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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:民間人から軍人へ先制攻撃をかけた場合の扱い)

民間人から軍人へ先制攻撃をかけた場合の扱い

このQ&Aのポイント
  • 民間人が隣国兵士に先制攻撃をかけた場合、国際法ではどのように取り扱われるのか
  • 正規の軍服を着用した隣国兵士による先制攻撃後、捕らえられた場合の扱いは異なるのか
  • 質問文章の要点: 隣国軍が無断で侵入し、民間人が隠し持った武器で攻撃。扱いはどうなるか

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.4

おはようございます。質問者様は、国際法に関心がおありのようですね。私も、公務員試験と期末試験でいい点目指して、今必死に勉強中です。 私も至らぬ部分がありますが、何卒よろしくお願いします(^^ さて、質問の方に移りますが「武力紛争法」の適用範囲は、「法的な戦争状態」だけでなく、「事実上の戦争(de facto war)」も含みます。なぜなら、現代国際社会では、戦争違法化が常態化しているため、、「法的な戦争状態」というのはほとんどありえず、むしろ後者の方が、一般化しているからです。 そういう意味ですから、質問者様のような「正式な交戦状態」というような自体が生じていなくても、ハーグ陸戦規約やジュネーブ条約などの適用はありえます。 そこで、質問者様の事例(以下、「本件」とする)においては、「事実上の戦争(de facto war)」の法的要件を具備しているか問題となります。 「事実上の戦争(de facto war)」とは、かなり本格的な交戦状態になっている状態を言います。たとえば、教科書事例では日中戦争や満州事変などをが典型としています。 本件では、隣国は「敵性国家である隣国軍の小部隊が偵察等のために(占領を目的とせず)無断で侵入してきた」だけなので、「事実上の戦争(de facto war)」の要件は具備していません。 よって、武力紛争法の適用はありません。ですから、便意兵、民間兵、ハーグ条約など武力紛争法関連のの知識はここでは不要です。 そこで、正常状態における法の適用が考えられます。私は、ここの住民の方々ほど刑法にそれほど詳しくありませんが、本件では、お隣の国の兵隊さんたちには、住民に対する逮捕監禁罪、住民達には兵隊さんたちに対する殺人未遂罪の適用が考えられます。間違っていたら誰か訂正してくださいね。 本件「ある国」は、日本ではありませんが、通常どの国も逮捕監禁罪や殺人未遂の類の刑法はあると思います。また、「ある国」にもあると考えます。そこで、「ある国」の刑法が、この兵隊さんと住民に及ぶか。立法管轄権、執行管轄権、裁判管轄権の問題となります。 これらの管轄権の問題は、ほとんどの場合、その国の国内法の定めによって決せられます。 日本の例をとりますと、日本の刑法1条「日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。」とあり、刑事訴訟法2条は「犯罪地」を土地管轄としています。よって、「犯罪地」が日本である場合、治外法権などの定めがある特殊な場合を除き、日本人であっても外国人であっても、日本の法律により日本の裁判所によって処罰されます。 本件「ある国」は日本ではありませんが、大抵の場合こういう土地管轄の定めを置いていますので、「ある国」も日本のような刑法になっていると仮定します。 本件「犯罪地」は、「ある国の国境沿いの町」です。よって、住民、兵隊さん達はそれぞれ「ある国」の刑法により、「ある国」の裁判所で、それぞれの罪によって処断されます。 また、「隣国」が、逮捕監禁罪の疑いのある兵隊さん達を匿った場合、両国に犯罪者引渡し条約などの締結がなされていれば、その条約に基づき引渡し請求権を行使できます。締結してない場合、法的には処罰できるけど事実上処罰できなくなります。これは不合理ですが仕方ないですね。 最後に >つまり捕らえた側が自国の国内法に沿ってこの者たちを殺人犯・傷害犯として裁判にかけても国際法上は問題ないということですね。 「隣国」には、立法管轄権がありません。よって、住民を「隣国」が処断するのは違法です。 あと、質問とは関係ないですが >「戦時国際法」 ごくまれに「武力紛争法」のことを、「戦時国際法」と言われる方がいいます。 これは戦争を合法化されたものとしてみていた時代の用語であり、今は不適切な表現なため、国際法分野では使われておりません。 このような用語を一般に使用すると、周りの人は感心しないばかりか、その人を不勉強と思ってしまいます。気をつけてください。 では、勉強頑張ってください。私も質問立てているので、もしよろしければお願いします、

