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取消による損害賠償

取消による損害賠償は不当利得(704条)によって取消原因につき相 手方が悪意の場合に可能であるとのことですが、 この損害賠償は債務不履行による損害賠償と比して賠償の範囲(相当 因果関係・履行利益か信頼利益)等は異なるのでしょうか?

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  • amyura
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回答No.4

さらに補足致します。 結論的には,どの構成をとっても構わないということになります。 まず,詐欺取消をしたことにより,もともとの契約関係は初めから無効であったものとみなされますから(民法121条),相手方は法律上の原因なしにパソコンを利得していることになります。しかも悪意の受益者ですから,704条の適用される事案だということになります。 また見方を変えれば,契約が無効になったことにより,相手方に移転していた所有権がこちらへ戻ってくるわけですから,こちら側から相手方に対しては,物権的返還請求権を行使することもできます。 目的物の取り戻しについては,どちらの構成を用いても構いません。 したがって,損害賠償についても,704条でも191条でも,どちらを媒介にしても構わないわけですが,191条は「占有者の責に帰すべき事由によって滅失し,又は損傷したとき」についての滅失損傷分についての賠償を定めるものですから,契約締結費用は射程外ということになるでしょう。 同じ給付を求めているのに,異なった法律構成が可能だということは,よくあることです。いずれ民事訴訟法を勉強されれば,あのときのあれはこういうことだったんだ,と理解できるようになると思います。

a1b
質問者

補足

私の飲み込みの悪さにもめげずにお付き合いいただきまして有難うございます。 しかも、そのいずれもが論旨明瞭でありまして、既に20点ポイントの問題解決となるべき回答で あると思われますが、私の民法音痴のためにここまで引きずってしまい誠に恐縮しております。 お陰様で整理することが出来ました。 最後に確認なのですが、物権的返還請求権でパソコンを取り戻した上で、契約締結費用については 191条では射程外ということで、これについては不法行為責任によって追及することになるので すね?

その他の回答 (4)

  • amyura
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回答No.5

補足します。 191条で射程外になっても、ご指摘のとおり、不法行為に基づく損害賠償請求をする余地は残るということになります。 これからも頑張って勉強を進めていってくださいね。

a1b
質問者

お礼

今後ともご指導のほどお願いいたします。

  • amyura
  • ベストアンサー率71% (27/38)
回答No.3

補足致します。 190条と191条とでは,背景にある法理が異なっていると理解すべきじゃないか,ということをこれまで回答させて頂きました。整理としては,190条は不当利得法理,191条は損害賠償法理を背景において定められていると理解することになるでしょう。これらそれぞれは,背景法理を共通にしていますから,根本的な違いはないということになり,実質的にみれば背景法理を直接に適用する場合と,これらの特別の定めを用いる場合とで,大きな違いはないと思います。しかし,特別法的な定めがある以上,190条や191条が適用される場面では,これを無視して背景法理を適用するということは,普通の方法ではないということになります。 これに対して,190条と損害賠償,191条と不当利得などと,相互に概念を異にする法理の異同を検討することは,理論的には不思議なことを考えているということになると思います。

a1b
質問者

補足

理路整然と忍耐強く回答をいただきまいして有難うございます。 なにか分けの分からないことになってしまっていて頭の中を少し整理する必要があるようです。 元々の疑問の出発点に戻って考えてみたいと思います。 取消(詐欺)の場合には解除の545条に当たる条文がないため、原状回復や損害賠償等を行う ためには、「不当利得による解決」か「物権的返還請求権及び190条、191条」により解決 することになるのかと思いました。 事案としましては、   A  ->  B  と パソコンの売買契約を行いましたが、AはBに騙されて安い値段   でBにパソコンを引き渡しましたが、騙されたことに気づいて詐欺取消を行いました。 詐欺取消後の処理ですが、相手方に引き渡したパソコンは不当利得による返還請求(704条)に より返還をうけるとしまして、 契約締結に要した費用の損害については、不法行為責任に基づく損害賠償によって行うのでしょう か? 或いは704条後段によって損害賠償を受け得るのでしょうか? これを、もし物権的返還請求権に基づいて行うとしますと、相手方に引き渡したパソコンは物権的 返還請求権により返還を受けるとしまして、 契約締結に要した費用の損害については、不法行為責任に基づく損害賠償によって行うのでしょう か? 或いは191条によって損害賠償を受ける得る余地はあるのでしょうか? 以上宜しくお願いいたします。

  • amyura
  • ベストアンサー率71% (27/38)
回答No.2

ここで問題となっているのは,当事者間で移転した利得それ自体を回復させた後に,損失者の側になおそれではまかないきれない損害があった場合にどうするのか,ということかと思います。引用しておられる条文のうち,191条がこの問題に対応するものです。 この問題は,給付利得であると侵害利得であるとを問わずに生じてきます。まずは不当利得が「返還」といわれ,損害「賠償」と区別されていることの意味を整理されると良いのではないでしょうか。

a1b
質問者

補足

回答有難うございます。 各制度間の関係で悩んでおります。                                   善意占有者           悪意占有者             物権的返還請求権    果実を取得する(189)        すべて返還する(190)、損害賠償(191)                                            不当利得請求権     現存利益の返還(703)       受けた利益・利息の返還、損害賠償(704)                                         上記のように整理した場合に、悪意占有者につては、物権的請求権の行使及びその後の付随的利害関係の調整によっても、  不当利得請求権の行使によっても、その返還及び損害賠償の内容は変わらないのでしょうか?                                          また悪意占有者に不法行為に基づく損害賠償(709)を請求した場合にも、実質的な効果は 変わらないでしょうか?

  • amyura
  • ベストアンサー率71% (27/38)
回答No.1

民法704条後段にいう損害賠償については,不法行為(民法709条)にいう損害賠償と同等のものとして論ぜられています(但し,これが不法行為責任そのものかどうかは,学説上の一致を見ていません)。 損害賠償は,債務不履行による場合と不法行為による場合とで,概念的には少しその範囲が異なってきますが,悪意の受益者に対してする場合とは,さほど大きな違いはないと思います。

a1b
質問者

補足

回答有難うございます。 704条による損害賠償の場合に、189条、190条、191条、196条との整合性が問題になるのは侵害利得の場合といっていいのでしょうか?

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