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深海の生物は何故、動きがスローモーなのですか?
質問1 テレビで見ると深海の生物は動きが大変スローモーです。 深海なので、水圧が高いのは理解出来ますが、海水の単位体積あたりの質量は海面と同じなので、深海の方が海水の抵抗が大きいということは無いと思いますが? 質問2 深海の海底は栄養分が少ないのでは陸上の砂漠に例えられますが納得できません。 全ての海洋生物の死骸は海底に落ちてきます。死骸を食べる蟹などの生物の排泄物や死骸なども海底に溜まります。従って深海の海底は有機物が何百メートルも堆積するはずだと思いますが、そうならないのは何故ですか?
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回答の順序が逆になりますがご容赦を まず、有機物の生成は表層部の植物性プランクトンや浅い海底に定着する海草類によって行われています そこから、お馴染みの食物連鎖が始まるわけですが、これは表層部~中層程度でほぼ完結してしまいます まず、魚やその他の海生生物の屍骸は深海域に達する前に、他の生物の餌として消費されてしまいます すぐに食い尽くされない位の大きな生物であれば、沈んでいく途中で腐敗性のガスが内部に発生して浮力を生じ、再度浮き上がります そうなれば、やはり魚の餌です また、魚やその他の排泄物もかなりのい率でプランクトンや微生物の餌となります カニや貝類、ヒトデなどの底生生物については、そもそも生活域が比較的浅い海底ですので、その死骸が深海域まで落ちていくことは希で、通常は浅い海底に埋没してしまいます こうした有機物の循環の中で、栄養価としてはほぼ利用し尽くされた残渣が、細かい粒子となって、ゆっくりと深海域まで落ちてゆきます これが俗に「マリン・スノー」と呼ばれるものです もちろん有機物も多く含まれていますが、栄養価的には極小レベルです 深海域では、これがかなりの量堆積している場所もあるようです (これが、石油や天然ガス、メタンハイトレードの主原料となっているのではないか、とする研究者もあるようですね) 高い運動機能を持つ生物(大きな栄養を必要とする生物)にとっては、ほとんど利用する価値がないマリンスノーですが、もちろん有機物を含んでおり、少ない栄養でも生存可能な生物にとっては餌となりえます しかし栄養価が少ないということは、生息できる生物数も少ないという事になりがちです 生物数が少ない、捕食者にとっては餌が少ないということです 深海域の生物は、まず光が届かないため、視力による餌や外敵の察知は不可能(その為、目が退化している種が多い)、さらに高い運動性を発揮するに足る高栄養価の餌が少ないため、省エネ運転に特化した生態となっているだと考えられています
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- mstk2
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食物連鎖が中層部までで完結することも真実でしょう。さらに言うなら、海洋のバイオマスのほとんどは陸塊の縁辺に偏在してます。 つまり、よく言う「豊かな海」なるものは、じつは陸から数十キロまでの大陸棚に偏在しており、外洋には存在しない。なぜなら、海洋生物の繁殖には、陸からの栄養供給が必要だからで、これは小魚がパクリとやるような陸上起源の植物片に限らず、珪藻が殻生成に使うシリカや、石灰質プランクトン殻を構成する炭酸カルシウムでも同じです。 そういった広義の栄養分が、陸から遠い外洋には供給されにくいので、外洋(というか遠洋)に魚はあまりいない。つまり深海底が砂漠という以前に、その頭上に広がる広大な外洋表層がすでに砂漠なのです。 よって深海の海底に栄養は少なくなり、そこに棲む深海生物の動きがスローモーにならざるを得ないのは理解できます。
お礼
回答有難うございます。 >つまり、よく言う「豊かな海」なるものは、じつは陸から数十キロまでの大陸棚に偏在しており、外洋には存在しない。なぜなら、海洋生物の繁殖には、陸からの栄養供給が必要だからで、・・ 川から流れ込む栄養素で豊かな海が出来るということですね。
- fujic-1990
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Q1: 物理は苦手な学問だったので、まったくの素人考えですが、深海を移動するということは、それまでそこにあったそれなりの量の海水を押しのけるということですよね。 押しのけて移動させる海水量は浅海と同じでも、深海の海水のほうがずっと大きな圧力を受けているので、移動させるのに必要な力はずっとたくさん必要なのではないでしょうか? 上になにも乗っていない1立法メートルの綿を押しのけて移動させるのと、上に(縦に)1000立法メートルの綿が乗った1立方メートルの綿を移動させるのとの違い・・・ と言ったイメージです。 押しのけるものは、同じ量の同じ綿でも、上に乗ったものの重さが違えば動かしにくいのでは・・・ と思えてしまいます。 もちろん、それがスローモーである原因の全てだというのではなくて、スローモーである理由の大きな部分は、エネルギーを消費しないためだろう(得られる餌が少ないから)と思いますけども。 Q2: こちらは多少、知識があるかな f(^_^; まず、いろんな生物が住んで、いろんな有機物が生成されるのは、大陸棚など、比較的近海で、太平洋の真ん中などは生物がほとんど住まない「海の砂漠」なんだそうです(NHK特集「海」だったと思う)。 砂漠で餌がないから、ほんらいそんなものを食べないはずのジンベイザメでさえ、太平洋の真ん中で小魚の群を見つけると食べるそうです(同:映像アリ)。 それくらいですから、深海に、真上から落ち込む有機物はほとんどありません。 近海では・・・ 地震や強風(台風・季節風)などの影響で海底の水が、「有機物」ごと海面へしょっちゅう(定期的に?)湧いてきます。 「湧昇流」といいますが、海面の海水が風で移動すると、それを補うために、海底の冷水が有機物ごとわき上がってきて、植物性プランクトンの栄養になり、植物性プランクトンが大量に発生し、それを食べて動物性プランクトンが大量発生し、それを狙って小型のサカナが集まり、小型のサカナを狙って中型の・・・ 。 カリフォルニアとかペルーとかの沖が湧昇流による良い漁場となっていることで有名ですが、カムチャッカあたりでもおきていて、日本の漁業にもたいへん貢献してくれています(NHK特集「地球」だったと思う) つまり、近海で生成された有機物は近海でループし、いわゆる深海にまで届くことはマレです。 マレ降ってきた有機物は、それを食べる生物によって途中で食べられ、深海海底に(まばらに届くことはあっても)有機物が「堆積する」ことはありません。 さらに、深海海底にも、海底を掃き掃除するような巨大な潮流があります(同)。それなども関係しているかもしれませんね。
- princelilac
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(1)低温で暗い世界で生きる生物は、目が退化し、泳ぎ回る能力もありません。生まれながらにエネルギーの消費が少ない体になっています。(2)の問題にもつながりますが、海底に沈むプランクトンの死骸を餌にするなら、俊敏な動作も不要ですし、他に天敵がなく逃げる必要もありません。体の99%までは水分なので、腹の足しにならないのです。 (2)深海では水温が低いため、有機物がなかなか分解されません。メタンハイドレートのようになるのは、プランクトンなどの死骸が海底で分解不十分のまま溜まったものです。しかし、動物の死骸の大部分は、海中で食べられたり、微生物に分解されてしまいます。その残りが海底に沈むものです。これは想像ですが、老衰で自然死が間近な生物の大半は、他の生物の餌食になるのではないですか?
お礼
回答有難うございます。
お礼
回答有難うございます。 >こうした有機物の循環の中で、栄養価としてはほぼ利用し尽くされた残渣が、細かい粒子となって、ゆっくりと深海域まで落ちてゆきます 納得です。