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TG-DTAのピーク温度についてとDSCについて
植物材料をTG-DTA試験にかけるということをしているのですが、粉砕の大小で反応ピークの熱量や吸熱した熱量はかわってきますか? 酸素雰囲気中で行っています。試料の表面積が大きくなるだけ反応し、熱量が大きくなるのでしょうか。 また、DTAではµVで熱量の変動があらわされますが、これはJなどには換算できないのでしょうか。 そういうことはDSCをつかったほうがいいのでしょうか。。。 熱分析のことをあまり勉強していないで試験を行っています。基本的なこともわかってないとは思いますが教えていただければ助かります
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そもそも,DTAとは何を測るものなのかわかってないのだということが伺われます. DTAは,比較試料と調べたい試料を電気炉で加熱していくわけですが,このときに温度の上がり方を「比較試料」の方で測って,ある決められた昇温条件で加熱していきます.そして,測定したい試料と,この比較試料の「温度の差」を出力するのです. この温度差が,発熱とか吸熱とかと解釈されるわけです. もし,測定したい試料が途中で燃焼とかすれば,発熱がおこるので,比較試料よりも「高温」になります.逆に,何か熱を吸収するような変化が起これば(融解とか),比較試料よりも低温になるのです. >粉砕の大小で反応ピークの熱量や吸熱した熱量はかわってきますか? たとえば燃焼も一瞬ですべて燃え尽きるわけでもないですね.大きな粒では中のほうまで燃えるには時間がかかるでしょう.その間にも炉の昇温は続いているのですから,ピーク位置や高さは変化します.ただ,ピークを積分して得られるみかけの総熱量については,あまり変わらないかもしれません.燃焼や気化による試料自体の減少がおこりうるので,その際に試料の熱容量が変化するので,温度変化が同等になるかどうかはなんとも言えない面があります. > また、DTAではµVで熱量の変動があらわされますが、これはJなどには換算できないのでしょうか。 検量線を引けばいいわけですが,いうほど簡単ではありません. DSCの方が,という話ですが,DSCは測定試料と比較試料の温度差を発生させないように,微小な加熱や冷却の制御を行なって,そのために余分に出入りさせた熱量を測るものです.試料の中の温度分布があっては何を測っているのかわからなくなるため,微量の試料で測る,試料も微粉砕する,あたりは,前提条件です. 生物組織のような不均一性の大きな試料は,測定にはかなりのノウハウが必要でしょう.
お礼
大変参考になりました。ありがとうございました。