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始祖鳥の分類について
- フレッド・ホイルの始祖鳥化石贋作説を論破、否定した
- 始祖鳥とコンプソグナトゥスは似ているが、羽毛の有無が異なる
- 始祖鳥はマニラプトル類に分類され、コンプソグナトゥスとは異なる系統樹の枝に分類されている
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質問者が選んだベストアンサー
最新の情報ではなくて申し訳ないのですが・・・ 2005年に開催された恐竜博で購入した、「恐竜博2005~恐竜から鳥への進化」という本(朝日新聞社)によれば 「その特徴(形質)が(中略)進化の過程で一回しか進化しなかったならば、それを持っている種は、それを最初に獲得した祖先の子孫だと考えることができる」 「このような進化した特徴がどのように共有されているかの解析をもとに、系統図が描かれている」 つまり、恐竜の進化についてその形態特徴で分類が行われています。 恐竜・・・ヒザは胴体の真下 ┠獣脚類・・・二足歩行になる、骨が軽くなる ┠新獣脚類・・・叉骨を持つ、足の親指が短くなる ┠テタヌラ類・・・シッポがピンと張る ┠コエルロサウルス類・・・手の指が細長く3本になる、繊維状の羽毛(コンプソグナトゥスはここに分類) ┠マニラプトル形類・・・肩が上下に動く、羽軸のある羽毛、手首が左右に動く ┠エウマニラプトル類・・・鋭くカープしたカギヅメを持つ、非対称の風切羽、親指が後ろ向きになる ┠鳥類・・・羽ばたいて飛行する(始祖鳥はここに分類) ┠パイゴスティル類・・・首がS字で長くなる、しっぽが短く尾羽を持つ ┗真鳥類・・・竜骨突起を持つ(ヤノルニス→現在の鳥へ) これを見ると、繊維状の羽毛を持っていたのがコエルロサウルス類、そこから分岐して羽軸のある羽を持つようになったのがマニラプトル形類、そこから分岐して非対称の風切羽を持つようになった種がエウマニラプトル類、またそこから分岐して飛行できるようになったのが鳥類(始祖鳥)であるということになります。 また羽だけでなく、足の第1趾がほかの指と逆を向いている、前肢と後肢とほぼ同じ長さ(あるいは後肢よりも長い)、手の甲がが上腕骨の半分以上の長さを占めている、など始祖鳥と鳥類にだけに共通の特徴があるそうです。 ここからも、「始祖鳥の遺骸が化石化する際に、羽毛の痕跡が失われたものがコンプソグナトゥスの化石とされるもの」ではないことが分かるでしょう。 ただし、「それぞれの種ごとの進化は異なるし、体の各部位での新加速度は異なる、だから、例えばエウマニラプトル類のすべてが非対称の羽毛を持つわけではないし、持っている種でも同じ体の中で対象な羽毛を持つ部分もあるだろう」とのことですので、全部の特徴が全て当てはまっているわけではないようです。 遺伝子的な系統の解析については私は分かりません。 しかし最近では、始祖鳥と同じような特徴をもった獣脚類と分類される恐竜の化石も見つかっており、始祖鳥は鳥ではないのではないかという説も有力なようです。Nature 475, 7357 (Jul 2011) http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2816607/7567194
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- yanachu
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#1です。 >同格の分類グループであるコンプソグナトゥス類 (Compsognathidae)とマニラプトル類 (Maniraptora、マニラプトル形類よりも下位の分類グループ)の間には、どの様な形質の違いがある事から、異なる系統樹の枝に分類されているのかが解りません。 羽毛恐竜 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%BD%E6%AF%9B%E6%81%90%E7%AB%9C#.E7.BE.BD.E6.AF.9B.E3.81.AE.E9.80.B2.E5.8C.96.E5.8F.B2 コンプソグナトゥス類(シノサウロプテリクス)がマニラプトル形類に分類されているのは、おそらくこの羽毛の進化から得た分岐系統であると思います。 コンプソグナトゥス http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%BD%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%88%E3%82%A5%E3%82%B9 にはコエルロサウルス類であると書かれています。 おそらくこちらは、羽毛以外にも骨格などから総合的に系統立て分類したものであると思います。 ですので >●上下にも動く肩関節 >●左右に動く手首 >●羽軸のある羽毛 >に関しては、コンプソグナトゥス類も備えていたと思います。 というわけではないと思います。(これらの特徴から系統を立てているのだから) 「どこに着目して分岐系統を立てるか」によって位置がかわってくるんでしょうね。 (系統図を書く学者によっても異なってきそうです) 「羽毛恐竜」の方の出典を見ると2009年となっていますから、こちらの方が「恐竜博2005」よりも新しいですが、だからといって現在主流なのかどうかは詳しくは知りません。
お礼
