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なぜジェミニ宇宙船には緊急脱出用ロケットがないのか?
- かつての宇宙船には緊急脱出用の固体燃料ブースターがあったが、ジェミニ宇宙船には射出座席が搭載されていた。
- ジェミニ宇宙船には射出座席が採用され、飛行士は脱出時にハッチから脱出することができた。
- ジェミニ宇宙船には宇宙遊泳をする際に楽に出入りできるため、二つのハッチが備えられていた。
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マーキュリーとジェミニは共にマクダネル社製ですよね。 同じメーカーなのにナゼ?。 諸説あるようですが、複座のカプセルを離床させるタワーロケットの重量&コストが大きく、 射出シートに歩があったんでしょう。 それにこの頃になって射出シートの作動安全性が大幅に向上したようです。 ただし、射出に伴う危険性は極めて大きく、シートサイズぎりぎりのハッチに干渉しないように乗員はシートに縛り付けられたようです。 ジェミニカプセルはコンパクトながら汎用性があり、飛行士からの信頼性も高いすぐれた宇宙機だったようです。 ジェミニ計画の草案にはパラグライダーで滑空し、3点姿勢で着陸する。スカイラブのような宇宙実験室を備え打ち上げる。 というアイディアもあったようです。 その後のアポロではロックウェル社製の三人乗りとなりましたが、3基の射出シートの運用には無理があることで、安全確実なプロテクトカバー付きタワーロケットとなったのではないでしょうか。
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当時は、まだどういう脱出装置が最も良いのか、分からない部分が多過ぎたからでしょうね。大気圏外まで行って帰って来るというのは、普通に空を飛ぶのとわけが違いますので。 スペースシャトルでも、試験機には脱出装置がありましたが、実用飛行に入るときに外されました。チャレンジャー事故以降、ハッチから緊急脱出できるようになりましたが、マッハ3以下まで減速しないと、使えないものでした。 マッハ20からそこまで減速するまでの間では、脱出した途端、生きてはいられないからです。マッハ3でも安全だということではありません。一か八かでも、そこまで待たなければならかったということです。 緊急脱出ブースターでは、10~17Gという加速度がかかります。これはこれで危ない代物です。しかも、それ自体が重く、搭載することによって事故の危険性を増すことにもなります。打ち上げ時なら、もっと推力を上げなければいけないわけですから。 しかし、やはり緊急脱出ブースターのほうが安全性が高いという意見が強くなっていて、スペースシャトルの後継機では、こちらが採用予定になっています。 今までも試行錯誤で安全を図ってきました。ジェミニはそういう試行錯誤の中で、たまたま射出座席が採用されたということです。 現在でもまだ、決め手と言えるほどのものは開発されていません。今後も、まだまだ試行錯誤が続きます。
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ご回答ありがとうございます。 マーキュリー=ブースター→ジェミニ=射出座席→アポロ=ブースター、そして次期オリオン=ブースターの流れをみると射出座席はジェミニだけのものだったようですね。 例えばジェット戦闘機の射出座席で緊急脱出した場合、高速で飛んでいる機から体がむき出し(?)のまま強烈なロケット噴射により猛烈なGで放り出されるのですから考えただけでも・・・実際に脱出し命が助かったパイロットは皆口々に「アレは死ぬほどの恐怖、二度と使いたくない」と言ってるとか・・・ ロケットの場合、ブースター脱出時にGがかかるといってもすでにロケット打ち上げでGはかかっていますからなんのその、やはりカプセル内に居ながらにして安全に脱出したほうがいいですよね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 詳しいご説明でこれまで知らなかったことが多々あり興味津津です。 確か人類初の有人宇宙船ロシアのボストークは帰還の際、カプセル自体に逆噴射装置やパラシュートはなく射出座席がハッチを吹き飛ばし飛行士が飛び出てパラシュートで軟着陸するというものでした。(何とも無謀で危険なことをしていたものです) この方式は後に乗員はカプセル内に居て一緒に帰還するという宇宙開発に関する国際的な決まりごとに反するということでオミットになったそうですが・・・ いずれにしても各計画毎にメーカーは当時の知恵を絞り最も安全で信頼性の高い方式で安全な脱出装置を作り搭載してきたのですね。私の知っている限り、幸いなことに打ち上げ時に緊急脱出した例を知りません。 「備えあれば憂いなし」ですね・・・