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特別受益者と遺言、遺留分減殺について
特別受益者に対して遺言で「預貯金を相続させる」と記されていた場合、 1.その者が既に法定相続分は無いとしても、遺言通り金銭を渡す必要があるのでしょうか? 2.その際に遺留分減殺請求をするとして、遺留分算定の基準となる金額に、過去の特別受益の額を含めて計算することはできるのでしょうか。(仮にそうであるとすると、相続させる分は無くなり、むしろマイナスになる場合はどうなりますか。) 以上よろしくお願いします。
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質問1について 被相続人から生計の資本として贈与を受けるなどした特別受益者に対して、遺言で「預貯金を相続させる」内容が記されていた場合、原則として有効であり、遺言の通りに特別受益者は預貯金を取得することになります。 質問2について もっともその際、他の相続人の遺留分権を侵害する場合は、他の相続人が遺留分減殺請求をすることにより、その限度で特別受益者の相続する割合は減少することになります。そして遺留分算定の基礎として、特別受益の額も含めて計算することになります(民法1044条、903条)。よって、例えば特別受益として贈与を受けた額が遺留分を侵害している場合には、特別受益者はその限度で返還する必要があります。 なお、特別受益者は下記の民法903条に規定されている者であり、特別受益者証明書を提出したものだけをいうのではない。 民法 (特別受益者の相続分) 第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。 2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。 3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。 (遺留分の算定) 第千二十九条 遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して、これを算定する。 2 条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。 (代襲相続及び相続分の規定の準用) 第千四十四条 (略)第九百三条(略)の規定は、遺留分について準用する。
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- chie65536(@chie65535)
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>特別受益者に対して遺言で「預貯金を相続させる」と記されていた場合、 えと、事前に確認しますが「特別縁故者」ではなくて「特別受益者」ですよね? 特別縁故者:法廷相続人ではないが、被相続人の生前、被相続人とあたかも相続人であったかのように緊密な関係があった人。 特別受益者:法定相続人で相続権があるが、被相続人の生前、被相続人からの多額の贈与を受け、相続財産は要らないと表明し、特別受益者証明書を作成した人。 >1.その者が既に法定相続分は無いとしても、遺言通り金銭を渡す必要があるのでしょうか? 特別受益者は、特別受益者証明書により「相続財産は要らない」と表明しているので、遺産を渡す必要は無い。但し、遺された故人の負債は相続可能なので、他の相続人が「お前も借金を負担しろ」と請求する事が出来る。 >2.その際に遺留分減殺請求をするとして、遺留分算定の基準となる金額に、過去の特別受益の額を含めて計算することはできるのでしょうか。(仮にそうであるとすると、相続させる分は無くなり、むしろマイナスになる場合はどうなりますか。) 過去の受益は過去の物。相続財産とは別で、何の関係もない(但し、税法上では、生前贈与を遺産に含めて相続税を算定する事もある。これは税法上の問題なので、遺産相続とは無関係。生前がどうであったにせよ、「相続財産」は、あくまでも「被相続人が遺したモノだけ」になる) で、遺留分減殺請求をするのは誰ですか? 特別受益者は、特別受益者証明書により「遺産は要らない」って言っているんだから、遺留分減殺請求をする訳はない。 残った他の法定相続人は、遺言を無視するしか方法は無く、遺産分割協議で「全員が納得するように配分すれば良い」ので、遺留分減殺請求をする者が出る筈が無い。 なので、2.の質問は「質問そのものが成立しない」です。
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早速のご回答ありがとうございました。 難しい問題が山積ですが、淡々と解決していきます。 ありがとうございました。
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早速のご回答ありがとうございました。 疑問点がすっきり致しました。 ありがとうございました。