dmj28h
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 知識の無い者にも理解できるように、考え方やその適用条件を順を追って丁寧に分かりやすくご解説下さり、とても感謝しております。 しかしその結論にはいささか驚かされました。 私の感覚では、武装した他国軍隊が侵入してくるなどという事態はおよそ「正常状態」とは考え難いのですが、質問の条件ですと単なる「不法入国者」程度にしかならないということなんですね。 そしてその「敵兵」と「交戦」しても、淡々粛々と「紛争」の起きた土地の所属する国家の国内法で単なる1民間事件として裁くだけとは…。 ただ、現実の問題と考えますと「敵対」している国家間ではおそらく外交関係はないでしょうから、「隣国」の兵士が自国領内に撤退してしまえば引き渡しは当然不可能でしょうし、また自軍兵を殺傷した者たちを撤退時に無罪放免するとは考えられず(放免すれば裁判どころか「英雄」になってしまいます)、連行するということになるでしょう。 そして特に後者は国際的に認められている行為ではないとしますと、事後がかなりややこしくなりそうですね。 また私は軍隊は完全な治外法権の対象ではないにせよ、何か特別の法的地位があると思っていましたが、そうではないということですね。 ただ、もしも「本格的な交戦状態」にある場合でしたら、当然交戦対象国の町村の占領なども行われるはずです。 その際にそこの住民同士の諍いならともかく、占領国兵士が関わる事件が起きた際、被占領国の法廷でその国内法に沿ってそれを裁くというのはかなり無理があるのではないでしょうか(本件もこれに近いと思っていました)。 ですので軍隊に対しては何かしらの特別地位が規定されていなければ現実的ではない、という気は今なお消せないのですが…。 そして大変厚かましいとは思いますが、もしお願いできるようでしたら本件が「武力紛争法」の適用条件を具備していた場合にはどう変わるかを、結論だけでもお教えいただけないでしょうか?

その他の回答 (6)

回答No.7

いえ、質問者様が、私も熱心に質問を聞いてくださるので、思わず熱が入りましたので大変だとは思いませんでした。 質問者様が、私の話についていけていることはその的確なご指摘や質問などにより明らかでしたし。 私も、相手方が理解できるように工夫したつもりです。しかし、長文になってしまったので、読み手が熱心な方でないと、読んでくれないんじゃないかなと心配していました。しかし、最後まで読んでいただけるばかりか、大学の授業並みの難しい内容を話しているのに、きちんと最後まで理解してついてきてくださったことは大変に嬉しいです。

dmj28h
質問者

お礼

>私も熱心に質問を聞いてくださるので、思わず熱が入りましたので大変だとは思いませんでした。 このようにおっしゃっていただけ、ホッとしています。 またこのカテゴリに質問させていただくことがあるかも知れません。 その際はよろしくお願い致します。 今回はどうもありがとうございました。

