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父性推定の重複と女性の再婚禁止期間
- 裁判所は、女性にのみ6ヶ月の再婚禁止期間が設けられていること(民法733条)を合憲とした。
- 父性の推定が重複するというのは、現行民法を前提とするもので、憲法の解釈に当たって特定の下位法規の規定を前提に合理性を判断してしまってよいのか疑問。
- 父性の推定は重複してもよいという意見もあり、父性の推定は父親不在を少なくし、扶養義務者を増やすため子供にとって利益だという。
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疑問1 司法消極主義、合憲性推定の理論に基づいたものだと 思われます。 すなわち。 国民主権を採る以上、立法府の判断は最大限尊重すべきです。 一方で、裁判所は民主的基盤が弱い機関です。 特別な理由がない限り、既存の法律が合憲であるとして 扱うことは合理的理由があると思われます。 疑問2 質問者さんの考え方は、子供の立場のみから判断していると 思います。 子供の他に、母親、父親の利益も考えるべきです。 この場合は、特に父親の利益が重要でしょう。 自分の子でもないのに、面倒をみさせられたのではたまりません。 場合によっては他人の子を、生涯面倒をみることにも なり得ます。 父を定める訴えによればよい、といいますが、そういう トラブルを未然に防ぐ方が優れていると思います。
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- dentalkouji
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今回の判例はまだ見ていませんが、最裁平7.12.5の判例を踏まえて投稿します。 疑問1 >最高法規である憲法の解釈に当たって、特定の下位法規の規定を前提に合理性を判断してしまってよいのでしょうか? 少なくとも、最裁平7.12.5ではそのような判断はしていません。 「合理的な根拠に基づいて各人の法的取扱いに区別を設けることは憲法14条1項に違反するものではなく、民法733条の元来の立法趣旨が、父性の推定の重複を回避し、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあると解される以上、国会が民法733条を改廃しないことが直ちに前示の例外的な場合に当たると解する余地のないことが明らかである。」 と判示されています。 つまり、そもそも司法権には限界があるり、法律を制定する等に際しては、その内容としてどのような政策目的を掲げ、実現するための手段としてどのようなものを採用すべきかは、国民の代表機関である立法府の広い判断に委ねられるべきであって、著しく合理性を欠き、明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるを得ないような場合を除き、裁判所は審査判断をするのは適しないとされています。 そして、民法733条の立法趣旨は、著しく合理性を欠き、明らかに裁量の逸脱・乱用と見ざるを得ないような例外には当たらないので、違憲ではないとされています。 疑問2 >父性の推定は重複してよいのではないかということです。 司法府が違憲と判断するまではいかないとしても、医学が進歩しDNA鑑定などが発達した等の現在においては、より合理的な方法は勿論存在すると思います。元々733条は学説からの批判は強く、待婚期間を100日にさえすれば、立法趣旨を損なわない形で、重複期間はなくなるし、少なくとも第2項の適用除外はより拡張解釈すべきなどといわれています。 お書きになった方法も一つの手段だとは思いますが、その説に対し、いくつか私なりに批判してみます。 >父性の推定は、父親不在を少なくし、扶養義務者を増やすものですから、子供にとって利益です。 批判1 父性の推定について、利害関係者と言えるのは、子だけでなく父、(それに母もかもしれない)の少なくとも2者であり、その2者乃至は3者について利益を考慮する必要があるだろう 批判2 子供にとって利益にしかならないといっているが、親子関係があれば負の相続や、親が高齢になった場合は子が扶養することになるなど、不利益もある 批判3 父が2人いるという状態が、現在の日本の倫理観・親子観などに適しているかどうかは、甚だ疑問 批判4 父を定める訴えは、時間がかかる。(父を定める訴えの平均審理期間は調べられませんでしたが、平成23年のた人事訴訟事件のそれは10.8ヶ月)そんな簡単にすればいい、というものでもないだろう