あとは確率の問題ですから、時間が解決しているはずかと。
補足
再びのお返事、いたみいります。 前報への私メのお返事も、中途半端で 申し訳けありませんでした。 化学進化は、材料の「母数」を大きく大きくしていき その数が十分大きいと証明できたところで 最後は、確率で「エイッ・ヤー!」っとキメルわけですね。 イメージは、よくわかりました。 欧米のことですから、ユーリー・ミラーの実験の後継実験も 地道に続けられているんじゃないか?と思うんですが、 どんな感じなんでしょうね?今は地球外由来の方が、支配的と 見ているんでしょうか。 今回のご教示で、 「生命が発生する確率が高い環境」 と 「生命が生きていきやすい環境」 というのが 時間的に変化していってもいいのだ、という考えを あらためて実感できたように思えます。 そして、その環境や確率を時間的に変えたのは、 生命自体だった(かもしれない)というのも、イメージ できました。 どうもありがとうございました。
- kuro804
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勝手に高等生物?と信じてる暇で忘れ去られた宇宙生物です。 生命の存在、発生への探査を極めて非現実的だとその存在確率の低さ故に否定的に考える人には 生命の存在確率>生命の発生確率>他生物への探査に意欲を示す高等生物である私の存在確率。 で私の存在は貴方が否定する以上の何十桁似も及ぶ確率の低さです。 その私の存在を貴方は否定するのでしょうか。 私の存在を認めることが出来れば、生命の発生など足下のアリを見つけるくらい容易なことではないでしょうか?
補足
さっそくのご回答ありがとうございます。 典型的な宇宙生命肯定論のサンプルとしてお答え いただけたように想え、たいへんありがたいです。 このロジックを、否定論者の方は、どのように否定するのでしょうか? よくあるのは、DNA/RNAの発生確率の低さなんでしょうね。 子供の頃、木村資生の啓蒙書で、この点を読んで唸った記憶が あります。 そして、肯定論は、生命の多様性による、母数増なのでしょう。 この確率の低さと、母数の大きさは、ちょっと見誤れば、10桁 くらい平気で確率をくるわせる問題ではないか?と素人ながら想像 してしまいます。 この計算の決着は、量子コンピュータが汎用化でもしないかぎり、 おいそれと決着つかないことだと悲観してしまいます。 ●で、私の一番知りたいことは 「研究者が、宇宙生命探査を、どのように肯定する理論武装を しているか?」 であります。 予算申請書や論文でいえば、 「ある一つの研究探査の価値を、イントロで説明する部分に 何とかけば、審査が通るのでしょうか?」 ということであります。 まさか、 「私たちがこの地球にいる1事例が、典型ではありえない から、ジェネラルに宇宙には、ものすごい高密度で生命が 存在する」 という、ロジックは幼すぎるでしょうから。 ● そして、もう一つ知りたいことは、表題にもありますように 「生命が住める場所」には「すべからく、高確率で生命が発生する」 と信じられる(or信じられない)根拠はなんなのでしょうか? ここが、この質問のキーポイントだと思います。 以上の点が、非常に考えさせられているところです。 よろしくお願いいたします。
- ogasawaraensis
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状況を整理してみましょう。 1.生命が発生する可能性があるが、生存できない。 2.生命が発生する可能性があり、生存できる。 3.生命が発生する可能性はなく、生存もできない。 4.生命が発生する可能性はないが、生存できる。 さて、外惑星や太陽系外での生物探査は宝くじを買うようなもの (当たりはわずかしかない=生物が発生・生存している確立は極めて低い、と予測される) とされていますから、上記1.~4.を宝くじに例えてみましょう。 1.当選を確認していない宝くじがあるが、当たりくじの換金期間を過ぎている。 2.当選を確認していない宝くじがあり、当たりくじの換金期間中である。 3.外れた宝くじがあり、当たりくじの換金期間を過ぎている。 4.外れた宝くじがあり、当たりくじの換金期間中である。 設問中の学生は 「宝くじを買うことは有意義だと考えました。投資対象は2.です。」 と言っているわけです。 貴方なら、どのくじを買いますか? 宝くじを買うことが有意義が否かは別の問題として、ですよ。
補足
