- ベストアンサー
言語ゲームの応用について
最近ウィトゲンシュタインを勉強している学生です。 言語ゲームという彼の発想は非常に面白いし人間の様々な活動のあり方をうまく表しているなと思ったのですが、言語ゲームが他の学問(言語学、社会学などでしょうか)の中で応用される例はあるのでしょうか? あるとすれば、どのような研究に言語ゲームが生かされているのかを知りたいです。よろしくお願いします。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
言語ゲームの中で、家族的類似性という概念が現れてきます。 家族的類似性というのは、 父と母が似ていないのに、 娘を介して、似たもの家族だね、という概念です。 芸術論では、ジャズのように、アレンジがされているときに、 この曲に固有の本質的なものがなくても、 AとBは似ていない。 でもCはAに似ているし、CはBにも似ている。 だから、この曲は、一つの曲であるという論文がありました。 また、動物心理学で、人間の顔写真を見せるのですが、 モーフィングという操作を使って、 AさんとBさんの顔の合成をします。 これも、AさんとBさんは全く別人ですが、 AさんとBさんの中間を作ることによって、 一つの集合体が形成されます。 それから、家族的類似性の話ではないのですが、 自然言語学というものがあります。 言語を規範的なものとみるのではなく、 記述的なものとしてみるというものです。 例えば、茶髪にすべきでない、というのが規範的規則とすれば、 茶髪が3人に1人います、というのが記述的規則です。 自然言語学が現れるまでは、 規範的規則、たとえば、五段活用とか三人称単数形のsとか。 それに対して、記述的規則では、 でも、えーっと、とか、あのーっというフィラーとか、 あいづち、とか、笑い、とか、ボディランゲージとか。 それらを状況別にカウントしたりするのが自然言語学。 もしくは計算言語学と言われるものです。 とにかく伝わればいい、という発想は、 言語ゲームの遺志を継いでいるものだと思います。
その他の回答 (2)
- 雪中庵(@psytex)
- ベストアンサー率21% (1064/5003)
言語を、対象に従属したり、内面に依拠したりするもの ではなく、自律的な「言語ゲーム」として捉える事は、 リアルにおける、存在と心の「ニワトリが先か卵が先か 問題」を、量子論や相対性理論による、双方の独立性 (絶対時空)の否定=相互作用(不確定性原理)を本質 (自我仮説(現在)からの時(過去)空(未来)相補分化)と する、量子論的世界像に結実しています。 (直接の学問的継承はありませんが)
お礼
量子論の世界にも言語ゲームと通じる発想がみられる、ということですね。 ご回答ありがとうございました。
- kanto-i
- ベストアンサー率30% (180/596)
心理学では、自らがどう思いこんでるのかはベースとして使われています。 思い込みの形やパターンなど分析されて、それをいかに無くして行くかとして応用されています。 自らの固定観念や常識をくつがえすのに有効ですよね。
お礼
無意識に行われている言語ゲームを分析してそのパターンなどを明らかにしよう、という姿勢でしょうか。面白そうです。 ご回答ありがとうございました。
お礼
なるほど、自然言語学の、言語の規則よりもむしろ言語が実際にどう使われ、伝わっているのかをみようとする発想は確かに言語ゲームに通じるものを感じますね。芸術論などはど素人ですが、そちらの方面も面白そうです。 丁寧なご回答ありがとうございました。