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人は利他的行動をしますか?
社会の授業でベンサムとかカントのことを習って思ったんですけど、 人が他人に利他的行動をすると、大げさですが、された人は子孫が残しやすくなって、する人は子孫を残しづらくなりますよね。 だから、生物学?的に利他的行動ってありえないんじゃね?って思ったんですけど どうなんでしょうか? 僕は、人は利己主義であって当然だと思っていて、自尊心とか見栄など社会的欲求(だっけ?)を満たすために勉強したり、礼儀正しく振舞ったりしてるんですけども・・・
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「社会生物学」そして「ゲーム理論」というものを調べてみるといいです。 一昔前まで、ある意味利己的な行動こそが社会を活性化させて人間社会を発展させるという理屈がまかり通っていたことがありますが、どうもそういうわけでもないらしいことが様々な学問で示されるようになってきました。 簡単に言うと、すべての人が利己的に行動すると、結局人類全体としては損をする。だからといって、完全に利他的に行動すると、その人とその遺伝子は生き残れない。人間に限らず、社会というものを形成する多くの動物たちにとって、ほどよく利己的で、ほどよく利他的であることが、その個体にとって最大の利得をもたらすことが、ある程度理論化できるようになってきました。 興味深いのは、全体が利他的な行動をする中で、ごく一部の利己的な振る舞いをする個体(チーター)の存在を示すものがあります。チーターというのは、いってみれば「ずるい」人たちですが、ある一定の割合では存在するのですが、これが大部分を占めるようになるとその種や群れを滅ぼしてしまうと言う存在です。 一定程度の利己的な人は、大多数の利他的な振る舞いの中では存在し得ます。ですが、すべての人が利己的では、人類はおそらく滅びます。ですので、どうも人間にはそういう利己的な人を排除する、「社会性」というものがあり、それゆえに人類はまだ滅びていないようなんですね。 それを知った上で、自分が利己的な側に入るか、利他的な方に入るかは、個人の「モラル」というものですが、利己的であることは人間という生物の社会の中では、一人漁夫の利を得る可能性がある反面、社会から排斥されるリスクと表裏一体なのです。 おすすめは、「働かないアリに意義がある(長谷川 英祐 著・メディアファクトリー新書)」です。
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- sync-mag
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補足でお書きになっているように、このご質問は生物学のカテゴリーのほうが良かったかもしれません。 生物学における「利己的」「利他的」行動に世間の注目を集めるきっかけになったのは、リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』(1976)でしょう。彼の著作自体は先人の成果をまとめて一般向けに書かれた物ですが、いまでも進化生物学について必須の本です。 ご質問に関連する部分は囚人のジレンマを生物学に応用したところです。囚人のジレンマとは、いっしょに逮捕された二人の容疑者に対し、警察が 1)二人とも自白したら両方懲役2年。2)お前が自白して相手が否認したら、相手は懲役10年でお前は釈放。3)反対の場合は逆の結果。4)二人とも否認したら両方懲役5年。との司法取引を持ちかけたら、というものです。 No.2様のリンク先で詳説されているようですが、経済学にも応用されています。客観的に言って最も望ましいのは1)であるはずですが、なかなかこの合理的な判断にはいたらないものです。 生物学の場合、常に相手を信頼する「お人好し」は常に不利益をこうむるのですから、そのような遺伝子を受け継いだものはやがて消滅してしまうはずです。当座に限れば、常に相手を騙す「嘘つき」が勝者になります。しかし、「嘘つき」だけが生き残っていけばやがて子孫はすべて「嘘つき」しかいなくなり、嘘をつくことのメリットが減っていきます。嘘が通用するためには相手が信じてくれなければならないのですから、常に嘘しかない状態では信じるものもいなくなります。上記のジレンマでいえば、常に4)の結果しか得られなくなります。 長期的に見てこのゲームにおける最も有効な戦略は「やられたらやり返す」です。騙す相手に対してはやり返すことにし、騙さないものには何もしないことにします。当然、同じ戦略を持ったものどうしの間では何も起こりません。単なる偶然からでもこの戦略を持ったものが多数をしめたとき、結果的に1)に近い形が実現します。 