回答No.6

おはようございます。あらかじめお断りしておきますね。国際社会は、国内と異なって、当該行為に違法があっても、それを是正する執行機関は存在しません。一応国際法上、安保理が強制執行権をもっていますけれども、あんまり機能していないのが現実です。という次第で、国際社会では、違法な状態があっても、それがそのまま継続したり、または、公然と国家による違法行為が行われても止められないことも多いです。ですから、現実の国家実行において、「これ違法じゃないの?」というのがいくらか存在しても、それはそういうものだとご理解ください。 >「国家責任の発生」(この言葉自体初めて知るものでしたが)の発生要件には国家自身の直接の関与が必要であるという点です。 いえ。そこまでいっていません。そこは国家責任の主観的要件の話ですね。 確かに、いくら国家とはいっても、およそ国家の管理が及ばないような一私人全ての違法行為について国家が責任を負えというのは惨い話です。そういう意味では、その違法行為が国家に帰属するやいなやは重要な要件です。しかし、今はこの要件も緩く解されていて、「私人の行為であっても、当該違法行為について、国家が国際法上、防止義務をおっており、必要な措置をとることについて相当な注意を怠っていた場合や、その私人の行為を国家が公然と助長するような行為に国家が及んだ場合は、当該私人の行為は、国家に帰属する。(ICJ判例:在テヘラン米国大使館占拠事件)」という判例があります。 この事件は、反米のイランの大学生さん達(私人)が、米国大使館を占拠し、大使を人質にとったという事件です。イラン政府は当初日和見をしていましたが、やがて学生達を支持するというホメイニ師直々の声明を発表しました。この事件で、判決は、ホメイニ師の声明がでたあとの学生達の行為は国家の行為と同視できるから、学生達の行為は国家に帰属するとし。また、日和見していた時期の責任も、イラン政府が大使館を守るという接受国の国際法上の防止義務を尽くすことに相当の注意を欠いていたので、ホメイニ師声明より前の学生達の行為も国家に帰属すると結論をつけています。 この判例から考えると、PLOが私人の武装集団にすぎないとしても、レバノンはPLOに、国内の基地を供与したり、特権や便宜を図っていますから、レバノンの行為として、PLOの行為はレバノンの行為に帰属するといえそうです。そして、PLOがイスラエル領に越境して攻撃を加えるという違法を繰り返していた以上、レバノンに国家責任が発生します。 しかし、レバノンの行為が違法であっても、イスラエルの空爆が国際法上、正当化されるわけではありません。なぜなら、空爆のような典型的な武力行使は国連憲章2条4項により禁止となっているからです。武力行使が許される場合は、現在進行中で軍事侵攻を受けており、これを追い返すための「自衛」として許容される場合に限定されます(国連憲章51条)。 テロは現在進行中の軍事侵攻とまでいえませんから、たとえ、イスラエルが現在進行形でPLOからテロ行為に悩まされていたとしても、武力行使による報復は許されません。 だからといって、国際法が、PLOのテロを許容している訳ではないですよ(テロ関連諸条約参照)。 結局のところ、レバノンもイスラエルも、PLOも皆、違法しているという回答になります。 >しかし逆に6年前の南レバノン侵攻についてですが、この行為の目的をイスラエルはヒズボッラーによって誘拐された兵士の解放やその行為に対する懲罰であるとしています。 これも同様に違法です。「対抗措置」には、「比例原則」が働くといわれています。「比例原則」とは、相手の先行する違法行為と釣り合う程度で「対抗措置」が許されるべきという原則です。 イスラエルのレバノン侵攻は、兵士の解放と懲罰と釣り合っていません。よって違法です。 また、「対抗措置」によっても、武力行使は禁止されるというのが一般的です。この考え方からも、イスラエルのレバノン侵攻が違法であると導かれます。 >また交戦国に物を売らなくても違法とならないのは「国家責任の解除」の手段としてそれを用いているから、という解釈でいいのでしょうか。 確かに、かつては国家がどこの国と貿易するのは本来自由のはずですから、経済制裁は違法ではないという議論もありました。しかし、かつて連合国が、枢軸国を経済制裁などによって苦しめたことが、第二次世界大戦の一因になったことは事実でしょう。この反省からも、現在は、経済制裁は「対抗措置」などの場合に、限定的に許される程度であると考えてください。 >しかしこれまたイスラエル絡みで言いますと「アラブボイコット」というものが気になってきます。 そのような次第ですら、アラブボイコットは違法という見方をすべきでしょうね。

