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直列と並列の共振回路の双対性
タイトルのままなのですが、 とある参考書に 直列と並列の共振回路の双対性を示せ! と書いてあるのですが何をどう示せばいいモノか・・。 (答えが載っていないので) また具体的に何と何が双対なのかもはっきりしません。 ヒントなどよろしくお願いします。
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まず双対性とはなんぞや、というお話ですが 「一見異なる概念AとBがあったとして、ある変換によりA→B、B→Aが相互に置き換えることができ、AとBが本質的に同一の概念として扱える場合に「AとBは双対である」と言い、その性質のことを「双対性(duality)」という」 と理解しておけばよいと思います。 説明を読むより実例を見る方が早いと思いますので、お尋ねの直列共振・並列共振を例に説明したいと思います。なお最終的に示すべきは「直列共振回路と並列共振回路が双対の関係にあること」です。 まず直列共振回路について考えてみます。図のようにキャパシタンスCとインダクタンスLが直列につながれているとします。 ◎直列 C L P─┨┠─ωω─Q このときPQ間のインピーダンス(複素インピーダンス)Zですが、虚数単位をj、交流の角周波数をω(ご存じと思いますが周波数の2π倍)として、 Z={1/(jωC)}+jωL (1) となります。1/(jωC)を「容量性リアクタンスX_C」、jωLを「誘導性リアクタンスX_L」などと呼ぶのもご承知かと思います(*)。リアクタンスを使ってインピーダンスZを表せば Z=X_C+X_L (2) となります。 並列ではどうでしょうか。 ◎並列 C ┌┨┠┐ P┤ ├Q └ωω┘ L PQ間のインピーダンスをZとするとこれもご存じの通り 1 Z=-------------- (3) (jωC)+{1/(jωL)} です。直列の場合と並列の場合とでは、インピーダンスの表式は全く異なって見えます。 さて次のような変換をしてみましょう。コンデンサーのリアクタンスはご存じの通り 1/(jωC) ですがこの逆数、すなわちjωCという物理量を導入します。これを「容量性サセプタンス」と呼んでB_Cで表すことにします。 コイルのリアクタンスは jωL ですが、同様に逆数1/(jωL)という物理量を導入し「誘導性サセプタンス」B_Lと呼びます。 さらにインピーダンスの逆数1/Zという物理量を導入し、アドミタンスYと呼びます。 すると(3)式は (1/Y)=1/(B_C+B_L) Y=B_C+B_L (4) となって、文字が異なるだけで(2)と本質的に同じ式になります。つまり並列共振と直列共振は実は同じ式で取り扱えるのです。 これで並列共振回路と直列共振回路の双対性が示せたことになります。 一般に電気回路の場合、以下のような置き換えを行うと双対な関係にある概念や回路が得られます。(これら自身が双対関係にあるとも言えます) レジスタンスR⇔コンダクタンスG リアクタンスX⇔サセプタンスB インピーダンスZ⇔アドミタンスY 並列⇔直列 電流⇔電圧 電流源⇔電圧源 *1 リアクタンスXは実数値として1/(ωC)=X_C、ωL=X_Lとおく記法もあります。この場合虚数単位jを外に出して計算することになり(1)式はZ=j(X_L - X_C)となります。しかしサセプタンスについてもωC=B_C、1/ωL=B_Lとすれば最後の結論は同じです。 複素数を用いた交流回路の計算法は既にご承知かとは思いますが、もしまだでしたら下記などをご参考に。 http://www.ee.seikei.ac.jp/~seiichi/lecture/EM/C20/Chapt20.html
お礼
分かりやすい説明ありがとうございます。 自分でも確認し、理解していきます。