「お人好し」つまりは利他的な行動を最初からとるものは成功のきっかけをつかめませんが、結果的に「お人好し」がそろった状態に近づくことによって集団は成功することができます。反対に、常に相手を騙す「嘘つき」は短期的には成功しますが、長期的に見れば集団としてはあまり成功しないのです。 お気づきになられたかもしれませんが、このくり返される囚人のゲームにおいてカギを握るのは記憶です。相手に騙されたことを憶えていれば騙すことの成功確率はかなり下がります。ましてや人間のような記憶力をそなえていれば、二度目はかなり怪しくなり、三度目ともなればほぼ不可能です。 反対に、高度な記憶があればこそ、もしも騙さずに相手の利益になるような行動をとれば、逆の立場になったとき相手から同じことを返される可能性が生まれます。相互の利益が保障されるわけですから、利他的な行動様式が確定されていきます。利他的にふるまうことが長期的な利益を生むのなら、利己的な動機から人はこちらを選択するようになるのです。 もっともらしく書いていますが、要は「情けは人のためならず、回り回って己がためなり」です。 いっぽうで、人間のような記憶力を持たない生物でも利他的な行動が見られるのは不思議な気がします。典型的にはミツバチにおける働きバチなどは自分で子孫を残すことなく、女王バチが産んだ子どもを育て守ることに人生(?)を費やします。これこそ究極の利他行動に見えるのですが、当人たちにとっては違うようです。 ミツバチにおいてオスは染色体を一対しか持っていないのに対し、メスは哺乳類などと同じように二対持っています。そして、働きバチはすべてメスです。そのため、ハチは自分で子どもをつっくっても自分と同じ遺伝子を50%しか受け継げないのに対し、自分の母親つまり女王バチに自分の妹を産ませているかぎり75%の遺伝子を受け渡せます。ちょっと混乱しそうな話ですが、落ちついて考えてみればこうなることがわかります。。 自分の子孫を残すことがイコールで自分の遺伝子を残すことに直結する哺乳類では見えにくい話ですが、遺伝子からすればこのほうが合理的なのだとわかります。 後段の例はお尋ねの社会的行動に合致しないでしょうが、「利己的」「利他的」というのはそれほど単調な概念ではないとおわかりいただけましたでしょうか。 哺乳類においては個体の利益がすなわち遺伝子の成功ですから、個体が利他的にふるまうことによって成功するなら、遺伝子は利己的な目的から個体にそのような行動をとるよう求めます。あくまでも結果的にそのような遺伝子が成功するということであって、遺伝子がなにかを考えているわけではありませんが。 ついでに、人間の場合は生物学的な遺伝子のみならず、文化的な「遺伝子」もあります。ドーキンスはこれを「ミーム」と名づけました。たとえばだれかのために自分の命を捨てる行動をとったとして、それが名声とか想い出という形で自分の名前を残せるなら、こういう行動をとることもあるのです。大脳皮質の発達した人間ならではの不可思議な行動です。 結論です。単なる世間体から他人に優しくふるまうのだとしても、相互にこれを行なうことは集団の利益になり、利他的な行動は定着していきます。逆に利己的な行動に終始する者は短期的には成功しますが、長い目で見れば損をします。利己的な動機から利他的に行動することは実に合理的なのです。
お礼
わざわざこんなに書いてもらってありがとうございます。(皮肉じゃないです) 働かないアリの本を読んだ後なので大分理解できました。
- hallo-2007
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>生物学?的に利他的行動ってありえないんじゃね? 生物学的に、人類を考えること自体がナンセンスです。 人間も生き物なので、ほかの動物と本音は同じだろうなどとは思いません。 人間は、すでに言葉を話、文字を読み、テレビや新聞などで新しい情報を得て それを頭で処理したり、スポーツや映画など娯楽も楽しむことができる生き物です。 魚が子育てするとの同じレベルまでレベルを下げて考える必要性すらないです。 >僕は、人は利己主義であって当然だと思っていて 人類がサルの時代は、利己的が要素が多く、そのほかの利他的部分が少なかったと思いますが 長い歴史の上で、人類は成長し続けてきて利己的以外の能力を増やし、高めてきて今の社会ができました。 >自尊心とか見栄など社会的欲求(だっけ?)を満たすために勉強したり、礼儀正しく振舞ったりしてるんですけども・・・ 喩ですが 礼儀正しくしなさい と注意します。 1、礼儀正しくしないと、あなたが恥をかいて、結局、あなたが損をしますよ と教える。 2、礼儀正しくしないと、相手に不快感を与えるでしょう。自分もいやでしょう。 と教える。 将来、自分の子供にどうやって「礼儀とは何か」を教えますか?
