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寄付金控除を受ける条件とは?
- 寄付金控除を受けるための条件とは、その寄付金をした人でないと使えないことです。
- 生計を一にしている家族の確定申告に寄付金の控除をつけられるようにすべきではないか疑問を持っています。
- 寄付した人にしか控除がつけられない理由について疑問を抱いています。
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質問者が選んだベストアンサー
法律の成り立ち方から考えることになりますが、日本の所得税というものはあくまでも「その一個人の所得と控除を勘案して算出される税(個人型所得税)」だからです。個人型所得税は現在世界の主流方式となっています。 なお、質問者さんが主張するような方式での税金の考え方は「世帯型所得税」の考え方で、欧州の一部の国が採用していますが、あくまでも現在では少数派の概念です。 さて、所得税についてサラリーマンのAさんを例に考えて見ましょう。(かなり簡略化して説明します) Aさんは給与があり、パートに出ている奥さんと学生の子供が1人いるとします。 Aさんは毎日通勤電車に揺られて出勤し、この不景気の中でも会社はきっちり給与とボーナスを払ってくれています。つまりAさんは給与所得がそれなりにあるので、ここから所得税を納税する必要があります。 この税金の対象となる利益を「所得」と呼びます。 一方、Aさんは家族の生活費の面倒をみています。いわゆる扶養ですね。また、生きていく上では健康保険や医療費などの支出も必要となります。こういう減税要素を「控除」と呼びます。寄付金もこの控除に含まれます。 所得から控除を差し引いた部分が税金の対象である「課税所得」となり、これに税率を掛けたものが「所得税」です。 ここで重要なのは、所得についても控除についてもあくまでも「Aさん自身の分」でしか計算しないということです。奥さんにはパート収入がありますが、このパート収入はあくまでも奥さんの所得なので、Aさんと合算して税金がかかったりはしません。また、別個に奥さんの所得税を考えるだけです。 控除についても同様です。Aさんが負担した部分の控除はAさんの所得から、奥さんが負担した分の控除は奥さんの所得から控除されます。あくまでも支出した人に対しての減税要素として帰属します。一部例外などもありますが、それは支出者が判別できない状態のもの(領収書に名前が無いような状況)や扶養家族が小遣いなどから支出した社会的に負担すべき義務性が強い支出(健康保険など)に限られています。そのため、奥さんが寄付をしたのならばそれは奥さんの控除であり、Aさんに移しかえることはできません。 この考え方は所得税に関する専門書の冒頭に必ず説明されていますので、機会があれば大きな書店や図書館で一読されてみてはどうでしょうか。金子宏著「租税法」という本があり、現在日本の租税法律学者のバイブルとまで言われる本で、専門書でありながら読みやすいため大変参考になりますよ。 以上を踏まえて質問について考えてみると、寄付金控除に必須である領収書や証明書には必ず「寄付をした人の氏名」が記載されているため、支出者が確定しています。この時点でそこに記載された人にしか控除が適用できなくなります。そのためほかの人では控除できないのです。 >もともと税金がない人だとお金は戻ってこないみたいです 当然です。控除はあくまでも所得税の負担を軽減するための減税措置に過ぎませんから、寄付者に所得や税負担が無いのならば控除としての効果も発生しないこととなります。 寄付者に対し国がわざわざ給付をするならば、その分を国が被災地に直接給付するほうが話が早いですしよほど復興支援になります。 >寄付したのに何の恩恵も得られないということになりますよね 失礼ながら考え違いをされていませんか?「寄付」というものは見返りを求めない善意として行うものであり、恩恵を期待してするものではありません。 恩恵を期待して寄付をしたというならば、名義問題に関して勉強不足だったとしか言いようがありません。 >おかしいと思います どうしても納得できないならば裁判を起こし、最高裁判所から「個人型所得税の考え方は憲法に違反している」という判決をもらうしかありません。
お礼
分かりやすい回答をありがとうございました。