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物理学の問題:質量mの球の運動に関する正しい記述は?
- 質量mの球を粘性のある媒質の中で静かにはなした場合、球の運動に関する正しい記述はどれか?
- 選択肢(a) 運動エネルギーは阻止力のため減少し続ける。 (b) 運動エネルギーは増加して最大値に達し、その後に阻止力を受けて0となる。 (c) 速度は増加して最大値をとり、その後に減じて最終速度に達する。 (d) 速度は単調に増加し、bのみで定まる最終速度に漸近する。 (e) 速度は単調に増加し、bとmのみで定まる最終速度に漸近する。
- 物理学の問題ですが、質量mの球を粘性のある媒質の中で静かにはなした場合、球の運動に関する正しい記述はどれでしょうか?
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この問題は、「速度の変化は加速度でしょう? 加速度で考えてみましょう!」と言いたいわけです。で、そこも「それは問題を読んで察して欲しいです」と願っているようです。 速度の変化が加速度ですね。数式ではよくaで書きますが、地表ではgと書いて9.8[m/s^2]を使います。質量mの玉の加速度をaとして考えて行きましょう。 よく「軽いものも重いものも同じように落ちる」と言います。これは真空中のことなんですね。これだけの条件だと、地表で数式で書けば、 a=g です。加速度は一定だから、時間をtとすれば、速度v=at=gt。 重力はmgじゃないかという疑問があるかもしれません。その通りですが、これは物体にかかる力ですね。ニュートンの第一法則の有名な式、F=maにあてはめると、重力もF=mg。Fが同じなので、ma=mgとなり、両辺をmで割って、a=g。 時間tが経つほどに、どんどん速くなるだけです。もちろん、「静かに放した」のだから、最初の速度は0からのスタートです。 だから、t=0のときは、v=0になるよう、式を決めておきました。こういうのを初期条件と呼びます。式を決めるとき、必ず必要だったりします。 「粘性ある媒質の中」で離したわけですが、水中でもいいし、空気中でもいいです。空気中のほうが経験が多いでしょうね。 うちわや扇子であおぐとき、速くあおぐほど力が要ります。これは、うちわや扇子が空気中を動くときに、空気抵抗を受けるんですが、速いほど、それが大きいということです。 あるいは、風が強いほど、傘を持っているのに力を込めなければいけないのも同じです。 空気中(水中でもいいです)を速く動くほど、空気抵抗(水の抵抗)も強くなる。それは、「風」(水流)が生じるからですね。だから、じっとしていても風(水流)が来ると、その向きに流されそうになる力を受けます。 だから設問でも、bを何かの定数、vを速度として、その力FをF=bvとしているわけです。これが力なことに注意です。 これによる加速度だけを考えると、質量mで割ってやればいいわけです。bv/m=(b/m)vです。vは変化するので、変化しないbとmはまとめておきました。 これは、抵抗の力による加速度ですから、減速、つまいマイナスの加速度です。 単純なa=gに、どう組み合わせるかですが、単純な足し算です。これを「重ね合わせの原理」と称して、物理学の大事な考え方です。言葉を変えて言えば、物理学は足し算でOKなように考えて作られています。 マイナスだから、要は引き算になり、 a=g-(b/m)v となります。これだけ眺めても、なんだか答えは見えません。そこで、v=atが、このときにも成り立つことを使います。 a=g-(b/m)at ∴a+(b/m)at=g ∴a(1-(b/m)t)=g ∴a=g/(1+(b/m)t) t=0のときは、a=gです。速度v=0からだと、最初の一瞬は空気や水があっても関係ないんですね。 さらに時間tが経つにつれての加速度aの変化は、質量mが大きいほど分母の増え方が緩やかです。だから昔は「重いものほど速く落ちる」と思われていたわけです。 しかし、いずれにせよ、時間tが経つほど、つまりtが大きくなるほど、aは減る一方で、それも0に近づいて行きます。決してマイナスにはなりません。 速度の増え方が緩やかになっていき、ついには増えなくなる。つまり、ある最高速度があるということです。 そしてtは、b/mとの掛算で分母にあります。これだけが加速度aの減り方に関係します。 ようやく答えにたどり着きました。 >(e) 速度は単調に増加し,b とmのみで定まる最終速度に漸近する が、最もここでやってみた考察を言い表しています。 >(d) 速度は単調に増加し,b のみで定まる最終速度に漸近する. ですと、せっかく求めたb/mのmが無視された感じです。 P.S. ここでは数式で考えてみました。勘では分かりにくいようにも思えます。 しかし、直感的に考えて正解にたどり着くのは不可能ではありません。素直に普通に物の落ち方を見ていれば、「重いものほど速く落ちる」ことはあります。 1枚のティッシュペーパーより500円硬貨1個のほうが速く落ちます(だから、よく無くして泣くんですが、まあ千円札のほうが遅いから^^;)。ガリレオが「重さと落ちる速さは無関係」と言ったのは、充分重いものについてでした。つまり空気抵抗を無視できれば、そうだということです。実際には空気があります。 たとえば、パラシュートについて多少知っていたりすると、パラシュートを開けば、短時間で減速します。いきなりではありません。少し時間が経てば、一定の速度になり、安全に着地できます。 しかし、体重が2倍違うと、軽い人では大丈夫なパラシュートも、重い人には安全ではありません。あるいは、一人用のパラシュートを二人で一緒に使うと危ない。一定の速度にはなっても、それが速すぎるからです。 こうしたことから、「どうも、落ちても何か最終の最高速度があるけど、それは重いほど速そうだ」という直感を働かせることも可能です。そこに「速く動くほど風が強くなるしな」から「そういや、風が強いほど、傘持って踏ん張るのが大変だし」と思い当れば、言うことはないでしょう。そこへ「これって軽い子どもは大変だよな」まで考えられたら、もう定性的なことは数式要らないでしょうね。
その他の回答 (2)
- 中村 拓男(@tknakamuri)
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(e) でしょうね。 運動方程式を立てて解き、解の性質を 調べなさいという問題だと思います。
補足
dとeで迷っています。なぜeなのか教えてください。
- fjnobu
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加速度は無いので、速度が増加することはない。運動エネルギーも受け取ることが無いので、増加は無い。
お礼
例がとても分かりやすかったです。ありがとうございます。