dmj28h
質問者

お礼

おはようございます。 またご回答下さいましてありがとうございます。 本題とあまり関係のないような事までお尋ねし、その度に詳しいご解説を頂け心より感謝しておりますが、一方そのためにかなりのお時間をお割きいただくことになっていると思われ、心苦しい次第です。 この点に関しましてお詫び申し上げます。 今回ご解説いただきました点ですが、やはり初めて耳にするようなことが多く、感心したり驚いたりといったところです。 >その私人の行為を国家が公然と助長するような行為に国家が及んだ場合 これは国家自身の意思と言えそうな気がするのですが、国家が >当該違法行為について、国家が国際法上、防止義務をおっており、必要な措置をとることについて相当な注意を怠っていた場合 でも責任を負わされるのですね。 イランの米国大使館占拠事件についてICJが審理を行っていたとは全く知りませんでした。 そしてこれはイランにこの事件に対する国家責任が存在するか否かを争ったということですよね。 またこういう審理が行われたということは、イランがそれを行うことに同意したのだと思われます。 この事件は客観的に見て、イラン政府が関与していないと考えるにはいささか無理が有りすぎると思うだけに(革命防衛隊まで関係していたということですので)、イランがまあ厚顔無恥と言いましょうか、一体全体どのような屁理屈を持ち出して抗弁したのかと考えると笑いを禁じ得ません。 >この判例から考えると、PLOが私人の武装集団にすぎないとしても、レバノンはPLOに、国内の基地を供与したり、特権や便宜を図っていますから、レバノンの行為として、PLOの行為はレバノンの行為に帰属するといえそうです。 レバノン政府はPLOの圧倒的な軍事的優勢を背景にした恫喝や脅迫の結果、やむを得ず不本意ながら便宜を提供せざるを得なかった訳でしょうし、また「必要な措置をとることについて相当な注意」を払っていたとしても、実際にその措置をとるだけの力を当然所持していなかったと思われます。しかしそういう場合でも「責任能力無し」とはして貰えないわけですね。 国が弱いということはこういう面においても大変なことなんだと痛感しました。 >空爆のような典型的な武力行使は国連憲章2条4項により禁止となっているからです。 >テロ行為に悩まされていたとしても、武力行使による報復は許されません。 >「対抗措置」には、「比例原則」が働くといわれています。「比例原則」とは、相手の先行する違法行為と釣り合う程度で「対抗措置」が許されるべきという原則です。 >「対抗措置」によっても、武力行使は禁止されるというのが一般的です。 恥ずかしながらこれらすべてを今まで知らずに生きてきました。 しかしこういうことだとしますと、アメリカなどという国は法を遵守することなどおよそ眼中にない「ならず者国家」であるということになってしまいますね。 そしてもちろん中国やロシアはそれ以上(以下?)ですから、国際法云々などと言ってはみても、結局のところ国が強いということがすべてに勝るという、まあ当たり前の現実を再認識させられた思いがします。 今回色々ご解説いただき、大いに知識を増やすことができました。 重ねてお礼申し上げます。