お礼
ありがとうございました!
- gokakukei
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飢饉時の文献などには 愛情の深いものから先に死んでいく などというものがありますね。 一方で、考古学調査によって食料が激減するなかで仲間を増やし遠く離れた集団などとも資源を交換し合うようになったことで、赤の他人とも協力し合うことで危機を乗り切っていたという調査結果もあります。 また数種の人類の中で唯一生き残ったかたちとなっている現在の人類は、仲間を作りネットワークを作りものを分け与える分配の仕組みを持っていたことが生存にとって大きな優位性を持つことになったとも言われています。 どのレベルでどう理解するのかというのもあるでしょう。進化論などの影響から生物の進化は優秀な種だけが生き残ると強く信じられてきましたが、現在はこのことには大きく訂正と見直しが成されていますし。進化論の理屈で行くと孔雀なんて存在できませんしね。 まぁ何にしても人間は他の生物と比べればものを分け与えるという不思議な能力を持った動物であるとも言えるでしょうか。
お礼
ありがとうございました!
- Obuchininja
- ベストアンサー率29% (34/115)
話の内容が少し説教っぽくなってしまいますが、これが私の考えです。私は現在53歳ですが、確かに若いころは有名になったり、大金持ちになりたいという気持ちも持っていました。しかし自分が有名になったり、大金持ちになったりするためには、自分で意識するかどうかにかかわらず、利己的になってしまうのは仕方がないことです。でもよく考えてみると、お金や名前を持って死ぬことはできませんが、自分の死後にご家族や、ご家族以外人々から、本当に惜しい人をなくしてしまったとかあの人とお知合いになれて良かったとか感じるのは利他的な人に対してだと思います。世界一のお金持ちや、例え、県で一番の金持ちになることは殆どできないぐらい難しいことだと思いますが、世界一いい人になることは誰にでもできることです。 人は、自分の意思とは関係なく生まれてきて、自分の意思に従って生きるものです。もちろん成功することもあるし、失敗することもあります。しかし究極的には死んでしまいます。その時期が早いか遅いかも自分では決めることはできないかもしれませんが、利他的な行動を心がけるようにして、いつ死んでもよいように準備をしておくことはできます。何だが偉そうに知ったかぶりをしているように聞こえてしまうかもしれませんが、私は「特定疾患」の診断を受けています。この病は遺伝性のもので、私の父は59歳、そして父の二人の兄はどちらも62歳で他界しています。そしてそればかりではなく、父の末期から私自身も2~3年後にはきちんと話したり、文章を書いたりはできなくなってしまうと思います。私には時間が後どのぐらい残されているかわたっていますが、皆さんは自分に残された時間がどのぐらいあるかしらないでしょう?私が何を言いたいか分かってくだ歳とは言いませんが、今は分からなくても分かる時期がくると思います。
お礼
僕にはまだ難しいかも…あんまりよくわからないです。 ありがとうございました。
- hekiyu
- ベストアンサー率32% (7193/21843)
人間の脳は、理性を司る大脳新皮質という部分と 感情や本能を司る大脳旧皮質という部分とから 構成されています。 大脳旧皮質は動物にもみられますが、大脳新皮質は 人間だけの特徴です。 利他的行為は大脳旧皮質からは、損な行動ですが 人間はそれを大脳新皮質で修正して、そのような 行動をとる訳です。 どうしてそのような行動をとるのか、といえば それは教育や習慣や何かでしょう。 どうしてそういう教育や習慣や何かがなされるのか といえば、人間は社会的動物だからです。 人間は、社会に産まれ育たないと、人間になれません。 極端な場合、二足歩行すらままなりません。 人間と社会は密接不可分の関係にあります。 その社会を維持するためには、ある程度の利他的行動 が必要な訳です。 つまり、社会的動物である人間にとっては、利他的行動は 自分の利益にもなるのです。
お礼
ありがとうございました!
