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円ドル動向と震災・金融緩和の影響
- 今年の円ドルの動きを見ている中で、震災時にはわが国企業の外貨資産取崩し思惑やリスク回避の動きにより円高が進行しました。なぜ震災で経済が悪化しても円高になるのか疑問です。
- また、7月には米FRB議長による追加金融緩和の可能性示唆や欧州債務問題の深刻化によるリスク回避の動きが円高ドル安をもたらしました。なぜ金融緩和や欧州債務問題の深刻化がドル安につながるのか不思議です。
- これらの現象を通じて、円ドル動向の複雑さと経済的要因との関連性を理解したいです。
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>わが国企業の外貨資産取崩し思惑 日本の企業にとって外貨は主にドルやユーロです。 また「外貨資産取り崩し」というのは「お金が必要になったので外貨預金を解約する」ようなものです。 実際に「取り崩し」が行われると「外貨売り・円買い」となります。 つまり、円高要因です。 「思惑」と付け加えられているのは、「外貨資産取崩しが行われるので円高になるはず」という予想のもとに円買い投機が行われたのではないか?という分析ということです。 >リスク回避の動き 「円」をベースに投資をしている場合、海外に投資をすることは「リスクを取る」行為になります。 また、海外に投資をするということは「円売り・外貨買い」を伴うので「円安」要因です。 この前提のもとで「リスク回避」の意味を考えると「海外への投資資金を引き上げる」こととなります。 よって、「リスク回避」→「海外資産の引き上げ」→「外貨売り・円買い」で「円高要因」というわけです。 以上、2つのコメントの意味するところを説明しただけなので「それが円高の原因」と言っているわけではありません。 その点ご承知おきください。 >金融緩和でなぜドル安になるのでしょうか? FRBが前回行った量的金融緩和(QE2)というのは市中から「米国債」を買い上げるという政策です。 「国債を買うのはFRB、売るのは金融機関」ということになるので、金融機関には売却代金の現金が入ってくることになります。 市中の現金が増えるとどうなるかというと言わずと知れた「インフレ」です。 実はFRBのバーナンキ議長の一番の目的は「デフレ日本の二の舞にならないこと」でした。バーナンキ議長は日本の金融政策マニアのような人物と言われています。 『バーナンキの背理法』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%AD#.E3.83.90.E3.83.BC.E3.83.8A.E3.83.B3.E3.82.AD.E3.81.AE.E8.83.8C.E7.90.86.E6.B3.95 ちなみにインフレは「物価高」と言われますが、それはすなわち「通貨価値の下落(毀損)」ということです。 インフレが進む通貨は価値が下がっていくわけですから、価値が下がっていくドルから価値が下がりそうにない通貨へと資金は移動していきます。 ドルから他通貨への移動はドル売りを伴うので「ドル安要因」となります。 バーナンキ議長の思惑は「QE2が終了する頃には程良いインフレになって景気も回復しているはず」というものでした。 ですから終了と共にインフレの進行を止めるために緩和政策を徐々に「引き締め政策」へと転換してだぶついたドルを回収するつもりでいました。 ところがQE2の効果でデフレにはなりませんでしたが、景気は思うように回復しませんでした。 かといってこれ以上の金融緩和はデフレ防止ではなく「インフレ促進」になりかねないのでその後「QE3」は実行されないままに現在に至ります。 このような事情があるので、さらなる緩和政策「QE3」が取り沙汰されるとドルは弱含むということになります。 以上も、よくある解釈をなぞっただけなので、正解・不正解ということでははありません。 >欧州債務問題の深刻化はユーロ安になり、ユーロはアンチドルと言われているので、ドルは逆に高くなると思うのですが、ドル安になるのはなぜでしょうか? ユーロとドルはここ3年ほど大きなレンジを行ったり来たりで、特に一方的にドル安・ユーロ高にはなってはいません。 http://stooq.com/q/?s=eurusd&c=3y&t=l&a=lg&b=0 今年1年を見ても年半ばからはどちらかと言うとドル高・ユーロ安です。 http://stooq.com/q/?s=eurusd&c=1y&t=l&a=lg&b=0 おそらく「米国と欧州どちらも景気回復まで道遠し」との見方から資金の行き先が揺れているということではないでしょうか? ※不明点、間違いなどありましたらご指摘ください。
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- Saitar
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2つの質問であると思いますので、それぞれについて私なりに簡潔に回答します。 (Q1)3月の震災時になぜ円高になったのか? (A1)一時的に円高が進んだものの、直ぐに円安に移行したのはご存知だと思います。 あのような激しい動きは投機筋によるものと思われます。 即ち、誰もが円安になると思って、円売りのポジションを持っている時に、強引に円高へ引っ張ると、円売りポジション持ちは慌てて買い戻す必要があり、急激に円高が進行することなります。 これによって、円高誘導した投機筋は大儲けできるわけです。そして、投機筋は満足できるだけ儲けたらサッサと退散してしまうので、その後は一定期間順当に?円安になったわけです。 (Q2)金融緩和でなぜドル安になるのか? (A1)金融緩和とは即ち、ドル紙幣を大量に世の中にばら撒くことです。通貨量が増えるのですから、当然、ドル安になります。但し、欧州債務問題が本格的に深刻化した時は、ドルは高くなると予想します。それはユーロがアンチドルだからではなく、危機の場合はアメリカや各国の投機筋が投資している(それでも信用度が高い)ドルを回収するために、世界中からドルを買い集めるため、ドル高になるのです。これは円でも同じで、円高が進行の要因になります。 以上です。
お礼
解りやすい解説、ありがとうございました。
- NEWINN
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まず円高になった本当の理由なんて誰もが分かりません。 ただ、1つ確実性の高いことを書くと、現在のドル安の原因は米国が金融緩和をすると米国の金利水準が低下しドルを持つ旨みが無くなります。 既に米国の短期実質金利はマイナス状態です。 実質金利がマイナスの通貨は嫌われて売られる傾向があります、まだ日本の方が短期実質金利は高い事の裏返しです。 欧州債務問題はユーロ安にしていますが、だからと言って実質金利がマイナスのドルを積極的に買える状態ではありません。 単純に預貯金や借入を考えてみると、預金金利よりもインフレ率の方が高い状態の時に預金をするよりはお金を借り入れる方が得になります。 だから、ユーロは買えない、ドルは買えない、その理由でスイスフランなど通貨の信頼性が高い所が買われています。 ただ、円も消去法で買われていますが、スイスフランほどではありません。 ですから、円が買われた理由としては「ユーロは買えない、ドルは買えない」と言う理由からです。 現時点では実質実効為替レートで強さの順ではスイスフランが最も強く、次いで豪ドル、日本円、ユーロ、米ドルの順だと考えられます。 日本円は若干強いくらいです、実は豪ドル、スイスフラン、ブラジルレアルに対しては円安です。 逆に、米ドルは非常に安い状態が続いています、そこをどうするのかです。 最終的な判断は自己責任です、質問者様の方でも考えて慎重にご判断ください。
お礼
ありがとうございました。
お礼
ありがとうございました。非常に解りやすい解説でした。