回答No.5

おはようございます。先日は私の拙い文章を読んでいただきありがとうございます。今回は「国家責任の発生」「国家責任の解除」という国際法上重要な分野をご説明させていただくことになりますので、ものすごく長文です。でも、この分野は、条文がはっきりしているので、いかにも法律学らしいところで、私は好きな分野ですからいいたいことはいいたいなと思っています。 でわ、質問に移させていただきます。 質問者様の言われるように、確かに、本件は「正常な状態」とはいえません。しかし、私としてはやはり「事実上の戦争(de facto war)」とまでは、少し言い切れない感じです。「隣国」は「敵性国家である隣国軍の小部隊が偵察等のために(占領を目的とせず)無断で侵入してきた」だけですからね。与えられた設例に従っていくだけなら、本件では、違った結論も良いと思いますけれども、私としては、結局、平時の法による対応になるのかなという感じです。 >軍隊に対しては何かしらの特別地位が規定されていなければ現実的ではない、 確かに、現実の国家実行においては質問者様のご指摘通りです。軍隊およびその構成員は、平時に置いても、他国の許可や条約の規定により、他国領内で特別な地位が与えられていることが一般的です。たとえば、在日米軍。教室事例における典型です。彼らは、在日米軍地位協定17条3項a,b項により、一種の治外法権を国際法上付与されています。しかし、これは駐在国と派遣国と特別な協定による定めがあるから、そうなっているだけともいえます。 本件「ある国」と「隣国」には、このような特別な協定も置かれていないはずですよね。だから考慮してません。あと、軍艦は、海洋法等の一般国際法で特別扱いされていますけれども、本件は軍艦等はでてきませんので、これも考慮していません。 >後者は国際的に認められている行為ではないとしますと、事後がかなりややこしくなりそうですね。 「隣国」が、「住民」を逮捕監禁後に拉致した場合の後始末の問題ですね。兵隊さんたちの処罰については、前に述べました。でも、やっぱり「ある国」が法的に、「隣国」に住民を返してくれ、といえないと、質問者様としては釈然としませんよね。私は、前回どうしてもここは長くなると思ってしまったのでこちらは意図的に割愛しました。では、改めてご説明します。 ここでは、「隣国」に「国家責任の発生」し、かつ、「ある国」が救済される為の法的手段(以下、「国家責任の解除」という)があるかという問題となります。 まず「隣国」の行為ついて、国際法上、国家責任が発生するかの検討が必要です。なぜなら「隣国」の「国家責任の発生」がなければ、「ある国」は、「国家責任の解除」をとることができないからです。 「国家責任の発生」は、1,国家の作為が国際義務に違反し(客観的要件)、2.国家に帰属できること(主観的要件)の2要件を具備することが必要です。 本件「隣国」の「偵察等」や住民拉致行為は、「ある国」領域主権を侵害する行為ですし、また、住民の逮捕監禁行為は平時において普通に犯罪と評価できますね。よって、国際義務違反であり、1.客観的要件は具備します。 また、「軍隊」は、「隣国」がよほど特殊な体制をとってないかぎり「公務員」の地位を有していますから、国家の行為といえるでしょう。よって、2.主観的要件も具備します。はい。「国家責任の発生」のニ要件具備です。ここで、「隣国」には「国家責任の発生」があります。 さて、「隣国」には「国家責任の発生」がありました。次は、「国家責任の解除」方法です。ここから先、国家責任に関するILC最終草案(以下、「条約」という。)を参考にさせていただきます。この条約は、実はまだ草案段階で締結されていませんが、国際慣習法としてすでに確立しているものを成文化したものですから、同条約は国家責任のルールになるということです。そういう次第で、私も条文があると説明しやすいし、渡りに船と言わんばかりに利用させていただきます。 国家責任の解除方法は、まず、「原状回復」(条約第34条)が考えられます。 「ある国」は、「隣国」に対して、「原状回復」、つまり、「直ちに住民を解放せよ」と請求できます。例えば、一昨年の漁船衝突事件において、中国人船長が日本に逮捕されましたよね。その時中国は「直ちに船長を解放せよ」と請求してきました。まさに「原状回復」による「国家責任の解除」です。 次に、「金銭賠償」(条約第36条2項)及び「謝罪」(条約第37条2項)による「国家責任の解除」です。これは説明するまでもないですよね。 さらに、「ある国」の「国家責任の解除」を実効的なものにするめために、強行的な手段も「隣国」に対して、国際法上行えます。これを「対抗措置」(第22条)といいます。 本件「ある国」は、「隣国」が住民を解放してくれるまで、経済制裁とか、レアメタル輸出規制などが適法にできるわけです。ただし、本件の事案ではとても武力行使までは認められません。 以上の次第で、国際法上「ある国」は「隣国」に法的措置がとれることになります。 最後に。 >「武力紛争法」の適用条件を具備していた場合にはどう変わるか 先にご回答なされているbismarks0507様は、「軍服に徽章」といわれていますね。これは、多分ハーグ条約1条2項のことをいっておられると考えます。 本件「所属国の正規の軍服を着用したうえ、相手からは見えない民家の中などから先制攻撃を仕掛けた後、捕らえられた場合」は、ハーグ条約1条2項が適用される場面ですので、「捕虜」資格を取得できます。「捕虜」資格を獲得しますと、ハーグ条約第4、20条、ジュネーブ条約など「捕虜」として一定の身分保障がされます。 つぎに、これら「微章」などをつけていない民間の方々には、「捕虜」資格は認められるでしょうか。ハーグ条約だけでは無理層です。しかし、正規兵と同じ地位をできるだけ与えないといけないというのが、現在の国際法のスタンスです。 現在は、ジュネーブ第三条約第一追加議定書第44、43条が、「責任ある指揮官の下にある」「すべての組織された軍隊、集団および団体」の所属員は、敵国の支配下に陥った時、「捕虜」資格を有することを定めています。 本件住民が、「責任ある指揮官の下」「組織された」の要件を具備すれば、「捕虜」資格を取得できます。しかし、本件は 、とくに組織だっているわけでもないまま町民数人が兵隊さんたちに近づいてナイフで刺してきていますし、適用の余地はなさそうですね(^^:。