- kfer_oope
- ベストアンサー率12% (39/314)
行動一つとっても、利他と利己を完全に分けられるわけではない。 利他的行動にも利己の要素があり、その逆も同様です。まあ、今の民主党を見ていると 利他でも利己でもない行動になるんですが、これは除外しておきましょう。 これが高次元のしっかりした行動だと、利他と利己は同一のベクトルになると 聞いたことがあります。他者を利する事でその「利」が還元されることもあります。 自分を利する事で、周囲の者へ「利」を還元することもある。 言葉としての定義はあるが、利他とはそんなに特別なモノではないと思う。
お礼
マザーテレサとかがそれですかね? ありがとうございました
- takochann2
- ベストアンサー率36% (2426/6695)
複雑に関連していてかつ相対的なものではないでしょうか。 あなたの考えているように、他人を助けて自己満足が得られるのが人間で、自己の満足>人助けの手間、であっても助けられたほうからみれば利他的な行為と思われる。(OKwaveの成立条件) また、利己的な言動が過ぎればこの複雑な社会は成り立たないし、そういう人は処罰されます。(つまるところはカントということか) あるいは、自己の遺伝子を残すことを利己的というならば、これも遺伝子の相同性の強さに伴う相対的な観念だと思います。不適切なたとえですが、宇宙人よりは中国人、中国人よりは野田首相、野田首相よりは自分の親族といったところでしょうか。 「利他的」の定義によると思いますが、あなたの言われる通り、悲しいですが純粋な「利他的」行為というのはないかもしれませんね。
お礼
ありがとうございました!
- blackhill
- ベストアンサー率35% (585/1658)
経済学の新しく発展している分野に「行動経済学」があります。利他的行動と経済学をキーに検索すると、ご質問にかかわりのある文献がたくさんヒットするでしょう。 とりあえず、初心者にも分かりやすい文献をひとつご紹介します。生物学でも、利己的活動だけでは種が滅びるという結論が有力なようです。 http://books.google.co.jp/books?id=AVpISJTHlnAC&pg=PA161&lpg=PA161&dq=%E5%88%A9%E4%BB%96%E7%9A%84%E8%A1%8C%E5%8B%95+%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6&source=bl&ots=NnSSoGoN2D&sig=3WYR1u0bPq2YaIjo0e2HkGBMa_0&hl=ja&sa=X&ei=LF6BUOGELO6iigeUn4DAAg&ved=0CE0Q6AEwBw#v=onepage&q=%E5%88%A9%E4%BB%96%E7%9A%84%E8%A1%8C%E5%8B%95%20%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6&f=false
お礼
ありがとうございました!
- marbleshit
- ベストアンサー率49% (5033/10253)
>生物学?的に利他的行動ってありえないんじゃね? では訊くが、貴兄は誰に産み育てられて来たと?
補足
もちろん母親です。 http://oshiete.goo.ne.jp/qa/7738668.html 本能で動く猿や、感情のない魚でも子育てってするじゃないですか? 子を育てる(=子孫を残すこと)って生物の本能なんじゃないですかね?僕もあんまり知らないんですけど あとウィキペディアで母性と調べたら オキシトシン 乳児が乳首を吸う刺激によって母親から分泌されるオキシトシンというホルモンは、母親自身に幸福感や恍惚感を与えるため、愛情ホルモンとも呼ばれている。 っていうのがありました。 カテゴリー生物学のほうが適切だったかもしれない・・・
お礼
すみません修学旅行行ってました。 回答がいっぱい来ていたのでびっくりしました。回答書いてくださった皆さんホントにありがとうございます。 旅行中に働かないアリの本読んだら大分疑問が解消されました。 なんか生き物ってむなしいな…って思いました。