- ベストアンサー
賃借物の後発的一部不能の影響と賃借人の責任について
- 賃借物の後発的一部不能において、賃借人に帰責事由がある場合でも、賃料債務には影響しないとされています。
- 賃借人の滅失による損害については、賃借人が賠償責任を負うことになります。
- 賃貸人は滅失した部分の賃料を徴収している場合、不当利得が生じるため、返還義務を負います。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
>上記のような説明は、私の曲解又は記憶違いでしょうか? そんなことはありません。しかし、一部滅失の場合も全部滅失の場合とパラレルに考えるのであれば、賃貸借契約のうち、一部滅失部分した部分の契約は当然に終了(一部終了)し、よって、その部分の賃料債権についても当然に消滅すると言う結論になるのが自然です。そうでなければ、a1bさんが言うように、一旦、借主は貸主に賃料の全部を支払い、一方、貸主は賃料の一部を不当利得として借主に返還するという迂遠な方法をとらざるを得ません。 しかし、賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときですら、借主が賃料減額請求をしない限り、賃料債務全部の履行が免れないのに、賃借人の過失によって一部滅失した場合は、当然に賃料債務の一部を逃れるというのはバランスがおかしいと思いませんか。仮に賃料減額請求をしなければ当然に消滅しないというのであれば、民法第611条第1項の「過失によらないで」という文言の存在意義は何なのでしょうか。
その他の回答 (2)
- buttonhole
- ベストアンサー率71% (1601/2230)
>賃借人の責任により全部滅失した場合には、債権者主義により、賃借人の賃料支払義務は残る。 なぜですか。賃貸借契約は終了するのですよね。賃貸借契約が終了する以上、以後の賃料債権も発生しません。
補足
回答有難うございます。 賃借人の責任により全部滅失の場合には、危険負担の債権者主義により賃料 債務だけは、残ってしまいます。 しかし、使用収益が不可能な場合に、賃料債務だけを残しても不合理である として、賃貸借契約は終了するとという結論になります。 私の記憶では、「賃料債務だけを残しても不合理である」というのは、次の ように説明されると聞いております。 賃料債務だけが残ると、賃借人は賃料を支払うわけですが、しかし賃借人は 使用収益できませんので、賃貸人と賃借人の間に不当利得の関係が生じてし まいます。 そうしますと、賃借人は賃料を支払い、賃貸人は不当利得分を返還すること を繰返さなくてはならないので無意味だというものです。 上記のような説明は、私の曲解又は記憶違いでしょうか?
- buttonhole
- ベストアンサー率71% (1601/2230)
>債権者主義により一部滅失部分についての賃料支払義務も消滅しないことから、賃借人の賃料債務には影響がない。 のですから、 >また、賃貸人は滅失した部分についてまでの賃料を徴収していることから不当利得があり、返還義務を負う。 「法律上の原因」はありますよね。
補足
いつも、懇切丁寧かつ論理明快な回答を有難うございます。 不当利得の「法律上の原因がなく」とは、形式的に法律上の原因がない ことは、当然として、形式的には法律上の原因がある場合であっても、 実質的にみて法律上の原因がないとされる場合があると聞いております。 確かに、債権者主義から、賃料債務に影響がないわけですから、形式的に は法律上の原因があるといえますが、しかし、これを認めたのでは、結果 として不公平なことになってしまいますので、不当利得によって調整され るのだと思います。 今回、用いました論理自体は、賃借人の責任により全部履行不能の場合に は、契約が終了するという論理を借用したものです。 賃借人の責任により全部滅失した場合には、債権者主義により、賃借人の 賃料支払義務は残る。 そこで、賃借人は賃料を支払うが、賃借物を使用できないために、賃貸人 に不当利得返還請求権(賃料相当額)を有することになる。 しかし、このような回りくどいを行うのは意味がないので、契約を終了 させて、後は損害賠償が残るのみとする ということだったと思います。 これを一部滅失の場合にあてはめますと全部滅失の場合と違って契約を続 ける意味はありますので、契約は継続される。債権者主義により賃料債務 は従前どおり存続するが、滅失部分の賃料相当額については貸主の不当利 得として返還請求できる。 結果としては、賃借人は滅失部分の賃料相当額を控除した部分の賃料を支 払えばよく、後は、賃借人の滅失による損害賠償義務が残る。 ということになります。 上記は、それぞれの条文を辻褄なく説明し、また妥当な結論と言えないで しょうか?
お礼
いつも、懇切丁寧かつ論理明快な回答有難うございます。 そこなんですね。 611条1項は、請求しないと減額されない点で、536条1項の 賃貸借における特則ということが出来ると思います。 しかし請求しないと減額されないということについての合理性には 疑問があるようです。 例えば、修繕義務の不履行があった場合の賃料減額について、61 1条を類推して請求によって減額されると考えられるとする一方で、 その合理性に疑問があることから当然に減額されると考えるみたい です。 「611条1項」ということで、新たに質問を投稿させていただく ことを考えております。 その説は、ご都合がよろしければ、今回の質問へのご回答も含めて、 ご回答をお願いいたします。