dmj28h
質問者

お礼

146husouzaiさま、またご回答下さいましてありがとうございます。 単なる一質問にここまで丁寧、親切にご解説をいただき誠に恐縮しております。 さて、ご回答内容は大変興味深く拝読させていただきました。 自国民が他国に何らかの理由で拘束されたりした場合、その解放を要求するのは根拠も考えないまま当然だと思い込んでいましたが、そういった要求もちゃんとした法的根拠があってこそ行えていたわけなんですね(考えてみればそれは当たり前のことなんでしょうが…)。 特に面白いと思ったのは「国家責任の発生」(この言葉自体初めて知るものでしたが)の発生要件には国家自身の直接の関与が必要であるという点です。 その昔PLOがレバノン領内で国家内国家のような特権と「領地」(ファタハランドというのでしょうか?)を獲得し、そこからイスラエル領に越境して攻撃を加えるという事を繰り返していたと思います。 この場合、イスラエルがレバノン政府の「監督不行届」を口実に政府施設を攻撃するなどは論外、たとえファタハランドに限ったとしても、そこを報復爆撃することは「根拠なき」レバノン主権の侵害であるから違法、ということになるわけですね。 またこの際仮にPLOがイスラエル人を拉致したとしても、軍事的にその解決を行う権利があるのはレバノン軍だけということになりますね。 敵性国家を利する作戦を軍が行うはずがありませんから、この場合人質交換や身代金のような手段(これらも違法では?)以外での問題解決はほぼ不可能ということになってしまいそうです。 しかし逆に6年前の南レバノン侵攻についてですが、この行為の目的をイスラエルはヒズボッラーによって誘拐された兵士の解放やその行為に対する懲罰であるとしています。 ヒズボッラーはレバノンの合法政党の一つでありますから、それが他国領土内でその国の兵士を誘拐するという行為を行ったことは、その他国(この場合イスラエル)に対してレバノンに「国家責任の発生」が生じたと考えられます。 そうするとイスラエル側の行為は「侵略」ではなく、「国家責任の解除」を目的として独立国家の持つ当然の権利を行使しただけ、ということになってしまいます。 先のケースと合わせ何か今ひとつ釈然としない感じです。 >本件「ある国」は、「隣国」が住民を解放してくれるまで、経済制裁とか、レアメタル輸出規制などが適法にできるわけです。 一つの独立した国家が、他国に対して物を「売らない」という行為が違法であると知り驚いております(単に私が無知なだけなのでしょうが)。 経済制裁を決めるための協議も、その制裁を実効性のあるものとするため、多くの国家が加わることを「強制する」ためのものだと思っておりました。 しかしそうではなく、それはその制裁の正当性を問うためのものだったということなのですね。 また交戦国に物を売らなくても違法とならないのは「国家責任の解除」の手段としてそれを用いているから、という解釈でいいのでしょうか。 しかしこれまたイスラエル絡みで言いますと「アラブボイコット」というものが気になってきます。 客観的に見れば少なくともクウェートやモロッコなどに対してイスラエルが国家責任を発生させていると考えるのは無理があります。 にもかかわらず、第3国の民間企業まで巻き込む形でのこのような「制裁」がなぜ問題にならないのかこれまた不思議に思うところです。 質問内容以外のことまで色々勉強させて下さいましてありがとうございます。 以下は全くの余談になり、かつ私事で恐縮なのですが、人に対するものの説明のやり方についても今回大変勉強になりました。 僭越を承知で申し上げますが、今回(前回もそうですが)拝読させていただいた文章は、事の起こりから始まり、場合を分け、そしてそれらが成り立っていく条件や過程を順序立て、一切の無駄を省いて分かりやすくご解説下さっており、まさにこれこそが人に対する物の教え方の見本である、と感服させられました。 それに比し、私の場合は今までそういった際、どうしても結論に近い部分から入ってしまい、後になってから説明不足に気付いて前提に戻るなど、行き当たりばったり式のやり方しかできていなかった、と今更ながら痛感している次第です。 私も人にこういう説明の仕方ができるよう努力していこうと思います。 長文申し訳ございません。 どうもありがとうございました。