さっそくのご回答、ありがとうございます。 併せて、 議論の題材としての整理ありがとうございます。 ogasawaraensis様や他の方も、なんとなく予想されている ことでしょうが、 場合「2」は、この課題に限らず、多くの研究が当てはまり、 0(∞小)でない当選確率をもつと主張できるでしょう。 ただ(当然の議論として)、宝くじが、販売価格の50%近い 期待値をもつのに対し、地球型っぽい星が生命を生む期待値は、 どうとらえるのでしょう? 設問中の教授(たぶん私の化身!)は 「何十桁分の1」でしょう と、壊滅的なことを主張しちゃっています。 ま、国家予算全部で宝くじを買っても、100円券も当選しない んじゃない?と言っちゃってるわけです。 ひょっとすると、 「この宇宙の地球型の星の数分の1より小さい確率かもしれないよ」 と、暗に主張している気配さえあります。 結局、この教授(私の化身)が「期待値はとっても低い」と 主張していることが、この問題のエッセンスのように思えます。 このあたり、学生が反論しなくてはいけない便法としましては、 (1) 「確率が低いことは、証明できていないから探査します。 (という、これから旅立つ大航海型研究です、という主張。)」 (2) 「確率がどのくらいか?、は不明なので データを得るためにには、母数を増やす探査が多数必要です。 それで探査します。 (発見できなくても、データ母数が増えればいい!という 自己犠牲的研究です、という主張。)」 (3) 確率はかなり高く、0.1~1の間程度(たとえば)と確信して おります。その背景は、~~の理論によります。 (有力な仮説を検証するための研究です、という主張) のいずれか?ではないかと思います。 このあたり、研究者は、どうやって実験の企画を説明し、 予算や、認知を得てきているのでしょうか? もちろん、企画の説明に、多少のマユツバや、我田引水が あることは、百も承知で伺っておりまして、お聞きしたいのは 「どう、建前を主張して、納得しておられますか?」 という意味にとられていただいても、当然結構です。 (わが身を省みて、苦笑しています) 色々な方のご意見を賜りたく存じます。
補足
長文のご回答ありがとうございます。 素人の厚顔無恥なご質問に、易しく、しかも正確性を失わずに ご助言賜りまして、本当にありがとうございます。 ご説明を読みながら、私は、小学生の頃、夏休みの自由研究で、 金魚鉢に塩水を満たし、焼肉をすりつぶしたものを混合して 電流を流しながら(直流18Vでしたが・・・笑)一週間放置する 実験をしたことを思い出しました。 アミノ酸を原料に、生命を産む実験だったツモリで、 私は、一週間で、「風の谷のナウシカ」に出てくる“巨神兵”の ようなものを作るつもりだったのですが、何か「青藻」のような ものが生えてきてしまいました。もちろん「青藻」は実験の成果 ではありませんでした(笑) DNAの動作は、摂氏37度で動作し、70度程度で分解する といたしますと、0.04eV程度前後動作環境で0.003eV以内の 設定で動くというものという仕様で作られているように思えます。 ただ、チミンが2量体化するエネルギーが紫外線4eV程度にある ことを考えると、この動作点の低さは、物理系の学生には異常に 思えます。 この動作点は実は化学の一般的な要請ではないでしょうが、 太陽光のエネルギー中心が1~3eVであることを考えると かならずしも、良い設定には思えません。 オゾン層が形成される前は、4~6eVの光も多かったことでしょうし。 ですから、もし、生命の諸反応がEXP(数10)乗?くらい遅くて いいのでしたら、太陽光が届かず、液温氷点下数10~100度くらいの 方が、有機的なものは安定に存在できるのかもしれませんネ? ただ化学進化をもたらすためには、そこそこ熱くて、速くないとい けないでしょうから、地球の気温は初期から現在まで、比較的良かっ た可能性はあるのでしょうか? このあたりは、物理系にはとっても難しいのですが とてもマクロな反応速度論のような気がします。 >地球はタンパク質とDNAで満たされている 亡失してしまいましたが、「なんとかのスープ」という 状態のことでしょうか? 化学速度論的に、10億年の程度で、十分な 分量の化学物質が生じたことが説明できる(はずだ)というのが 証明できれば、地球が例外的な存在ではない!と証明できたことに なるわけですね! よく理解できます。 >化学進化、化学合成が起こるかを確認 >既存の地球の生命が生存できるか >の2点を先に確認 確かにそのとおりですね。 この点では、potachie様が定向性だと確信できる雰囲気は どのあたりにあったのでしょうか? 浅学の身で無い知恵をしぼってみましたが、どうもありがとう ございました。