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OPアンプの低電圧時の出力電圧精度
OPアンプデータシートのどの項目を見ればよいかを質問させていただきます。 今、OPアンプでボルテージフォロアを構成して、小さな入力電圧でも精度よく出力できるように考慮しようとしています。たとえば、0.3Vレベル入力でも正確に出力したいです。 この領域で動作できるかどうかを判断するためには、OPアンプデータSHEETのどの項目を見ればよいでしょうか。 項目用語は、できれば日本無線(日本語)かTIのデータシート(英語)の両方から示して頂けるとうれしいです。
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ボルテージフォロアというのは、反転入力と出力を直結した構成のものですね?以下の情報を教えてください。 (A) 入力信号の電圧範囲(下限と上限) (B) 入力信号の最大周波数 (C) 電源電圧(単電源か両電源かも) (D) 最低入力インピーダンス 周囲温度と電源電圧が一定で、入力信号の周波数が充分低く(オペアンプの利得帯域幅積より充分小さい)、入力電圧の上限が電源電圧(正の電源電圧)より充分小さく、入力電圧の下限が、電源の下限(単電源の場合はGND、両電源の場合は負の電源電圧)より充分大きければ、出力電圧の精度に影響を与えるのは、細かいものまで含めれば以下の特性になります。 (1) 入力電圧に対する入力オフセット電圧の変化 (2) 入力電圧に対するバイアス電流の変化 (3) オープンループゲインの周波数特性 (4) 最大負荷電流 (5) 入力換算ノイズ 上の(A)~(D)の情報と、どのような精度(相対精度で何%以内、絶対精度で何V以内など)が必要か分かれば、どういうオペアンプが適切かお答えできると思います。
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- inara1
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全ての場合を想定すると長くなるので、入力電圧が電源電圧に近くなく、周波数が充分低い場合について説明します。 この場合は、添付図のように、信号源の電圧 V1 に対するオペアンプの出力電圧 V3 を計算で求めることができます。Rs は信号源の出力抵抗 、R はオペアンプのコモンモードの入力抵抗ですが、非反転入力とGND間に抵抗を入れた場合は、それらの並列抵抗になります。Vos はオペアンプの入力オフセット電圧 、Ib はバイアス電流、Ao はオープンループ利得、CMRRはコモンモード電圧除去比です。 V1 と V3 違い(誤差)を小さくするには (1) Ao と CMRR が1より充分大きい (2) Rs/R が1より充分小さい (3) Vos と Rs*Ib がV1 より充分小さい ことが必要です。これらの特性が実際のオペアンプでどうなっているかをTIのOPA2353で説明します。 OPA2353データシート(http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/opa2353.pdf) (Ao と CMRR) データシート2ページの OPEN-LOOP GAIN がオープンループ利得 Ao に相当します。 単位が V/mV になっていますが、これは「出力電圧の変化/入力電圧の変化」を表しています。最低で 100dB(10万倍)、標準で122dB(126万倍)です。これは1より充分大きな値なので、上の(1)を満足しますが、データシート3ページの OPEN-LOOP GAIN/PHASE vs FREQUENCY に出ているように、入力周波数が大きくなるほど Ao が低下するので、(1)を満足する周波数は 数100kHz程度までということになります。 CMRR はデータシート2ページの Common-Mode Rejection Ratio になります。これも1より充分大きいですが、データシート2ページの POWER SUPPLY AND COMMON-MODE REJECTION RATIO vs FREQUENCY に出ているように、入力周波数が大きくなるほど低下します。 (コモンモード入力抵抗 R) これはデータシート2ページの INPUT IMPEDANCE の Common-Mode です(オペアンプによってはこの項目が記載されていない場合があります)。10^12Ω と非常にに大きいので通常は問題ありませんが、入力端子とGND間に抵抗を入れる場合は、この抵抗値が添付図の R になるので、信号源の出力抵抗に比べて充分大きな抵抗値とする必要があります。ただし、信号源をつないでいないとき、バイアス電流 Ib はこの抵抗だけに流れ、Ib*R の電圧が発生するので、Ib が大きいオペアンプを使うと、信号源をつないでいないときに出力電圧が飽和する(電源電圧付近に張り付く)ことがあります。 (Vos と Ib) データシート2ページの Input Offset Voltage と Input Bias Current になります。このオペアンプでは Vos は最悪で±8mVありますが、Vosのもっと小さいオペアンプもあります(http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/opa2334.pdf)。Ib は25℃では±10pAと小さいですが、FET入力オペアンプやCMOSオペアンプでは、温度が高くなるとIbが急激に増加します(データシート6ページの INPUT BIAS CURRENT vs TEMPERATURE 参照)。添付図のように、Ib が大きいと、信号源の出力抵抗 Rs の影響が大きくなります。Rs が例えば1MΩと大きい場合、Ib による誤差を 1mV 未満にするには、Ib が 1nA 未満のオペアンプ(や温度範囲)を選ぶ必要があります。
- tadys
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もう少し条件を絞らないとね、 入力の最低周波数、最高周波数は?(直流は含むの?) 入力の最少電圧、最大電圧は? 使用できる電源の種類と電圧は? 信号源のインピーダンスは? 負荷抵抗はいくらぐらい? 精度はどれぐらい必要? これぐらいの項目について数値を挙げる必要が有ります。 信号源は直流で0~3Vぐらいの範囲で、電源電圧5V、 信号源のインピーダンスは低い、 精度は1mVぐらいの条件で、LM358を使用するとします。 LM358のスペックはこちらから、英語と日本語を対応できます。 日本語 http://www2.renesas.com/maps_download/pdf/G10526JJBV0DS00.pdf 英語 http://www2.renesas.com/maps_download/dl_docpdf?litcode=G11765EJ6V0DS00 入力オフセット電圧: ±2~±7mV なので、精度1mVに合致しません。 入力オフセット電流: 回路のインピーダンスを低く出来るので問題なし。 入力バイアス電流: 回路のインピーダンスを低く出来るので問題なし。 大振幅電圧利得: ゲイン1で使うので問題なし。 回路電流: 電池で動作させるのでなければ大抵の場合で気にする必要なし。 同相信号除去比: ボルテージフォロアでは気にしなくてよい。 電源変動除去比: 電源変動や電源ノイズが大きい場合は気にする必要あり。 出力電圧範囲: 出力電圧の範囲が0~3VなのでOK 同相入力電圧範囲: 入力電圧の範囲が0~3VなのでOK 出力電流 (SOURCE): 負荷回路による 出力電流 (SINK): 負荷回路による チャネル・セパレーション: 問題になるかどうかは全体的な回路によります。 周波数が高い時は、「Av-f特性」、「Vo-f特性」、「スルーレート」も調べる必要が有ります。 仕様書には書いてありませんが、負荷抵抗がGNDでなく電源に繋がれている場合は0Vまで出力できない事が有ります。 ボルテージフォロアで使用すると発振するOPアンプが有るので注意が必要です。
- inara1
- ベストアンサー率78% (652/834)
ANo.1です。 項目を修正します。 (A) 入力信号の電圧範囲(下限と上限) (B) 入力信号の最大周波数 (C) 電源電圧(単電源か両電源かも) (D) 最低入力インピーダンス (E) 最大負荷電流(負荷抵抗) (1) 入力電圧に対する入力オフセット電圧の変化 (2) 入力電圧に対するバイアス電流の変化 (3) オープンループゲイン (4) 負荷電流と出力電圧の関係 (5) 入力換算ノイズ