お礼が遅くなり、誠に申し訳御座いません。 シノサウロプテリクスの羽毛に関しましては、羽軸が無いとされている様ですし、最近では羽毛ではなくケラチン状の皮膚だったとする説もある様ですから、(但し、進化の過程で一旦獲得した羽軸が退化によって失われた、という可能性も否定出来ないとする意見もある様です) >コンプソグナトゥス類(シノサウロプテリクス)がマニラプトル形類に分類されているのは、おそらくこの羽毛の進化から得た分岐系統であると思います。 とは限らないと思います。 【参考URL】 シノサウロプテリクス - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%8E%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%AD%E3%83%97%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%82%B9 >にはコエルロサウルス類であると書かれています。 仰る通りです。 只、マニラプトル形類 (maniraptoriformes)自体がコエルロサウルス類の中に含まれているグループの一つなのですから、仮に、コンプソグナトゥス類がマニラプトル形類に含まれていた場合であっても、「コエルロサウルス類の中のコンプソグナトゥス類」という言い方も出来てしまいます。 もし、コンプソグナトゥス類がマニラプトル形類に含まれているのか否か結論が出ていない場合には、どちらであるにせよコエルロサウルス類に含まれることは間違いないため、コエルロサウルス類よりも下位の分類を明記せずに、、「コエルロサウルス類のコンプソグナトゥス類」という言い方をしているという可能性もあるかと思います。 そのため私は、コンプソグナトゥス類がマニラプトル形類に含まれているのか否かは、分岐図の中でコンプソグナトゥス類がマニラプトル形類の下流にある系統なのか、それとも別の支流に属するのかを確認しないと判らないと考えて、質問文に挙げた 【参考URL】 コエルロサウルス類 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B9%E9%A1%9E を参考にして、 >コンプソグナトゥス類 (Compsognathidae)はマニラプトル類 (Maniraptora)には含まれていないものの、マニラプトル類 と同様に、マニラプトル形類 (maniraptoriformes、マニラプトル類よりも上位の分類グループ)の中のオルニトミモサウルス類 (Ornithomimosauria)に含まれているグループ と判断していた訳です。 ですが、Wikipediaの内容は信頼性が充分ではない事は有名ですから、上記の「コエルロサウルス類 - Wikipedia」に掲載されている分岐図の内容と、ANo.2で御教え頂いたWikipediaのページの内容が食い違っている以上、どちらのページの内容も判断する際の根拠とするには充分ではないと思います。 そのため、信頼が置けそうで、且つ、分岐図が掲載されているサイトは無いものかと、探していたのですが、結局、私には見つける事が出来ませんでした。 只、その過程で、「コンプソグナトゥス類は、コエルロサウルス類の中で最も基盤的なグループという意見と、マニラプトル類のに含まれるグループであるという意見の、両方の意見がある」という趣旨の一文が書かれているブログを見つけました。 【参考URL】 獣脚類を中心とした恐竜イラストサイト 肉食の系譜 フアシャグナトゥス1 2008-09-06 21:59:20 http://blog.goo.ne.jp/theropod/c/2b8bf834b1a53521e61ec757449bc919 ブログですからWikipediaよりも更に信頼性は劣ると思いますが、もしこの話が事実で、且つ、現在においても同じ状況である場合には、信頼のあるサイトでは、コンプソグナトゥス類の分岐図をおいそれと明示する訳が無いですね。 ここまで御回答して頂き有難う御座いました。
お礼
御回答頂き有り難う御座います。 分かり易く纏めて頂いたおかげで、マニラプトル形類やエウマニラプトル類、及び鳥類が、その他のコエルロサウルス類と比較して、どの様な形質の違いを持っているのかが良く解りました。 只、質問文中に貼っております「コエルロサウルス類 - Wikipedia」へのリンクのページを見て頂ければ判ると思うのですが、コンプソグナトゥス類 (Compsognathidae)はマニラプトル類 (Maniraptora)には含まれていないものの、マニラプトル類 と同様に、マニラプトル形類 (maniraptoriformes、マニラプトル類よりも上位の分類グループ)の中のオルニトミモサウルス類 (Ornithomimosauria)に含まれているグループという事らしいので、 ●上下にも動く肩関節 ●左右に動く手首 ●羽軸のある羽毛 に関しては、コンプソグナトゥス類も備えていたと思います。 ですから、yanachu様に御教え頂いた事から、始祖鳥の類にはあって、コンプソグナトゥス類には無い形質は、エウマニラプトル類(Eumaniraptora)の特徴である ●鋭くカープしたカギヅメ ●非対称の風切羽 ●後ろ向きに付いた親指 であるという事が判りました。 只、同格の分類グループであるコンプソグナトゥス類 (Compsognathidae)とマニラプトル類 (Maniraptora、マニラプトル形類よりも下位の分類グループ)の間には、どの様な形質の違いがある事から、異なる系統樹の枝に分類されているのかが解りません。 マニラプトル類 (Maniraptora)に含まれる生物には共通して備わっている形質で、同格の分類グループであるコンプソグナトゥス類やオルニトレステス類 (Ornitholestidae)の様な、マニラプトル類以外のオルニトミモサウルス類 (Ornithomimosauria)には無い形質には、どの様なものがあるのでしょうか? >始祖鳥は鳥ではないのではないかという説も有力なようです。 その様ですね。 それまでにも、鳥類(Aves)とその他の分類グループの違いが、仰る様に「羽ばたいて飛行する」事が出来るか否かだとしますと、風切り羽の羽軸の強度不足で始祖鳥はそれが出来ないという証拠もあるため、始祖鳥を鳥類と見做す事には議論の余地があった様です。 【参考URL】 朝日新聞社 > ライフ > 環境 > 国内(自然・生態系)記事一覧 > 2010年5月14日14時 始祖鳥は羽ばたけなかった? 研究者「翼の強度が不足」 http://www.asahi.com/eco/TKY201005140262.html これだけでしたら、ダチョウやペンギンの様に、一旦獲得した飛行能力が、その後、退化したという事も考えられますが、始祖鳥の手指の骨は鳥類のそれとは異なり、癒合が進んでいないため、鳥類の手の骨と比べて強度に劣るらしいので、最初から羽ばたいて飛ぶには向いていない構造をしていた、という説もあるようです。(それでは蝙蝠はどうなるのかという疑問が生じますが) そこへ来て、御教え頂いたシャオティンギア(Xiaotingia Zhengi)が発見されたとなりますと、始祖鳥は鳥類では無いという可能性はかなり高そうだと、私も思います。