回答No.3

戦時国際法に適応しえるか?という問題がまずあろうが 、 質問文に、『正規に交戦状態にない』とあることから、戦時国際法の射程にはなりえないだろう >この場合この者たちは国際法ではどのような立場とされ、どのように取り扱われていいことになっているのでしょうか。 上記したように、戦時国際法上においては、住民の地位は特段規定されうるものではないので、回答できない (『便衣兵』という理解があるが、保守系が悪用する便衣兵は非合法戦闘員とは異なるものであるから、適切ではない) 戦時国際法ではなく、慣習法の視座を総論した極論をすれば、 一般住民(被保護者)である。 扱いは、明記される対象ではない。 第四条約二編で想定されうる状況であれば保護対象ではあるが、そこまで仔細の記述がないので回答できない >またもしこの者たちが所属国の正規の軍服を着用したうえ、相手からは見えない民家の中などから先制攻撃を仕掛けた後、捕らえられた場合は上記とは扱いが違ってくるのでしょうか。 軍服に徽章があれば、交戦資格者になりえる。したがって一般住民としての保護規定外になりえる なお、ハーグ陸戦条約は「法として有効である」という前提条件などについてあえて踏み込まない

dmj28h
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >上記したように、戦時国際法上においては、住民の地位は特段規定されうるものではない >戦時国際法ではなく、慣習法の視座を総論した極論をすれば、 >一般住民(被保護者)である。 >扱いは、明記される対象ではない。 つまり捕らえた側が自国の国内法に沿ってこの者たちを殺人犯・傷害犯として裁判にかけても国際法上は問題ないということですね。 >軍服に徽章があれば、交戦資格者になりえる。したがって一般住民としての保護規定外になりえる この場合は捕虜として扱わねばならない(その方が望ましい)ということですか。 >なお、ハーグ陸戦条約は「法として有効である」という前提条件などについてあえて踏み込まない できればここをもう少し分かりやすく教えて頂けないでしょうか。

  • siege7898
  • ベストアンサー率21% (191/888)
回答No.2

そりゃいわゆる非正規兵、つまりゲリラっていうことになりますので、兵士と同じ扱いになるんじゃないでしょうかね?

dmj28h
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 つまり捕虜として扱うということですか。

  • skip-man
  • ベストアンサー率22% (344/1529)
回答No.1

前提が間抜けすぎます。 緊張状態にある敵国への不法侵入 敵対国の住民に警戒をしていない 命を奪われなかった幸運 敵国内で捕虜をとる非常識。攻撃されれば応戦しながら逃げる。 国際法的には,非は侵入した部隊にある。 捕らえられた者は,解放される。(捕らえる前に殺すのが普通だろう) 軍人であっても同じ。 事実が公になれば,侵入した部隊の国が世界中から非難されるだろう。

dmj28h
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。