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他人物賃貸借
BがA所有の不動産を自己のものと誤信してCに賃貸したとケースで、賃料は善意占有者の果実としてBに対する不当利得の対象にはならないとして、Cに対する不当利得もCがBに対して賃料を払っていたことから出来ないというの分かります。 しかしCがBのものでないことにつき悪意の時には、不法行為による損害賠償の対象となるようですが、この結論ですとCがBに対して賃料を支払っているのにもかかわらずに損害賠償も負い酷にも思えるのですが、いかしかたないのでしょうか?
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いつもながら,面白い論点を提供してもらっています。 No.1 の回答は,多分質問の趣旨を取り違えているように思いますので,ちょっと違う視点からの話になります。 確かに,他人物賃借人Cが悪意の場合には,所有者Aは,Cに対して不法行為(不法占有)を原因とする損害賠償請求権を有し,賃貸人Bは,賃貸借契約に基づく賃料支払請求権を有することとなり,その双方の請求権は,別個の原因によって生じていますので,いずれも有効に成立しています。 ですから,Cは,その双方の債務を負うこととなり,その両方を支払わなければならないという結論になります。この結果を,直接に否定できる法律の規定は,私には見当たりませんし,そういった判例があることも知りません。 ただ,これを損害論の観点から考えると,賃借人Cは,所有者Aとの関係では,土地の使用利益相当の利益を得ていますので,その分の損害を賠償すれば,Aとの関係での損得はなくなります。他方,賃貸人Bとの関係では,賃料相当の使用利益を得ていますので,賃料を支払えば,Bとの関係での損得はなくなることになります。そして,Cを基準としてみる限り,この両者の利益は共通のものであり,併せて一個の利益ということになります。Aとの関係での利益と,Bとの関係での利益が,両方別個に存在している(所有者に対する関係での不法占有の利益と,賃貸人に対する賃貸借契約によって受ける利益が別々で2倍になる)などといえないことは明らかです。 そうすると,Cの立場からすると,何らかの理屈を付けて,A,Bいずれからかの請求を拒むことができるようにすることが,当事者の衡平にかなうということになりそうです。 そこで,どのような理屈を付けて,どのような結論を得るかは,それぞれ考え方次第と言うことになりそうですが,私が,今思いつきで考えたことからすると, 所有者Aは,自らの土地の使用利益を現実に侵害されている。 善意占有者・賃貸人Bは,善意占有者である以上,果実収取権があるとはいえ,究極的には本権がないのだから,その果実収取権は,法律上特に与えられたものであり,本権のある者の果実収取権と,本権のない者の果実収取権とでは,本権のある者の果実収取権が,衡平上(?),民法のあり方として当然に(?),優先すべきである。 よって,悪意占有者・賃借人Cは,少なくとも,所有者Aから損害賠償の請求を受けている限りは,そのことを,賃料を支払わないことの抗弁事由として賃貸人Bに対して主張できる,と考えるべきではないかと思います。 この点に関しても,逆に,所有者Aは,善意占有者Bとの関係ではそもそも賃料相当損害金を取得できないのだから,たまたま悪意占有者Cが現れたからといって,直ちにCから損害賠償をとれるのではなく,損害賠償をとれるのは,Cに土地の使用利益が残存している場合だけであるという考え方,すなわち,Cは,Bに賃料を支払っていること,あるいは,賃料を支払わなければならないことを,Aからの損害賠償請求を拒絶する抗弁事由として主張できるとの解釈も可能だと思われます。 ただ,これでは,目の前の問題は解決しますが,解決しない問題も残りそうです。 例えば,Aから,過去の占有に関する損害賠償請求を受けたときに,既に賃料をBに支払っていることを抗弁として主張できるか,という問題もあります。これは,前記の後者の説では答えが明らかですが,前者の説では,また別の理屈を考えなければならないことになります。 そんなわけで,この点は,これといった確立した理論のない世界のようですので,自由に考え,以下に説得力のある理由付けをするか,を検討されればよいのではないかと思います。
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- dentalkouji
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先ほど回答したものですが、一部修正です。 >×CがBのものでないことにつき悪意の時には、不法行為による損害賠償の対象となる ○CがBのものでないことにつき、故意過失があるときは、不法行為による損害賠償請求の対象となりうる とありますが、 「Aの権利侵害につき、Cに故意過失があるときは、不法行為による損害賠償請求の対象となる」 または、 「CがBのものでないことにつき悪意の時には、不法行為による損害賠償の対象となりうる」 と修正します。
- dentalkouji
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>CがBに対して賃料を支払っているのにもかかわらずに損害賠償も負い酷にも思える CはBに対して賃料を支払って、その期間賃借人として利用していたのであって、その分については損得はない。突然に賃貸借契約ができなくなったことで損害が発生したとするならば、その損害はBとCとの問題であって、Aには無関係。 失礼だが、自分がどれくらい誤った文章をお書きになっているか、質問する場合には一度読み直した方がよいのではないかと思います。 >BがA所有の不動産を自己のものと誤信してCに賃貸したとケースで、賃料は善意占有者の果実としてBに対する不当利得の対象にはならないとして、Cに対する不当利得もCがBに対して賃料を払っていたことから出来ないというの分かります。 ×不当利得の対象にはならない ○不当利得返還請求権の対象にはならない ×Bに対する/Cに対する ○AのBに対する/AのCに対する ×不当利得も・・・出来ない ○不当利得返還請求権も・・・認められない >しかしCがBのものでないことにつき悪意の時には、不法行為による損害賠償の対象となるようですが、この結論ですとCがBに対して賃料を支払っているのにもかかわらずに損害賠償も負い酷にも思えるのですが、いかしかたないのでしょうか? ×CがBのものでないことにつき悪意の時には、不法行為による損害賠償の対象となる ○CがBのものでないことにつき、故意過失があるときは、不法行為による損害賠償請求の対象となりうる ×損害賠償も負い ○損害賠償責任も負い
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回答ありがとうございます。 ご指摘ありがとうございまうす。 雰囲気で文章を書いてしまうのは私の悪い癖です。
お礼
お久しぶりです。 いつも適切な回答ありがとうございます。 >Cは,その双方の債務を負うこととなり,その両方を支払わなければならないという結論になります。 やはり、これが妥当な結論なのかもしれませんね。 また、これを解消すべき法律構成についてもとても参考になりました。 私は、Cの賃料の二重払いということで酷と考えてしまいましたが、一つは使用収益の対価であり、今一つは 損害賠償であり、損害に対して因果関係がありそれについて帰責性があれば致し方がないのかもしれません。 しかし、仰るように損害論(損害の公平な分担)の観点からは、Aとの関係ではAについても不動産管理上の 責任が全くないと言えずに、過失相殺により減額を、Bとの関係では、善意であっても過失があるのであれば Cとの不真正共同不法行為によって損害の一部負担を課せるのでなないかと考え初めております。