国立ソウル顕忠院にベトナム戦争戦没者は祀られてる?
柳舜夏と言う人がSAPIO平成二六年十月号で「安倍首相が靖國参拝を見送った事は個人的に評価している。私は靖國神社が軍国主義の色彩を持つ大和魂が集結する場所と考えているからだ。その証拠に、靖國は海外で戦死した軍人を祀りながら空襲などで犠牲になった一般人は祀っていない。つまり靖國は、領土拡張のために外国を侵略する事を積極的に評価するシステムだと言わざるを得ないのだ。
韓国に顕忠院という国立墓地があり、韓国を守るために命を捧げた人たちの功績を伝えているが、ここではベトナム戦争で命を落とした軍人を祀っていない。顕忠院では外国への攻撃に寄与した人物を祀る事はしていないのだ。これが靖國との決定的な違いである。韓国人が靖國になぜ嫌悪感を抱くのか、日本人は冷静に思慮を巡らせてほしい。」と述べております。
他方、ソウル市公式観光情報サイトは国立ソウル顕忠院の紹介ホームページ(http://www.visitseoul.net/jp/article/article.do?_method=view&m=0004003002005&p=03&art_id=38832&lang=jp)において
「朝鮮戦争やベトナム戦争、対スパイ作戦などで戦没した将兵、義勇軍、警察官、軍務員など約54,000人の遺骸が葬られている墓地。」
と言う記載がありますし、
朴正熙大統領夫妻の墓所があることも記載されております。
柳舜夏氏とソウル市のどちらの話が本当なのでしょうか?
まあ、柳舜夏氏の言うことが本当であれば、韓国が靖国批判をするのはA級戦犯云々は関係ないということになりますが、明確にA級戦犯を批判している韓国人の意見をどう解釈すればよいのかが分からなくなります。
また、安倍首相は総理として初めて靖国神社の境内にある鎮霊社に参拝しましたが、鎮霊社には空襲などで犠牲になった一般人も供養されていますが、柳舜夏氏はそのことを知らなかったのか、あるいは境内の施設と本殿とは別と考えているのか(そうであれば、遊就館の展示内容は靖国神社とは無関係と言うことになりますが、現実は問題視している人がいます)、柳舜夏氏の主張はよく分かりません。